『聖フィロフティア生命保険相互会社』履歴書ファイル

 外資系では珍しい互助形式の保険会社にして、裏の業務は各国のバンパイア・ハンターの援助と情報交換。
  大航海時代の到来で東洋、西洋、新大陸の交流が始まった。しかしそれは、世界中で吸血鬼の被害が発生するようになり、また二次吸血鬼達の拡大範囲も広がるようになった事も意味していた。
  個々のバンパイア・ハンター達はこれに対抗するため、いざ吸血鬼が現れたときに迅速に現場に駆けつけられるよう、定期的に手紙をやりとりするようになった。やがてそれがギルドとなり、吸血鬼に恨みを持ちながら戦う力を持たない人々が、ギルドに会費を納めるという形で協力。十八世紀にはすでに、契約者達が収めた”保険料”に基づいて、吸血鬼の情報を集めてハンターを雇い、また咬まれた人々の治療を行う現在のシステムが確立していた。これが聖フィロフティア生命保険の発端である。
  普通の保険会社としても優良企業であり、現在の契約者のほとんどは吸血鬼については何も知らない一般人である。きちんと保険金を支払いつつ、ハンター達に払う報酬を捻出しなければならないため、会社の規模の割に本社ビルが古くさかったり、コーヒー代は自腹だったりと、微妙に垢抜けない。
  また『殺しても死なない』吸血鬼相手の商売ため、強力ではあるが手加減の出来ない異能力を持つ者が、敢えてここを選ぶ場合もある。



<<back   <<top>>   next>>
No.001
名前
桐島 翼(きりじま つばさ)

by havela様
通り名
鮮血の翼(ブラッディ・ウイング)
年齢
18
容姿
軽薄で陽気な兄ちゃん
正業
フリーター(うなぎ処『藤やす』店員)
経歴

 ダンピール(吸血鬼とのハーフ)。典型的なバンパイア・ハンター。
  かなりの大物吸血鬼が人間の女性に産ませた子供。すぐに吸血鬼の血が発現し人間離れした怪力を発揮したため、親元から引き取られ、あるハンターの養子となって世界各地で技術と実戦を叩き込まれた。つい先日、十数年に渡る実戦訓練を終えて帰国。日本支部の正式ハンターとして独立したばかり。

  養父にして師匠が女たらしで有名なハンターだったため、その養子の翼も、「女の子に声をかけないのはむしろ失礼」と信じている。独立した時点で一人暮らしが許されるため、聖フィロフィティアのコネで都心のマンションを確保するやいなや、さっそく養父譲りのナンパの技術で女の子に声をかけまくっている。とは言え、もともと中学高校とまったく通わず銃だの杭だのばかり扱っていたため、話題が会わずに今のところは苦戦中の模様である。

  現在はバイトで食いつなぎながら、ぽつぽつと入るハンターとしての仕事をこなしている。最優先の目標は何より、彼女をゲットすること。ちなみにバイト先は最寄りの駅前商店街のうなぎ屋。焼きは話にならないが、串を刺す手つきにはなかなか見るものがある、とオヤジさんは見込んでいる。一扇和彦とは同じマンションの住人で、余り物のうなぎを肴に良く飲むが、互いの正体には気づいていない模様。仕事となればマジメにこなし、女の子と遊ぶためなら地道にバイトでお金を貯める、清く正しいナンパ師。

スキル

『吸血鬼の血』
  夜間になれば人間離れした各種の運動能力を発揮できる。他の人間のハンターと異なり、呪術や聖水、十字架での浄化に頼らず、ひたすら重火器で圧倒する。
  得意とする戦法は、その腕力と動体視力にものをいわせてデザートイーグル二丁を使い弾丸をばら撒きまくるスタイル。両手から吐き出されるマズルフラッシュと、相手から吹き上がる血煙から『鮮血の翼』の名がついた。
(契約上、任務の際は銃器を本社から一時的に借り受ける、という形をとっている)

No.002
名前
シルヴィア・ダ・コレッジォ

by topaz様
通り名
探索者(esploratore)
年齢
22
容姿
いわゆる情熱的なイタリア美女
正業
留学生
経歴

 イタリアの名門、コレッジォ家の息女。
  十四世紀、戦争で倒れた人のために生涯をささげた一人の女性がいた。当時のコレッジォ家の主は彼女の死を看取り、死後の名誉を家門にかけて護った。それより後、コレッジォ家の女性には代々、他人の傷を癒す不思議な力が宿るようになった、という。
  その女性は実は聖女で、祝福を受けたコレッジォ家に神の奇跡が宿ったのだ……とは、コレッジォ家のかつての領地に伝わるお伽噺である。

  その家風と、授かった癒しの力から、聖フィロフィテアには設立当時から積極的に協力。出資もし、また被害を受けた人々の傷を直に治癒してきた。そのため一人娘であるシルヴィアも、若年ながら聖フィロフィテアの重要な幹部として扱われている。

  先日、ふとしたことから曾々祖母の日記が発見された。そこにはかつて彼女が日本での任務に従事し、いくつかの仕事をやり残していた事が記されていた。事実を確かめ、必要であれば決着をつけるため、現当主に代わってシルヴィアが日本に派遣されることになった。
  現在はファッションデザインを勉強しに来ている留学生という肩書きになっており、聖フィロフティアの日本支部で働きながら、祖母の日記の事件を調査する日々。

  もっとも、年頃の女性として日本での生活も満喫している模様。充分な美貌と教養、そして奔放なまでに恋多き女性のため、求愛する男が後をたたない(もっとも彼女の眼鏡にかなう者はなかなか居ないようだが)。男の魂にキックを入れてくれる、情熱癒し系お姉さん。

スキル

『命の通貨』
  献身による癒しの力。他人が受けた外傷・内傷を自分に”移し替える”ことで治療する。
  怪我を”移された”自分には、相手が癒えた分と等しい損傷が聖痕のように現れる。

『緑の命』
  『命の通貨』の応用。太陽の下で植物に触れることで、植物の精気を受け取り自身の傷を癒すことが出来る。樹木が沢山あり、太陽光が多く降り注いでいるほど早く傷が回復する。

No.003
名前
西門 菊之介(にしかど きくのすけ)

by 雪之丞様
通り名
銀使い(シルバースミス)
年齢
34
容姿
ヤクザ……と見間違えられるのが悩みのタネ
正業
シルバーアクセサリーの職人
経歴

 小学生の頃に両親が他界して以来、ほとんど姉一人の手で育てられた。その頃から銀を操る異能力に目覚め、それがきっかけで銀細工の世界にのめり込むようになる。もともと早く家計の助けにならなければという思いもあり、二十歳になるころには細工師として一人で仕事が取れるようにまでなっていた。また、時々はその力を活かして人材派遣会社のCCCでも働いており、こちらでもなかなかの好成績を上げていた。

  菊之介の独立を見て安心したのか、その後に姉は結婚し、男子をもうける。しばらくは幸せな生活が続いたが、三年前に突如姉夫婦が事故死してしまった。最愛の姉、唯一の血縁の死に絶望しかけた菊之介だが、残された甥っ子の姿を見て、かつての姉のように、今度は自分が甥っ子を育てるのだと誓うことで希望を取り戻した。

  自分一人ならアクセサリ職人としてもCCCの派遣社員としても充分食っていけるが、甥っ子に少しでもいい教育を受けさせたいと、聖フィロフティアのヘッドハンティングに応じて移籍した。

  日ごろは自宅兼作業場にこもって、アクセサリーを作る日々。基本的に職人気質で無愛想だが、その作品は非常に繊細で美しい。女優や俳優も身につける、知る人ぞ知る超一流デザイナーとなりつつある。弟子入り志願者は多数いるが、一切を断っている。
  これらから人嫌いで気むずかしいと思われているが、甥っ子の前では人が変わったように笑顔だったりもする。

スキル

『銀操作』
  銀に干渉し、意志に応じて自在に変形させる能力。変種の念動力かとも考えられているが、定かではない。銀という稀少な金属に特化したかわりに、糸状から刃物、鈍器にいたるまで、自由自在に操作することが出来る。
  通常は各所に身につけている自作のネックレスやブレスレット、腕輪を武器に変形させて使用する。CCCで異能力者同士の戦闘については鍛えられており、白兵戦の技術もかなりのもの。彼の銀を操る能力は吸血鬼への切り札となるため、聖フィロフティアとしては多少のボーナスを払ってでも雇い入れたい人材だった。

No.004
名前
ハインリッヒ・バイエルライン

by STO様
通り名
火炎公(アイニ)
年齢
32
容姿
謹厳実直という言葉を絵に描いたような男
職業
大学の準教授
経歴

 ドイツ出身の科学者。幼い頃に実家を火事で失い、家族が一時バラバラになったという事件があり、それ以来、彼は火事というものを少しでもこの世から減らす事を使命とする。大学では建築学を専攻し、免震や防火、耐火について幾つもの優秀な論文を発表。順調に博士課程まで進む。

  しかしその頃、彼は己の心の中に潜む、おぞましい一面に気づき始めていた。幼い頃に家を奪った、憎いはずの火……それを、『美しい』と感じ、『もっと見たい』という自身の密かな願望に。
  大学の研究室で実施された、建材に火をつけて耐火性能を確かめる実験の時、ついに彼の欲望は爆発。建材を焼いている火に実験室のあり合わせの薬品を加えて大火災を引き起こすという暴挙に出た。防火と耐火を知り尽くした彼の知識は、裏返されて最悪の放火のテクニックと化し、大学の研究棟が一つ消失するという事態となった。

  人死にはなく、また、彼も疑われずあくまで実験中の事故として処理されたが、彼は自分自身を許せず、逃げるように姉妹校である日本の某大学へ準教授として赴任。現在では、地震国である日本で免震を中心とした建築学を教えており、評判はよい。

  己という人間の業の深さに延々と悩み続けていたハインリッヒだが、ある時、一人のバンパイアハンターが、火を操る吸血鬼と戦うために彼にアドバイスを聞いたとき、彼は天啓を得た。『燃やしても死なない吸血鬼』ならば、思うがままに己の欲望を叩きつけられるぞ、と。現在では聖フィロフティアのエージェントとして、吸血鬼相手に蓄えた火の知識を存分に奮い、病癖を癒している。たとえそれが一時しのぎとわかっていても。

スキル

『放火』
  天性の放火魔。その知識と生来のセンスで、火災を自在に操る。
  相手の服に移った小さな火の粉を、手持ちの薬品少量や、ほんの僅かな風向きの調整で、またたく間に全身を焼き尽くす程の炎に育て上げる。床に放った炎を火の壁に仕立てたり、屋内火災によるバックドラフト現象で吹き飛ばす事さえやってのける。本気になれば、風向きと湿度を読んで、マッチ一本で街一つを燃やす事すら可能。
  戦闘能力はないが、戦術ではずば抜けた凶悪さを発揮するタイプ。ただし、あまり火を見ていると理性を失い、建物や辺り一帯を燃やしつくさなければ収まらない事も。


<<back   <<top>>   next>>