TRPGリプレイ 『人材派遣のCCC』 
封神都市
前編 『地方都市再開発計画』


 

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  世の中には『派遣会社』というものがある。

 

 『能力』を持った人間を
『しかるべき職場』
に派遣して案件を処理させる、というものだ。
  企業が終身雇用制を取り下げつつある今、
こうした派遣社員は次第にその数を増やしている。

 その内容は様々だ。

 一日いくらの土木作業。
  オフィスの味方、事務処理代行。
  専門能力が問われるシステムエンジニア、はたまた外国語講師。
  専門職も真っ青の高給取り、経営コンサルタント。
  あるいは誘拐代行の傭兵、都市破壊専門の元特殊部隊。
  企業情報の奪取を得意とするクラッカー、
はたまた要人警護の武術の達人。
  深海でも行動可能なサイボーグ、
夜間に頼れる吸血鬼。

 たまには、そんな『派遣会社』の世界のディープな一面、
通常とは『ちょっと違った能力』を持った人間たちが派遣される
『しかるべき職場』の話をしよう…。

 


1.誕生

 ある日ある時ある場所に、一人のGMと四人のプレイヤーが集まった。となればやることはTRPGしかあるまい。

GM:はいは〜い、それじゃあ新セッション『人材派遣のCCC』を始めるよ〜。みんなキャラクターは出来てるかな?
プレイヤーA:今回は新ルールなんですな。
プレイヤーB:オリジナルの世界観なんだよね。
GM:そうそう。既存の市販ルールを一部改造して使うんだけど、世界自体はオリジナルだよん。舞台は現代、君たちは常人とはちょっと違う力を持った『エージェント』と呼ばれる派遣社員達の中の一人なのだ。
プレイヤーB:派遣社員…って。サラリーマンの日常生活をロールプレイするの?(笑)
GM:ンなもんロールプレイするまでも無くいつもやってるでしょうが(苦笑)。君たちは他人とは少し違った能力を持ちつつも、現代社会で普通に日常生活を営んでいる。しかし、所属する『派遣会社』からお呼びが掛かれば、その能力を生かして危険なミッションに挑むのさ。
プレイヤーA:能力は好き勝手に選択していいんですな。
GM:ルールが許す限りは好きに選んでくれたまえ。でも、目が三つとか脚が五本とかにしちゃうと、そもそも普通の社会生活が送れないからね。あくまでも基本は人間にしてくれよ。
プレイヤーC:つくったよ〜。
プレイヤーD:せっかくだし色々いじってみた(笑)。

 

そして並べられるキャラクターシート。

 

GM:おーけー。じゃあ自己紹介をしてもらおうかな。まずはAさんから。
プレーヤーA:私は『企業戦士(サムライ)』東野 進。人材派遣会社CCCに正社員として勤務する四十二歳のサラリーマンだ。
プレーヤーD:渋っ!
プレーヤーB:いぶし銀(笑)。
プレーヤーA(以後 東野):元は大手総合商社で『裏の仕事』なんてのをやってました。おかげで潜入や破壊工作は得意です。あと、精神力を打撃に変えて『サラリーマンの拳』で相手を殴ります。前衛〜盗賊向きの能力者ですね。
プレーヤーC:やべ、ダメージはオレの方が上だけど痛みは負けそうだ(笑)。
東野:凡人が覚悟と精神力で能力を引き出してるので、スーツを脱いでしまうと気が抜けてしまってほとんどの能力が使えません。家族には普通のサラリーマンで通しているため、自宅では完全にゴミ扱いされてます(笑)。
プレーヤーD:パンツは当然別々に洗うのよね(泣)。
GM:了解。ちなみに東野さんはこの四人の中で唯一の正社員なので、チームのリーダーをやってもらうことになりますです。
東野:了解しましたよ。
プレーヤーB:次は私かな。『符屋(ペイパーカンパニー)』鷂 十三(はいたか じゅうざ)三十二歳。銀行員です。
プレーヤーD:こっちも渋ッ(笑)。
東野:中年コンビ誕生ですな。
プレーヤーB(以後 十三):得意技は符術です。敵を絡め取って動きを封じたり、符の嵐で範囲攻撃を使います。あと幻覚を利用した拷問とか。…後衛、魔法使いタイプですね。
GM:またえげつない能力を…(汗)。
十三:(苦笑)もともとはとある組織で腕を振るっておったのですよ。ですが色々ありまして、今は別れた奥さんへの慰謝料と子供の養育費に喘ぎ、定時後のバイトに精を出しております。
プレーヤーC:昼は銀行員、夜は符術師…。
十三:札を扱わせれば右に出るものはいない、と思ってくれたまえ。…反面、符がないと何も出来ないのだが。
プレーヤーC:じゃ、三番手はオレね。犬神 乾史(いぬがみ けんし)。中卒のストリートキッズ十五歳。ボクシングをかじって新宿で用心棒やってるぜ。まだ新人なんで、他の人みてーなあだ名はまだ無い。
プレーヤーD:うーん、二人と正反対のが来た。
プレーヤーC(以後、乾史):親の顔も知らずに育ったんで、家族のいる奴とかはキライだぜ。あといじめっ子を半殺しにして高校に行けなかったんで、学歴あるやつもキライさ。
十三:中々難物のようだな。
乾史:ヘマやって補導されたとき、身元引受人になったオヤジが条件で出してきやがったから、仕方なく仕事を受けてやったんだよ。
東野:ふむ。君のような問題児を管理するのも、リーダーの務めというわけだね。
乾史:へっ、わりいけど殴り合いじゃあんたにも負ける気はしねえな。コインを握り締めるととんでもねえジャンプやダッシュが出来るようになるんだ。パンチも強化されて、岩だってぶっ壊す、バリバリの前衛だぜ。
東野:殴り合いだけでは生きてはいけないよ、少年…。というわけで最後の方。
プレーヤーD:じゃ、私ね。『贋作師(フェイカー)』有本 理流(ありもと りる)。ロングヘアが自慢の二十歳の女子大生です〜。ルックスは『美人』!
一同:……。
プレーヤーD(以下、理流):…ってあれ、反応が薄いなあ。
東野:家族が大事です。
十三:娘が一番。
乾史:学歴あるやつはキライ。
理流:うう、ひどいチーム…。ヒロインがいるのにヒーローがいないなんて。
十三:ああ、ヒーローの女性型の意味だな。
理流:むがーっ。ええと、いろいろあって錬金術を会得しています。そのおかげで、物質に干渉して変質させることが可能です。コンクリを水にしたりとか、鉄をチョコレートにしたりとか。
乾史:意外と地味な能力だな。
理流:ところがどっこい、これを応用して水やコンクリから銃を作り出すことが出来るのよ〜。どんなセキュリティも突破できる、現地調達の銃。いつでもどこでも二丁拳銃〜。
GM:いや…持ち込みはいいけど。撃つときは周りの状況も考えてね?
理流:うぐぅ…。
東野:とりがーはっぴーな子だね…。
理流:あと、撃った銃弾に錬金術で干渉することで、弾道を自在に捻じ曲げることが出来ます。威力も通常の三倍増し!超必殺技ですね。1日数回しかつかえないけど。遠距離型の弓兵タイプかな。
GM:了解。じゃあ、CCCに所属する君たちの自宅に、ある日依頼のメールが届いたところから事件は始まるよ…。

 

そして配られる、『任務依頼書』

 

理流:…なんていうか、最初にずいぶん色々情報が流れてくるのねえ。
GM:これはオシゴトなのですよ。依頼人から君たちに仕事がまわってくるまでには、すでにある程度の情報が集められているってワケ。現代社会では行動範囲が広いからね。あてどもなく調査したり話を聞いて周っても時間をムダにするだけなのさ。
東野:我々はこの情報を元に、定められた時間と場所に現地集合すればいいんだね。
理流:ちょっと覚えきれないなあ(苦笑)。
十三:何、任務上必要になったときに読み返せばいいのさ。
東野:とりあえず今は、『ある街の再開発で不振な事件が多発してるので、原因を調査する』とだけ覚えておけばいいんじゃないかな。
乾史:
この『エージェントの情報』ってのは何だよ?
GM:君ら特殊な派遣社員は『エージェント』と呼ばれる。そして、『エージェント』が乗り出してくるような不可思議な事件の原因は、やはり別の『エージェント』である事が多いのだ。
理流:別の派遣会社に所属する『エージェント』がこの事件の元凶かも知れないって事ね。
十三:では早速、任務開始と行こうか。

 

2.財産

GM:その前に!皆さん自分のキャラの財力を申告すること!!(※)
乾史:『貧乏』だよ。ストリートキッズにカネなんてあるわけねーだろ。
理流:私も『貧乏』…。仕送りが不定期だから生活厳しいのよねえ。
十三:『貧乏』。慰謝料の支払いも楽ではない。
東野:一家を支えるため当然『貧乏』ですな。
十三:皆似たようなものか。
GM:まー、貧乏だからこそ派遣のアルバイトなんぞをやってるんだろうしね。ではさっそく、皆さん3D6を振ってくれたまえ。『貧乏』ならダイスの目が9以下で成功だ。
理流:6、成功♪
十三:8。
乾史:10。…ギリギリ失敗だな。
東野:ぐはあっ、15。
GM:このセッションでは毎回各シナリオの初めに、『財産判定』をしてもらいまする。この判定に失敗している度合いが高ければ高いほど、あなたの現在の財布の中はピンチです!至急派遣のアルバイトをこなして報酬を得なければなりません。
理流:私はとりあえず安定しているわけね。
乾史:ちっ、用心棒の仕事も最近不景気でやんの。
東野:…。
GM:東野さんの失敗度合いで言うと…。定期預金に手をつけたり、ローンが払えなかったりするレベルですね。
東野:あああ家族に渡す給料がないぃぃ。
GM:東野さんは『ヘビースモーカー』ですが当然煙草も買えません。
GM:しくしくしくしく。
十三:煙草くらいなら奢りましょう。
東野:済まないな鷂さん…。
乾史:中年組はあっというまに仲良くなっちまった(笑)。
東野:一刻も早く依頼をこなさねば、今日の昼飯代も出ませんよ(汗)。
GM:では即刻、ミッションを開始するとしましょうか。

※キャラクターは財産を『貧乏』にする代償として、異能力やHP、技能などを強化できる。また、お金持ちにしたかったら、他の能力を削らなければならない。結局この四人は、みな異能力の強化を選んだのである…。

 

3.初陣

GM:それではまず乾史君。君はどうやって四模津(ヨモツ)市まで行くかね?
乾史:そりゃ新宿が根城だから…。バイクもねーし電車だろうな。
GM:ではねぐらを抜け出して新宿駅に向かうのだが、道すがらの裏通りでチンピラ風の男が三人ほど、子供をとりかこんでる場面に遭遇する。
乾史:オレはこの界隈が根城な訳だけど、男達に見覚えある?
GM:ある。三人とも未成年で、君とはあまり仲の良くないチームに所属してる。一方、取り囲まれてるのは六歳くらいのオンナノコだね。見覚えは無い。
乾史:女の子ねぇ。
GM:どーやら三人が子供のバッグをとりあげてからかってるようだ。「かえしてくだいー」といって困っているよ。
乾史:「おいコラ、飢鬼ども、そんなコドモに手ぇ出さなきゃならねえぐらいの女日照りか?」
GM:「あん!?げ、犬神かよ!」「う、うっせぇ、てめえには関係ないだろ」等など。ちなみに君は腕っ節の強さで結構恐れられていたりする。
乾史:問答無用でボコる(断言)。
GM:「こ、こっちは三人だ!やっちまえ!!」と言ってかかってくるな。
乾史:ではコインを握って『能力発動』。こんな奴らは50円で充分だ(笑)。えーと、一番前の奴をパンチで殴る…成功。(※)
GM:回避は…失敗だね。ダメージどうぞ。
乾史:50円だとたいしたことないな。13点。
GM:(それは一般人には大打撃なんだがね…)チンピラは派手に吹っ飛んで動かなくなった。残りの二人は目を丸くして「げっ、つ、強えぇ!」
乾史:「おっとっと、逃げられると思うなよ」
GM:…まあ、真面目にサイコロを振るまでもないでしょう。君はあっさりチンピラ三人を叩きのめしたよ。
乾史:パンピー相手だからな。「とっとと失せろ」と下品な手付きで追い払う。
GM:「お、おぼえてやがれっ」と言いながらチンピラどもは逃げてゆく。残ったのは子供一人。
乾史:落ちてるバッグを取り上げて放る。「子供一人で歩いたりするからだ。いいか、これに懲りたら二度とこんな所にくるんじゃねーぞ」
理流:(女の子なのにー)
乾史:(うっせえなあ、ガキは嫌いなんだようっ)とにかく、駅まで行って、四相津行きの電車に乗る。
GM:じゃあ、君は無事に新宿駅に着いた。で、ふと振り返ると女の子がぽとぽとついてきたりするのだが(笑)
乾史:「なんでついてくんだよっ」
GM:「お兄ちゃん、ヨモツにいくんですよね?つれてってください」
乾史:「アホなこと抜かすな、ガキはさっさとうちに帰れ!」
GM:「おとーさんにあいにいかなきゃいけないんです」
乾史:「いいか、オレわ悪〜い奴なんだぞ。お前みたいなガキ、バラして、臓器にして売っぱらっちまうかもしれねーぞ?」
GM:じー(見詰め)。
乾史:「わかったらうちへ帰れ?」
GM:ふるふる(首横振り)。
乾史:…困るなあ。しょうがない。「おっさん、このガキよろしく頼んだ」と駅員に無理矢理押し付けて電車に駆け込む。
GM:了解だ。しかし、電車に乗って座ると…。
乾史:横に座ってたりする?
GM:する(笑)。

 

結局、乾史と女の子がなし崩しに同席したまま電車は進んでゆくのであった。

理流:乾史くん遅いなぁ。携帯かけてみよう。
GM:ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜。
理流:…なんの着メロよ?(苦笑)
乾史:そんな音は鳴らねえ!デフォ音だよ!
十三:「ゴッドファーザーのテーマ」とかどうだろう?
東野:「仁義なき戦い」とか?
GM:「犬のおまわりさん」とか。
乾史:どれも違うわっ!!(笑)とにかく出るよ。「なんだよ、今電車だよ」
理流:「どうしたの?何か困ったことでもあったの?」
乾史:「何でもねえ。ちょっと電車一本遅れちまっただけだい」
理流:「もー。また何か揉め事起こしたんでしょ。だめだぞっ。もう乾史くんも大人なんだしっ」
乾史:問答無用で斬る。いやさ切る。
理流:「揉め事起こして良い時と起こしちゃいけない時の見極め…ぶちっ」
GM:つーつーつー…。
乾史:…しばらく黙って座ってるけど、池袋を過ぎたあたりで250mmのペットボトルを取り出して子供につきつける。
十三:250mmというあたりに気遣いを感じるな(笑)
GM:「ありがとう」こくこくと飲みはじめる。
乾史:「おめー、学校はどーしたんだよ?」
GM:「いってない」
乾史:「行け!」
GM:「…」
乾史:「…親父はヨモツにいるってか?」
GM:「…(こくこく)」
乾史:「…母親は?」
GM:「いないよ」
乾史:「いねーわけがあるか」
GM:「いないもん」
乾史:「いるの!」
GM:「いない!」
乾史:「ガルルルル…」
GM:「…………」
理流:にらみ合ってる(笑)
乾史:「…なんでお前だけ東京にいたんだよ?」
GM:「…うちは東京だもん」
乾史:「親父は連れてってくんなかったんかよ?」
GM:「おとーさんとはあったことないもん」
乾史:「はぁん? どーゆう親だ。そんな親にはヘソ噛んで死ね、と言ってやれ」
GM:「おとーさんはわるいひとじゃないもん」べしべし。
乾史:「いーや、ヘソ噛んで死ぬべきだ」
GM:「むがー!」(真っ赤になりながらべちべち叩いてる)
東野:二人纏めて補導されそうだなあ…。
GM:という辺りでアナウンスが流れる。「次はー、よもつ、よもつ〜」
乾史:「…親父はどこにいるか知ってんのか?」
GM:「ヨモツに行けば会えるって言ってた」
乾史:「…とりあえず降りるか」
GM:「うん!」

※乾史は握り締めたコインの額によって戦闘能力が変動する。一度能力を使ってしまうと手の中のコインは消えてしまうので、ザコ相手はなるべく安上がりに済ませたがるのである。

 

4.旅館

GM:さて。お待たせ他三人のメンバー。
十三:うむ。
GM:君たちは特に問題なく予定通り集合出来たのだが。
理流:乾史君がいない〜。
東野:初顔合わせから遅刻とは困ったものだね。…初顔合わせなのかな?
GM:一応、君たちは事前に顔合わせはしていると言うことにしておいてくれ。
東野:了解。
十三:私など有給を取っているというのに!(笑)
理流:あー。忘れてた。今日は平日なのねえ。
東野十三これだから学生は…!!(怒)
GM:どうやって休暇をとったのやら(笑)
十三:いやぁ、威風堂々と取りましたよ。
GM:ちなみに、どうしても表の仕事と派遣業務がバッティングする場合は、専門の要員が表の仕事の代打をつとめますのでご心配なく。
東野:代打ってそれはまた。
GM:この業界、『化け』られる人間もいますからね。適当に仕事をするフリをしてくれたりするんですよ。
東野:そーいう時に限って深刻なトラブルが発生したりするんですよね…。
一同:はっはっはっはあ(乾笑)
GM:そうそう。君たちもこの四模津市までどうやってやって来たかを申告してね。
理流:んー。電車かなぁ。
東野:私も電車かな。ガス代なんて出ませんよ?(泣)
十三:バイクで向かう。
理流:おおー。
十三:サイドカー付きで、子供を隣に乗せられるのです(笑)っと、ガス代及び駐車場代を経費で落としたいのだが。
GM:交通費までは支給をみとめましょう。
十三:経理くん、それは間違っている。…と交渉したいのだけど。
GM:残念ながら、ここらへんは君たちと派遣会社との契約条項に含まれておりまする。多額の報酬が提示される代わりに、現地に着いてからはあらゆる費用が成功報酬から天引きされるのですよ。
十三:厳しいですな…。
GM:その代わり、能力を使用するのに金銭的代償を支払うこととすれば、若干有利になるわけですし。
十三:なるほど。私の場合は一回術を使うたびに一枚五千円の符を消費するわけですが、その分通常より威力が増加しているということですな。
GM:そういう事です。もっともお金をケチって任務に失敗しては元も子もないのでそこは思い切りをつけてくださいね(笑)。
十三:悩みどころですな。
東野:倹約倹約倹約…。
理流:せちがらいわね…。

GM:さて君たちは集合場所に現れない乾史を置いて旅館にやってきたわけですが。
東野:私は馬小屋で(爆笑)。(※)
十三:MPだけ回復ですか(笑)。
GM:…宿泊費までは経費に含まれてるので安心してね?
東野:ほっ。じゃあ遠慮なく泊まらせてもらおう。
十三:宿泊先の朝食は、当然バイキングコースですな?
東野:ちゅ、昼食の分まで確保確保…(笑)。
GM:「タッパーの持込はご遠慮ください」(笑)
東野:見逃してくだされい…。
理流:「んっふっふ。こんなこともあろうかとっ!じゃーん!お姉ちゃん特製お弁当だぞっ〜」
十三:おお、女性陣から頼もしい援護が。
東野:…理流、君の弱点の欄に『殺人的な料理の腕』とあるのは気のせいかな?(汗)
理流:「…と、言いたいところだけど、私がちょーーと目を離した隙にみーくんがぜんぶたべちゃったのよねぇ。ほーんとにしょうがないんだからっ。だから今回は、みーくんとくせいおべんとー♪どーしてもおねちゃんのが食べたかったんだって。もーほんとにしょうがないんだから〜(喜)」
乾史:…みーくん?
GM:そういや理流は従兄弟の未空(みくう)君にベッタリだったっけねえ。
十三:そんな設定が(笑)。
GM:弟さんも能力者だし、そのうちどっかで出るかもね、と伏線を張っておこう。
十三:ともあれ、せっかく弟さんが作ってくれたのだし、昼食はありがたくいただきましょうか、東野さん。
東野:というかだね。彼女の弁当を食べた弟さんは?
理流:蓋を開けると紙が入っているのよ。『どこの誰だかは知らないが、俺の分まで生きてくれ…』
十三:弟君はいい人ですねえ。
東野:身を呈して我々を救ってくれたんだね。
十三:…と。脱線申し訳ない。旅館はどんな感じですかね?
GM:ちょっとひなびた雰囲気ですね。外から見えるのは、まあちょっと田舎の住宅町って感じですよ。
理流:旅館なんだ。てっきりビジネスホテルかと(苦笑)。
十三:田舎のビジネスホテルは旅館と道義ですよ。ラブ●テルを兼ねているところもありますな。
東野:ラ●ホというより連れ込み宿ですなぁ。
理流:部屋はシングルよね?
GM:好きに決めてください。特に指定がなければ三人一部屋とかになりそうですが。
理流:いやーーーーーーっ!スタートから濡れ場はいやー!
東野:私らだってごめんだよ…。
GM:「部屋はそれでは、シングルで?ちょっと割増になりますが…」
十三:理流の一人部屋は自腹を切ってくださいね。
東野:財産判定の目がとっても良かったしね。
理流:まー差分ぐらいなら自腹でも良いけど…。
十三:女子大生に払わせる余裕がない親父’sであった…。
東野:経費節減、経費節減。
GM:せちがらいよね…。
東野:GM、女将とか仲居さんとかにここ最近の不審な噂について一通り聞いてみたいのですが。
GM:「不審な噂ねえ。地震がするのか、そんなのでしょうか」とか言ってる。
東野:「幽霊騒ぎとか、事故なんかも多いんだってね?」
GM:「うちに止まったお客さんも見たって言うよ、幽霊を」
東野:「へえ、どんなのが出るの?」
GM:「コートを来た幽霊って噂よ」と仲居さん。
十三:ほう。
GM:「いやいや、へんな衣装を来たおっさんだって噂だぞ?」と受付の人。
東野:「コートねえ…、出会い頭にこう、がばっと?」
GM:「やぁだあー、お客さん!」
東野:「げひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
理流:なんか、東野さんがプチ壊れ気味?
東野:嘘です、悪乗りしすぎましたごめんなさい。コートの男ね?
GM:「気味悪いのよー。こう、線路の側にうずくまってじーっとこっちをみてるんですって!」
東野:「ふぅん… いや、面白い話をありがとう」

※お金をケチってMPだけ回復させ、治療は呪文でまかなうのが某RPGの定番。

 

5.依頼

乾史:しかたがない。とりあえずこの子供を旅館に連れて行こう。
GM:それじゃあ旅館件ビジネスホテルにたどり着くよ。中に入ると見知った人が変質者の真似をしてコートをばさっとやる真似をしたりしてるけど?
東野:がばあっ!
十三:…その目の前に女の子が(笑)。
乾史:思い切り顔をしかめる。
理流:やっほー。
乾史:軽蔑の眼差しを向けてやる(笑)。
理流:もー、東野さんお茶目過ぎなんだからー!
東野:ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ。
GM:女の子はきゃっきゃっと笑ってますが。
乾史:「あほ! こーいうのを見たら警察にかけこむんだ!」
十三:「妹さんかい?」
乾史:「違うわ。勝手についてきたんだ」
理流:「やーん、かわいー♪」
十三:「…犯罪に手を染めるのはよくないが」と眼鏡を抑えながら。
乾史:「ってか、親父はどこにいるんだ? まさかこの二人のどっちかか?」
GM:「んー、えっとねー」まじまじ。
東野:(どきどき)
GM:「…どっちもちがうみたい」
東野:(ほっ)
GM:「こっちがお母さん」(嘘)
十三:「若いお母さんだね〜」
理流:「んー、こんなかわいい子だったらいいかも〜。お父さんはみーくんで」(以下妄想の世界に突入)
十三:放置放置。
理流:上等ッ(ぇ)。
乾史:「おおい。ヨモツに着けば会えるって言ってたろうが。ウソつくと閻魔様に舌ひっこぬかれんぞ」
GM:「つけば会えるって言ってたもん」と女の子は得意顔だ。
乾史:「誰が言ってたんだよ。神様か? ホトケ様か?」
GM:「セーリューさんがいってたもん」
乾史:「誰だそぃつぁ?」
GM:「セーリューさんはセーリューさんだもん」
理流:「どんな字書くのかな?」
GM:「わかんない」…六歳ッスから。
理流:「ふーん、お父さん捜しているんだ。よーし、お姉ちゃんも探すのてつだちゃうぞっ!」
GM:「ありがとう、おねいちゃんっ」
乾史:「じゃあ理流、あとは任せた」(笑)
理流:「こらっ、ダメでしょ乾史くんっ、お父さん探してあげるって約束したのならちゃんと守らなきゃ!」
乾史:「オレは知らねえ。押し付けられるならそれに越した事ねえよ」
東野:ふむぅ。どうしたものだろうねえ。

 

GM:さて。顔合わせが無事に済んだあたりで、東野さんの携帯がなるよー。『うっちのとーちゃんはさらりーまーん〜♪』(核爆)
十三:…著作権に引っかかるな(笑)
GM:『まーんいんでーんしゃがわーがじんせーい♪』
理流:そういえば二つ名は『企業戦士』だったわね…。
東野:出ますよん。
十三:このまま出なかったら、ずっとGMが熱唱してたのか(笑)
GM:上海帰りだって歌えますよ?
理流:しゃんはいがえりゆーなーっ!(※)
GM:「もしもし。わたくし、今回御社に依頼をさせて頂きました狛村です」
東野:「これはこれは。CCCの東野と申します」
GM:「只今そちらに向かっているところです。もうすぐお伺いできるかと」
東野:「了解しました。お待ちしております」
十三:「東野さん、依頼人か?」
東野:そのようだね。と、電話の内容は皆に伝えておくよ。
GM:ではほどなく旅館の玄関が開いて、今回のクライアントが姿を表す。
乾史:この依頼人が親父さんだったりしてな。
GM:「はじめまして、狛村 明(こまむら あきら)と申します」…と名刺を差し出したのはメガネを装着した知的美人ですが?
乾史:こりゃ失敬。
理流:秘書さん?
東野:クライアント本人のようだだねえ。
GM:ビジネススーツを身に纏った『頼れる女』って感じだ。
理流:ほへえ。格好いいなぁ。
GM:「このたびは依頼を受けていただきありがとうございました」
十三:「こちらこそよろしく。期待に添えるよう全力を尽くします」と、握手でも求めよう。
理流:じゃあ、握手握手。
十三:「それでは早速、ビズにはいりましょうか」
東野:うい。
GM:それならさっそく食堂のテーブルを借りて打ち合わせがはじまるよ。
乾史:オレ、参加したもんだろか?
十三:逃がさんよ?
乾史:いや、ていうか。全然さっぱり微塵も関係ないガキがここにいるんスけど…。
GM:「CCCのメンバーには少々特殊な方が含まれると伺ってますから」と少女のことは気にしてない。
乾史:気にしろよっ!
GM:女の子はにこにこしながらケンシの側ですわって、いつのまにかオレンジジュースを飲んでいるねえ。

 

※:その昔、「上海帰りのリル」という名曲があったのです。

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