人材遣のCCC 第四話『クレジターズ・クレジット』 序幕 GM:早いものでこのシリーズも第四回…。では、皆様成長申告よろしく〜。 東野:知識系の能力を全般的に引き上げました。派手さは他の人に任せて地味に強化していきます。 乾史:そんだけ戦闘力高けりゃ充分だろーが。俺はやっぱり犬っぽく『指向性聴覚』で耳を強化。それから『拳圧』を瞬間的に発動して、殴りながら撃てるようにしたぜ。 十三:私は今までの教訓を踏まえて新技『探之符』を取得した。周囲にいる能力者を発見したり、能力を見破れるようになったので、これで不意打ちやバックアタックにも対応出来るはず。 理流:同じく、ガンナーでも容赦なく狙われるという教訓を踏まえてHPを増加。それから、敵の能力攻撃に備えて防御技を覚えました。緊急時にビーズアクセサリが弾けて、一瞬で盾に変形して受け止めます。 GM:……零式鉄球? 理流:ちっがーーう!!あと、ここのところ近接戦闘がメインなのでアサルトライフルより取り回しが良いP90を「器物作成」に加えました。 十三:着々とコレクションを増やしているな。 東野:そのうち英霊化されて古今東西の銃器を集めたりしてね…。 乾史:こんなのに救われたくねぇなぁ。 1.請求 GM:はいはい。じゃあ、前回から結構時間が過ぎて只今は9月の下旬。何はともあれ、まずは恒例の財産判定よろしく。 十三:(ころり)ふむ、普通に成功だ。善哉善哉。 東野:(ころり)おお、私も成功だ。 理流:年長組二人が成功って初めてじゃない?(ころり)ってぎゃああ!-2失敗…。おかしいなあ、ヨーロッパ旅行が予算どおり終わってればこんな事にはならなかったのに。 乾史:一体向こうで何やってきたんだよ。(ころり)ってうはぁぁぁあーーー!?-8失敗、っていうかこれファンブルじゃねえかあー!(爆笑) 東野:こ、これはもはや今日の食事にも困るという状況かな(汗)。 十三:むしろ絶食状態何日目、というところではないだろうか(苦笑)。 乾史:ち、ちくしょう収入がねぇのはつれぇぜ…。 理流:今までの仕事でお給料もらってたんじゃないの? 乾史:最近支払い方法が変わってきやがってよぅ、直接俺にじゃなくて、保護司のオッサンのところに給料が行くようになったんだよぅ。 理流:じゃあ取りに行けばいいじゃない。 乾史:それがイヤだから金に困ってんだろーがっ!!学校行けとか真面目に働けとか、色々とうっせぇんだよ、あそこの家。 GM:まぁまぁ。まだ君等はまだ互いのそんな状況を知る由もない。東京の各地でまだバラバラに過ごしているよ。 乾史:路地裏で干からびそうになっているぜ。 GM:子分達は心配そうだね。「乾史アニィっ、大丈夫っスか?」 乾史:大丈夫じゃねぇ〜。おめえら、何か食いモン調達してこい。 GM:じゃぁ「任せてください、特売だったんで買ってきました!ペ○ィグリー○ャムっす!!」(爆笑) 乾史:食えるかボケーーーッ!!(どげし) GM:「あうぅっ、何でッスか、美味いのに!」(ちなみに本当に美味いらしい) 乾史:てめぇには人としてのプライドはないのかっ! 一同:えぇーー? 乾史:何だよお前等、その何か言いたそうな視線はっ!(笑) GM:そんな路地裏のドタバタはさておいて。…理流。 理流:うい? GM:君は判定の通り、結構今月の財政は厳しい。しかも今は月末だ。 理流:うぅーん、調子に乗ってヨーロッパでマフィアを壊滅させたのはいいけど、報酬が出なかったのは誤算だったわね(笑)。 GM:君が自宅のマンションに帰ってくるとだな、ポストに何やら一通の封書が放り込まれている。 理流:何だろ?開けてみよう。流石にいきなり郵便爆弾はないでしょ(笑)。 GM:どうやら、クレジットカード会社からの請求書みたいだけど。なんでも、君のカードが使用停止になっているため、とっとと今月中に現金で振り込め、ってな内容の手紙だ。ご丁寧にコンビニで使える振込用紙も入っている。 理流:はぁ!?クレジットカードが使用停止?いつのまに私、そんな事になってたの?心当たりがあっていいのかな? GM:とりあえず、思い当たる節はないようだよ。 理流:ってか、今月ただでさえ苦しいのにそんなの払ってる余裕はないわよ!カード会社の問合せ先にTELする!断固抗議ッ。 GM:『ハイ、ヤヅミクレジットです』…ヤヅミ、ってのは君が使ってるカードの会社だね。 理流:かくかくしかじか…、と事態を説明し、いったいどうなってるのかと問いただす。 GM:『申し訳ありません、有本様のカードは、セキュリティ情報が流出した恐れがあるため急遽一時停止とさせて頂きました』 理流:………は?ちょっと待って、個人情報の流出ってどういうことよ!?  クレジットカード会社の説明は以下のようなものだった。  何でも、彼等の管理する顧客の個人情報の一部が、不正に流出した可能性があると言う。理流の情報もその一部に含まれていたらしく、セキュリティの保全のために一旦カードの機能を停止したのだが、運悪くそれが月末にかぶってしまったのだ。 GM:『あなたのクレジットカードが悪用されていないか、今月の履歴を述べさせていただきますのでご確認ください。プロバイダー料金。公共料金。オンライン通販ゲームは…ええと、ゲーム『弟といっしょ!』、ゲーム『義姉弟〜煩悶の果てに〜』、ゲーム『マイリトルプリンス』、ゲーム…』 理流:ちょっと待てー!そこだけ何で妙に具体的ー!?(笑) 東野:これって一種の羞恥プレイだよねえ。…というか、ダイス目が悪かったらこれ私の役割だったのかな(汗)。 理流:とにかくカードは即再発行よ!…っていうかそんな情報がだだ漏れだと、カード会社変えたほうがいいのかも…。今月分の支払いはそれからでもいいでしょ? GM:『申し訳ありませんが、その場合は延滞により利息が発生します』 理流:そ ん な の あ り か !! …ああ、でも現実のカード会社もそんなものだという事をプレイヤーは知ってしまっている(苦笑)。利息はイヤだからちゃっちゃとコンビニで支払いを済ませてしまおう…。ひーん、これで今月は本当にすっからかんだぞっ。 GM:では、そんな失意の君に答えるかのように、携帯から『上海帰りのリル』テーマが鳴ってメールが届く。 理流:だから私の着信音はそれじゃない!(笑)メールの内容は? GM:『有本理流様。あなたに仕事を依頼したく、CCC本社に参集願います』 十三:出来過ぎてるかなあ(笑)。 乾史:タイミング、やっぱりはかられてるよなあ? 理流:…ええーい、色々思うところはあるけど(笑)、仕方ない、CCCに向かうぞっ! 2.都銀 GM:さてさて、それより少し時間は遡って時刻は平日のお昼。カメラを十三さんに移してみよう。ええっと、十三さんの表の顔は銀行員なわけですが。この度ちょっとそこらへんの設定を作ってきました。 一同:ほー。 GM:十三さんの勤めている銀行は『フタバ銀行』と呼ばれる、日本人なら誰もが知っている大手都銀だ。経営も結構堅実で、バブルのダメージも最小限に済ませたようだね。 十三:良いことだ。経営者に先見の明があるということはな。 GM:では十三さん、貴方はフタバ銀行で普段どんな仕事をしておられるのかね? 十三:私?ええ、渉外を担当しておりますな。 乾史:ぴったりだ(笑)。 GM:では、昼休み開始のチャイムが鳴り響く中、一仕事終えた十三さんがオフィスに戻って来たということにしよう。昼ご飯はまだ食べてないってことで。 十三:多少のトラブルは発生したが、滞りなくスケジュール通り進行中。毎日こうだと良いのだがね。上司に軽く報告を入れて、昼食にするとしよう。………上司はどんな人?というか、有能?無能?(笑) GM:有能な人だね。名前は三村さん。君らのグループを取りまとめている腕利きだ。付き合いも結構長いよ。「鷂君、ご苦労だった。あそこは厄介だが、君なら上手く片をつけてくれるだろう。引き続き頑張ってくれ」 十三:了解。任務継続します。 GM:三村さんはそう言うと、ちょっと態度を改める。「…ところで鷂。ちょっとマズイ報せがある」 十三:うわ、猛烈に嫌な予感(苦笑)。………なんでしょう、三村さん。 GM:「俺はな、10月付けで異動する事になった。一応役職も一つ上がる」 十三:それはまた急な話ですな。 乾史:お?でもそれって栄転って奴じゃねぇの? 東野:吉報ではあれ、凶報ではないようですが。 GM:「俺自身には、な。…問題は俺の後任が、前田の奴って事だ」(笑) 東野:生々しいなあ(笑)。 十三:ガガーーン!!ああ、プレイヤーはその前田って人は知らないが、言い回しだけでとっても悲惨な状況にあると言うことがわかってしまう!(笑) 乾史:きっと口癖は「お前やっておけ」「俺は帰るから」とかなんだぜ。 GM:ええっと、口癖は「私に任せてください」と「彼のせいです」のようだね(爆笑)。 一同:最低だ〜〜〜! 十三:め、眩暈を覚えてしまう。その…、覆る可能性は? GM:「人事が覆る事がないなんて、こんだけ会社勤めしてれば充分解ってるだろう。お前達には済まないと思っているが。前田が今進めているプロジェクトに見合うだけの箔をつける、という意味でもやはり昇進するのはあいつだろう」 十三:プロジェクト?私はその中身を知っているのかな? GM:当然知っている。フタバ銀行とヤヅミ銀行の合併話だ。 理流:ヤヅミ?  ヤヅミ銀行とは、フタバ同様の大手都銀である。しかし、フタバと異なり、バブル期の無謀な投資が仇となり、深刻な財務悪化に喘いでいた。そして、続く不況についにヤヅミは決意。比較的優良であるフタバと合併をする事となったのだ。とは言え、これほど大規模な合併を一度に、というわけにはいかない。まずは手始めに、双方の子会社であるカード会社同士を合併させてみる事にしたのである。そのプロジェクトに関わっているのが、前田氏と彼の部下達だった。 GM:「お互いが所有するカード会社、『フタバクレジット』と『ヤヅミクレジット』の合併が上手く行けば、次はいよいよ本番、というわけだ」 理流:…………やっぱカード換えよう。こんな経営の危ないところの運営じゃあ。 東野:ってな情報は我々はまだ知らないわけだけどね。 十三:その、ヤヅミクレジットとの合併はきちんと進んでいるのかな? GM:「そうそう簡単に済む話じゃないみたいだな。あとは加藤の奴にでも聞いてくれ」…えっと、加藤と言うのは君の同期で、システムエンジニアとして前田氏の下で働いている人だね。 東野:きっと時々居酒屋で管を巻いている仲なんだね(笑)。 GM「じゃあ、俺は上司連中と昼食だ。お前も気を落とすなよ」と言い、三村さんは去ってゆく。 十三:ええ、大丈夫です…(思いっきり気落ちした声で)。外に食べに行く気も失せたな。地下の社員食堂にでも向かおう。 GM:食堂のおばちゃんは「あらあ、鷂ちゃん久しぶりね!アンタ細いんだから、ちゃんと食べなさいよ!」とどっちゃり。 十三:…かたじけない。私は味覚が鈍いとか、そんな事は口には出せないな(苦笑)。食堂を見回して、どこか開いてる席を確保する。 GM:では、君は食堂の片隅に見知った顔を見つける。先程話題に上がった加藤君だ。 十三:…………鬱会話の予感が果てしなくする(笑)が、声をかけよう。「元気か?加藤」 GM:「……………………………おお、鷂か」(笑) 理流:ゾンビ化してるわね…。 乾史:ああ、なんでかこう、プレイヤー的にはありありと情景が思い浮かぶなあ。 十三:その調子では合併の件、うまく行っていないようだな。 GM:(突如何かのスイッチが入ったかのように)「うまく?この狂ったような短納期で、ヤヅミの上層部連中はまるで宇宙人みたいに言葉が通じなくて、システムはインターフェースを引っぺがしてみれば古臭いCOBOLで動いてるなんて事実が発覚して、しかも当時のエンジニアが作ったマニュアルは大掃除の時に捨てられてもうわかる奴がいなくて、そのうえ上司が極め付きの阿呆で、それでもお前はうまく行く余地があるとでも言うのか、言うのかッ、ええぇッ!?」(爆笑) 東野:なんか凄くリアルな呪詛だなあ(苦笑)。 乾史:コボル?ファンタジーで出てくる? 理流:それはコボルド。コボルってのは君が生まれる前に使われていたプログラム用語なんだぞー。 十三:そういえばお前はプログラムの知識もあるんだったな。 GM:「お前が言うとイヤミにしか聞こえんなぁ」 十三:なにゆえ、…って、ああ、私『コンピューター』なんて技能を持ってたなあ(苦笑)。じゃあ、昼食を採りながら互いの愚痴について語り合いましょう。 GM:うい。それでは、程ほどに気が滅入る鬱会話の後、昼食が終わる。「鷂、お前んとこの娘さん、もう小学校だっけか?」 十三:何を言っている、数年前の話だ。 GM:「そうか…。ウチのも今度入学式でな。なんか時間が立つのはあっと言う間だなあ」 十三:「そうだ、あっと言う間だ。お前もきちんと家に帰ってやれ」と言いつつ…清水の舞台から飛び降りるつもりでコーヒーとタバコを奢ってやろう(笑)。 GM:「ありがとな。この件が片付いたらどこかに一杯ひっかけにいくか」 十三:「おごらんがな」と言いつつ食堂を出ます。 GM:では、食堂を後にしようとする君の携帯に、メールの着信が。 十三:CCCからのメールは着信音がさりげなく異なっているのでわかる。 GM:『鷂十三様。あなたに仕事を依頼したく、CCC本社に参集願います』 十三:…む。それでは適当に仕事を切り上げて、皆に合流するとするか。 3.召集  そして時刻は夕方。陽も落ちた頃に、一同は新宿にあるCCCのいつもの会議室に集まってくる。 東野:久しぶりだねみんな。元気にしていたかい。 十三:もうすぐ元気じゃなくなりそうです、東野さん。 理流:カード会社のせいですごく不機嫌だぞうっ。 乾史:おれは、とっても、元気だぜぇ〜〜〜(かさかさ)。 十三:おや、犬神君、妙に乾燥していないか?(笑) 乾史:そんな事は、ねぇぞぉ〜(ひらひら)。 東野:なんだか吹けば飛びそうだね(苦笑)。 乾史:でも意地を張って、金がないとは口が裂けても言わない俺であった。 理流:乾史君お腹すいているの?そ… 乾史:いらん(きっぱり)。 理流:だんだん拒否されるまでの間が短くなってる気がするー!?(笑) 東野:学習行動の成果だね。 十三:まさしくパブロフの…。 乾史:ええぃうるせー。さっさと依頼をよこせってんだい。 GM:じゃあ、ご期待に答えて会議室に麻生さんが入ってくるね。「みなさんお元気そうで何よりです」 乾史:…おれ、この人全部わかっててやってるんじゃないかと思うんだけどなあ。 東野:何を今更。 GM:では、時間もない事ですし、早速依頼内容の説明に入らせていただきたいと思います。 東野:というと、緊急性の高い依頼というわけだね。 ※任務概要 参照 東野:要約すると『ヤヅミの管理する個人情報をネット上にぶちまけた犯人をつかまえろ』ってことか。 GM:「以上申し上げましたとおり、当座の対策はなんとか施したものの、いつまた個人情報が流出するか。非常に危うい状態となっています。皆さんには早急に犯人を見つけ出していただきたいのです。受諾していただけますか?」 東野:ふむ…。犯人の手がかりが少なさそうな気もするけど。当然、私は受諾だよ。 乾史:相変わらずカタカナばっかりで何書いてあんのかわかんねー依頼だけど、今の俺は何でも受けちゃるぜー(笑)。 理流:受けましょうええ受けましょう。らぃ・なうっ(今すぐに)! 東野:何か妙にやる気だね、理流(笑)。 理流:ふっふーん。私の個人情報を流してくださりやがった連中をどう処理してあげよっかなー。ちょーっとこないだヨーロッパで色々銃器を『覚えて』きたしねー。 東野:ミッションからして都内での仕事になりそうだけどねえ。…おや、どうしたかね鷂さん? 十三:個人情報の流出なんて話が表沙汰になれば……プロジェクトが失墜して……前田氏が私の上司になることは……いや、意図的な失敗などプロとして……だがしかしっ………いやいや前田氏でなくても次の上司がろくな人間とは限らないし……いや…(笑)。 理流:…なんか色々思うところがあるみたいね(苦笑)。 十三:ええ、と、とりあえず受諾でお願いします。いずれにせよ、選択権はあった方がいい(笑)。 GM:「基本的な情報をまとめたファイルを東野さんにお渡しします。また、CCC、もしくはヤヅミ側で調べられる情報であれば、電話で問い合わせを貰えれば調査します」 東野:了解しました。とは言え、どこから手をつけたものかねぇ。 理流:まずはその個人情報の漏洩があったっていうページにつないでみましょうか。  さっそく一同の仲でもっともコンピューターに精通した理流が、個人情報の流出のあったというサイトにアクセスしてみる。該当のページは、依頼書のとおりすでに潰された後だったが、理流がWeb上の痕跡を追跡調査し、どうやらデータが流されたのは、東京都内のどこかのパソコンかららしいとわかる。 理流:うーん。さすがにこれでは手がかりとしては不足かなあ。 十三:そんな事はない。ネット上の犯罪なら、それこそ容疑の範囲は世界規模だからな。都内に絞り込めただけでも大きな手がかりだ。 東野:となると、残りの手がかりは、今回の依頼者であるこの『ヤヅミシステム』くらいかな。 理流:ええっと、『ヤヅミシステム』と『ヤヅミクレジット』ってどういう関係なの? GM:「どちらも、巨大なヤヅミ銀行が展開する『ヤヅミグループ』傘下の子会社です。主にクレジットカードに関する仕事を扱うのが『ヤヅミクレジット』。グループ内のネットワークを管理するのが『ヤヅミシステム』ですね」 乾史:なんだかようわからんけどよぅ、とにかくここでパソコンと睨めっこしてるより、その『ヤヅミシステム』に行ってみたほうがいいんじゃねえかなあ。ってえか、俺の知らない単語ばっかりが飛び交うんで、いい加減退屈してきたぜ。 東野:乾史の言う事にも一理ありだね。今は夜だけど、まだ訪問出来るかな? GM:『ヤヅミシステム』は渋谷にありますので、ここからは電車ですぐですね。定時後ですが、ソフトウェアの仕事ですし、まだ社員はほとんど中にいるでしょう。担当者にはアポを取っておきますよ」 理流:やっぱりソフト系の仕事って夜が本番なのかしらねぇ。 十三:不健康という言葉の具現のようなものだからな。 乾史:あーそうだ。麻生サン、背広一着貸してくれよ。 東野:お、どういう心境の変化だい? 乾史:別に。会社をあちこち回るんだったら、スーツでも着てた方が少しは不審がられねぇだろうしよ。服にこだわってチャンスを逃すわけにはいかねーだろ? GM:「そういうことであれば」と麻生サンはすぐにCCCの備品から背広を一着調達してくれる。(乾史、何気に成長してるなあ) 理流:じゃあさっそくいっきましょー。あー、もちろんノートPCとペットボトル5本はバックに詰め込んで持って行く。ふっふっふ、P90で目にモノ見せてくれるぞぉ〜。 GM:(理流………。アンタ輝いてるよ) 4.訪問  一向は早速、渋谷にある『ヤヅミシステム』に向かった(経費節減のため電車で)。麻生が事前にアポイントをとってくれていたため、すんなりと応接に通される。 乾史:俺、コーヒーを飲んでいるんで。打ち合わせの方はおっさん達にまかせた。 十三:おや?犬神君はコーヒーの類は苦手だったと思ったが。 乾史:シロップとクリームをどぼどぼ入れて飲む!(笑)というかむしろシロップを飲む!カロリーが足りねぇんだよぅ! 東野:なら素直にそう言えば良いのに(苦笑)。 乾史:それが言い出せりゃ苦労しねぇ(笑)。隅でこっそり栄養補給してるぜ。 GM:「お待たせしました。例の件のおかげで修羅場でして」とやって来たのは、今回の依頼人、小林さんだ。 東野:型どおりの名刺交換をして、さっそく状況を伺いましょう。 GM:「はあ、私達としても困ったものでして、はい」 十三:事件が起こった時、何か御社の中で変わった事はありませんでしたか? GM:「ええと、私はその時すでに帰宅していましたので」 理流:でも、CCCに依頼する時に、一通り社内の情報はまとめたんでしょ? GM:「はあ、上司から書類を作成するよう指示を受けましたので、部下に作らせましたが」 東野:では、その時の事も思い出していただいて詳しく。 GM:「いえ、私は出来上がった書類に捺印しただけですので…」 十三:…これは直接現場の担当者の人に話を伺ったほうが良さそうだ(溜息)。 理流:(頭を振って)私この件が終わったらカード会社換える。とてもじゃないけどここから口座引き落としさせるわけには行かないわ…。 乾史:俺はもはや我関せず状態。受付のお姉さんにシロップのお代わりを頼む。 東野:乾史はカードなんて縁がないからねえ。じゃあ、「お話はよくわかりました。我々としては、現場の方の声も伺っておきたいと思いまして。ご担当の方を紹介頂けませんか?」と頼む。 GM:そういうことでしたら、と小林さんは露骨にホッとした表情だ。「石上と言うものがエンジニア達を仕切っているので、彼に聞いてくれれば大丈夫です。ここの三階に居ますので、そこに行って聞いてください」 乾史:…口調は丁寧だけどよぅ。要はその石上って奴に丸投げってことだろぅ。 十三:はっはっは、犬神君は鋭い視点を持っているな。だがもう少し聡ければ、それを口に出すのは控えたほうが良い(笑)。 東野:こうやって、忙しい人にはどんどん仕事が集まって行くわけだねぇ(嘆息)。 理流:…こんな現場ばっかりだと、なんか私、将来就職するのが怖くなってきたわ。 十三:はっはっは。理流君はその前にその珍妙な服装を何とかしないと面接に通らないと思うぞー(笑)。 理流:珍妙ゆーな!!…ああでも私以外はみんなスーツなのか。ちょっと寂しいぞっ。 東野:ともあれ、3Fに上って石神さんにアポをとりましょう。 GM:では3F。システムエンジニアの方にとっては馴染み深い、サーバーとPCがどっちゃり積まれたオフィスの中で、みんなクソ忙しそうに働いている。そんな中でも一際忙しそうにあちこちに指示を飛ばしている人がいるね。 十三:それが石上さんと見て間違いないだろう(笑)。さっそく声をかけて、かくかくしかじかと事情を説明します。 GM:石上さんは突如現れた君達に、露骨に迷惑そうな表情を向けるけど、十三の用件を聞いて目の色を帰る。「そうか、アンタ等があの恥知らずどもを捕まえてくれるってわけか!」 理流:んむ? 東野:ちょっと待った。彼は確かに、「あの恥知らずども」と言ったのかな? GM:「そうだよ、あのアイエスの連中だ!だから俺はあんな身元もよくわからないような連中を使うのは反対だったんだ!」 十三:是非とも詳しくお話を伺わせて頂きたいですな、石上さん。そのアイエス、というのはどういった方々なのですか? GM:「…ああ。『アイエスソフト』。最近出来た小さなソフト会だよ。あんた達、うちが今進めているプロジェクトの事は知ってるのかい?」 東野:『ヤヅミクレジット』と『フタバクレジット』の合併の事ですかな? GM:「そうそう。んで、うちの会社が担当してるのは、その二社が使っているシステムの統合なんだけどね。そのシステム統合の作業を任せていたのが、その『アイエスソフト』なんだ」 理流:んー?でもここって仮にもソフトウェアの会社でしょ?そういうのは外注に出さずに社員の人がやるんじゃないの? GM:その言葉を聞いた石上君はなんとも微妙な笑いを浮かべる。「そうだといいんだけどな。実際はソフトウェア会社何て言っても、大半は親会社から出向させられたメールも打てないようなおじちゃんと、半人前の新人ばっかり。新人も仕事を覚えたら覚えたですぐやめちまうしなー」 十三:やめてやめてやめてそれ以上は聞きたくないー!! 東野:今回はやたらと生々しい話が多いねぇ…。 GM:せせこましい日常生活の下、異能力者が活躍すると言うのがこのシリーズのコンセプトですし。 乾史:せせこましいっつーより、痛々しいって感じだぜ。 十三:と、ともあれ。いくら外注しなければいけないとはいえ、そんな重要な仕事を、素性も良くわからない会社に委託したのですか? GM:「ああ…。別に素性がわからないってわけじゃないんだが。ええっと、うちの子会社の『ヤヅミエンジニアリングサービス』の子会社の『ワイ=ソフトウェア』の子会社の『グッドウェア』の子会社、だったかな。もう一社くらい間に入っていたかも」 東野:孫、曾孫になるにつれ、ネーミングがいい加減になってるあたり、いかにも適当につくった子会社って感じだよね…。 理流:うがー!私やっぱりこの場でカード解約するー! GM:「それでも、ここまで身元が良くわからない奴等を採用するのは珍しいんだけどね。うちのシステムは古いCOBOLで出来てるもんで、そんな昔の言語を扱える技術者はそうそういなかったんだよ。俺は俺で、フタバ側の担当者との調整と交渉で忙しかったし」 理流:あれー。どっかで聞いたような(苦笑)。 十三:それは大変なことだ。…ちなみに、そのフタバ側の担当者とはどんな人かな?(笑) GM:「ええっと、加藤っていう奴なんだ。あいつとだけは気が合って、良く愚痴ってるよ。その上司の前田ってのは、そりゃもう絞め殺してやりたいくらいだが」 十三:…それはそれは。仲が良くて結構なことだ。だが石上さん。幾らなんでも身元が不審というだけでは、犯人と断定するのは早合点のような気もしますな? GM:石上君は言う。「何言ってんだ。だってアイツラ、今日は誰も会社に来てないんだぜ!?」 一同:おやぁーー? 5.潜入  一同はアイエスソフトについて更に詳しい情報を石上から聞きだし、以下の情報を得る事が出来た。 ・アイエスソフトは、極めて小規模な会社であり、人数は5人しかいなかった。 ・5人ともプログラマーで、今回の仕事では全員が『ヤヅミシステム』の中に入り込んで働いていた。 ・一応の所属はヤヅミグループであるが、そもそもはこの5人で立ち上げたベンチャー企業らしい。 ・身元は不審でも、腕は確かに立つようだった。 ・この仕事では、石上同様凄まじく忙しかった。5人の中にはヤヅミに対する恨み言を呟いていた者もいたらしい。 ・そしてその5人が、情報漏洩が発生した次の朝から、誰も出社していない。 東野:こりゃまた、いきなり濃厚な容疑者候補が出てきたもんだね。 理流:私達が犯人です、って宣言してるようなものだけど、ちょっとあからさま過ぎる? 十三:石上さん、その5人の情報やアイエスソフトの場所を教えて貰えないだろうか。 GM:「ああいいよ。とっととあいつ等を捕まえてくれ。どっちにしてもこのままじゃプロジェクトは進まないどころか一巻の終わりだからな」 東野:情報流出なんて問題が公になれば信用問題だからねえ。 理流:といって、彼らがいなければシステムの統合は出来ないんでしょ? GM:「そうなんだ、それも問題でな」…と言って、石上さんは履歴書を取り出してくる。アイエスソフトのオフィスも渋谷、ここからは歩いていける距離だ。 乾史:持ち物でもあれば匂いを覚えられるんだがなあ。 GM:5人の名前と住所について。まずは社長でもある相原氏。池袋在住だね。あと、同じく池袋在住の田村氏、秋葉原の佐藤氏、浅草の水元氏、上野の沢井氏、だ。 理流:メモメモ、っと。うーん、やっぱり一番近い渋谷のアイエスソフトオフィスから当たってみるべきかな? 東野:手がかりが少ない以上、まずは一通り周ってみるべきだろうな。…おや、どうしたね鷂さん。 十三:プロジェクトが失敗…任務放棄…いや、安定した職場…いやいや………大丈夫、まだ選択するチャンスはある(笑)。 乾史:何がだー!?(笑)  もう夜も深まる時刻だが、一同は無理を押して、同じく渋谷にあるアイエスソフトにやってきた。 理流:渋谷、って言っても繁華街から離れてて、ちょっと寂しいところね。 東野:教えてもらった住所を元に、建物を探します。 GM:ではすぐに該当する場所に辿り着く。五階建ての、古びた雑居ビルだね。派手派手しい金融ローンの看板が張り出している。ここの3Fに、アイエスソフトが入っている。 東野:ふむぅ。まずは普通に玄関をくぐって入っていこう。 GM:では、階段を上って3Fまでやってきた。ドアは閉まっていて、向こうの灯りは落ちている。 東野:ノックをするのも意味がなさそうだね。ノブをまわしてみるけど。 GM:鍵がかかっているね。 十三:では下に戻ってビルの管理人に合鍵を借りてこよう。  夜に突如来訪した男女四人に管理人のおばちゃんは不審の視線を向けるが、十三が対人交渉力の高さを生かして無事鍵を借りる事に成功する。ついでにアイエスソフトのメンバーについて聞いてみると、ここ最近はしょっちゅうオフィスを開けており、ときどき誰かがここに戻ってくる程度だったようだ。 東野:では鍵をあけます。一応、『暗視』の能力を発動して注意します。 乾史:俺も、感覚を全開にして異変に備えるぜ。 GM:では、ギィィィ、とドアが開く。君等はすぐわかるが、どうやら人の気配はなさそうだね。ただ、低いファンの音が唸っているので、パソコンは稼動しているのだろうとわかる。 理流:じゃあ電気をつけてしまいましょう。 GM:では君達の目の前に広がるのは、わりかしがらーんとしたオフィスに机がいくつか、そこにどっちゃり積まれたパソコンとサーバー。そして周囲に無数に積みあがった書類と、灰皿に盛られた吸殻マウンテン、床に氾濫するコンビニ弁当やマ○ドナルドの袋だ。なんというか、かぐわしい香りを周囲に漂わせている(笑)。 理流:にぎゃああああ!典型的な男所帯〜〜〜!! 乾史:…おれ、空腹なんだけど、腐敗臭を吸い込んでむせかえってる(笑)。 東野:(平然と)室内が荒された様子は? GM:乱雑だが、荒された、という様子ではないね。 十三:ふむ…。彼等が最後にここに居たのはいつか、が重要か…。 理流:ねえねえ乾史君、ゴミの腐り具合から何日くらい放置されてるかわからないかな? 乾史:うう、気が進まねえなあ…。しゃーねぇ、『超嗅覚』を発動して調べる(ころり)。ってぐはあ!?-2失敗!! GM:えー、じゃあ乾史はよくわからなかった。ついでにとっても気持ち悪くなった!(笑) 乾史:さっき腹に入れたシロップを戻しちまいそうだぜ…。 東野:というか、普通にコンビニ袋のレシートとかを見ればいいんじゃないかな。 理流&乾史:………あ(爆笑)。 乾史:だ、だめだ、俺は脳にまで栄養が不足してる(笑)。 十三:レシートを集めて、一番新しい日付を調べよう。 GM:昨日の夜、のようだね。 東野:ふーーーむ…。ネット上で情報漏洩が起こったのも昨日の夜、だよね。 十三:ここのPCからアップロードされたのかも知れませんね。 理流:電源は入っているのよね?いじれないかな。 GM:「パスワードを入力してください」と出ている。 理流:むう…。適当にパスワード解除試してみるか。でもなあ。解除失敗すると自動でデータが削除されるようなトラップがあったら私には手の出しようがないし…(ぶつぶつ)。 東野:では、私達は書類やゴミから何か情報が汲み取れないか調べてみましょうか。 十三:了解です。『探索』技能の発揮どころですね。 乾史:俺はこの部屋に出入りしてた人間の匂いの種類を数えて、覚えておくぜ。  今度は判定に成功した乾史。オフィスに出入りしていたのは丁度五人。それ以外の人間は、少なくともここ最近は出入りした形跡はないようだった。  一方、判定に成功した東野と十三は、ゴミ箱や書類の束からプリントアウトされたメールを発掘して並べることで、ここ最近のアイエスソフトの状況を推測する事が出来た。  零細企業のアイエスソフトにとって、今回の仕事は始めての大口の受注だった。しかし仕事を受けた彼等を待っていたのは、一向に先の見えないプロジェクトと、延々と続く残業の毎日だったのである。 GM:…ここ最近のメールでは、5人ともかなりストレスが溜まっていたようで、「もうやってられるか」「耐えられません」というような文書も端々に登る様になってきている。それを社長の相原氏が必死に説得している、というような状況だったみたいだね。 東野:……身につまされる話だねぇ…。 GM:『もう少しだ、ここを乗り切れば楽になる』『みんなで会社を立ち上げたときの事を思い出そう』『いつかきっと、このがらんとしたオフィスをパソコンと社員で満杯にしてやろうぜ』そんな励ましのメールもちらほらとあるようだ。 乾史:けっ。……いい話じゃねえかよ(笑)。 理流:何ていうか、実はいい人達? 十三:ストレスが限界に達しての腹いせの犯行、というのはあり得るが。 東野:是非ともパソコンを調べたいところなんだがね。 理流:うーん。でもゴメン、私では無茶なパスワード破りは難しいわね。 GM:君等が相談してると「もう私帰らなきゃいかんのだけど。そろそろいいかね?」と管理人のおばちゃんが階下から声をかけてくるよ。 十三:おっと。ではここまでか。とりあえず一旦退散しましょう。 東野:そうだ、CCCの麻生さんにTELしておきます。事情を説明して、ハッキング専門のスタッフを寄越してくれるように頼みますよ。 GM:『了解しました』と麻生さん。『明日以降になると思いますが、スタッフと連絡がとれ次第向かわせるようにします』 6.住宅  時刻は既に午後九時を回っているが、不夜城たる東京の街はむしろこれから活気づくのだ。金曜日の夜ということもあり、一同、解散するつもりもなく調査を続行する。 理流:でも考えてみると何でか私達への依頼って一日で決着とか、週末をまたいでとかが多いのよねぇ。 東野:理流君、そういうところに突っ込みを入れてはいけない。 十三:表の仕事を気兼ねすることなく調査できるように、というGMのはからいですな。 GM:(まあ、いずれ皆さんの設定が固まってきたら、昼の顔と夜の顔を使い分けながら継続するような任務とかも用意してますがね(苦笑)) 乾史:んで、結局これからどうするんだよ? 十三:被害者、加害者いずれにしても、この5人が重要参考人だろう。 東野:自宅を当たってみるべきだろうね。まずはここから一番近くて、一番の重要人物だと思われる池袋の相原社長宅。異存は無いかな? 一同:了解〜。 東野:そうと決まれば、軽く腹ごしらえをしようか(笑)。アルコールは入れるわけにはいかないから…ファミリーレストランあたりでも良いかな? 十三:異論ありませんな(笑)。ニコチンも補充したいところですし。 理流:わーい。年長組の奢り〜。 十三:はっはっは、理流君。仕事外ならいざ知らず、任務中は我々は対等の仕事仲間だ。自分の食い扶持は当然自分で持つべきものなのだぞ。なあ乾史君?(笑) 乾史:ち、ちくしょう周りくどい真似して事前に退路を塞ぎやがって!!(爆笑)ああそうだよ。てめぇらは勝手にファミレスで食ってろいっ。俺は近くのコンビニで済ませてくらぁっ!(笑) 東野&十三&理流:じゃあ、そういうことで(笑)。 GM:(うわひでぇっ!) 乾史:ち、ちくしょー。しょうがねえ、いくら貧乏でもコンビニ弁当一食くらいなら何とかなんだろー。…GM、俺、今手持ちいくらあるんだろう? GM:そーさね(黙考)。…サイコロ三個の出目を掛け合わせて、それを百倍してくだされ(…ちょっと甘いかな)。 乾史:お、それなら期待値でも三千円以上はいける(ころり…と、出た目は1,2,2)…って、ナンジャコリャー!!(爆笑) 十三:言うまでも無いことだが。1×2×2×100=…400円、だな。 乾史:弁当も食えやしねー!? 理流:お、おいしすぎるぞっ、乾史君!! 東野:(巌の如き沈黙)………というか乾史、君、一回能力を発動させるのに500円玉が必要じゃなかったか?(爆笑) 乾史:そ、そうだった。俺、今回役立たずー!? 十三:い、いや。君は確か、握るコインの額によって能力が変動するから、100円玉でもある程度は力を発揮出来るはずだ。 乾史:あっぶねぇ、セーフだぜ…って、どっちにしても俺メシ食えねえー!?(笑) GM:(……大丈夫か、この任務……)  そんなこんなで、一同は山手線で池袋にやってくる。夜なお賑やかなサンシャイン60通りを越えてしばらく進むと、一転して静かな住宅街に出る。やがてマンション街の一角にたどり着いた。 理流:えーっと。このマンションの一室に、相原社長のお宅があるのよね。 十三:出来れば終電までには片をつけたいところだな。部屋の様子を伺おう。 GM:電気はついていないようだよ。 十三:では、玄関ドアの前まで行って、電源メーターの回り具合をチェック。居留守を使おうが、人が居ると居ないとでは、回る速度が違うからな(笑)。 東野:今回は生々しい描写が多いねえ(苦笑)。 乾史:じゃあ俺がドアに近寄って聞き耳を立てるぜ。あ、あと匂いもな。 GM:(こっそり判定…乾史の聞き耳は失敗か)…うん。どうやら電気機器は動いているみたいだよ。でも、特にこれといった物音は聞き取れないね。それから、お勝手の窓から、ご飯とお味噌汁のいい匂いがするなあ。 理流:…え、それってまさか。 十三:………極めてよろしくない予想が立つな。 東野:電気は使われていても、人の気配が無い。使っていた人がいなくなった、もしくは…、使えなくなった。 乾史:…俺、一旦下に降りて、『超跳躍』でベランダに飛び上がる。100円でもそれくらいなら大丈夫だから。 十三:では、タイミングを合わせて一気に突入しよう。 乾史:外まで走って、周囲に人目が無いことを確認。えいやっ(ころり)と、ベランダまで一気にとびあがった。そのまま室外機の陰にでも身を隠すよ。 GM:ベランダに面した窓は当然閉まっていて、カーテンが下ろされているね。 乾史:ははん。俺には『暗視』があるからな。隙間から様子を伺うぜ。 GM:はあ。じゃあ、部屋の中にはベッドがあってだね。…女の子が寝ているよ。 乾史:………は?何が寝てるって? GM:いや、だから、女の子ですが(笑)。 乾史:……俺、部屋間違えたかな?もう一回位置を確認しちゃうぜ。 GM:…あってると思った。 理流:乾史君も配置に着いたところかな?よーし、突入スタンバーイ(笑)。 乾史:わー、待った待った。慌てて携帯でおっさんを呼び出す!中止、中止!!(笑) 東野:一体何が…と思いつつ、とりあえず突撃を中止しよう。 乾史:ダッシュで駆け戻ってくる。「オッサン、女だ!女だよ!」(笑) 十三:…犬神君、理流君ではあるまいし、ちゃんと人語をしゃべりたまえ(笑)。 理流:何気なくすごく失礼なことを言われてる? 乾史:そりゃこっちの台詞だ(笑)。とにかく今見たものを話すぜ。 東野:(ピンときて)GM、相原社長の履歴をもう一度確認できるかな?特に家族構成を。 GM:はいはい。何でも相原社長は小学生の娘さんと一人暮らしだそうですよー。 十三:……………………ほう。 理流:寝ていたのは娘さんか。私達、危うく押し込み強盗になるところだったわけね(汗)。 乾史:だけどよ、俺が見たのは女の子だけだったぜ。ここ、ワンルームだろ? 東野:…父親は帰ってない、と見るべきか。 理流:でも、夕食の用意はしてあったのよね? 十三:それは、娘さんが父親の分を用意していたんだ(確固たる口調で)。 乾史:じゅうぞう? 十三:ここでこれ以上騒いでも相原社長には会えないだろう。娘さんには明日ゆっくり話を聞けばいい。戻ろう。 東野:確かに鷂さんの言うとおりだね。終電のあるうちに、次に向かおう。 理流:あいあいさー。 乾史:うーん。いつものじゅうぞうなら部屋に踏み込んで娘さんに尋問とかしそうなのになー(笑)。 7.失踪 東野:さて、同じく池袋在住の田村氏のお宅にやってきたわけですが。 GM:田村氏のお宅はちょっとボロっちいアパートの一階だ。やっぱり人の気配は無い。ていうか、さすがに日付も変わろうかという時刻なので、君らはちょっと不審人物っぽいよ。 理流:この田村さんには家族はいないのよね。じゃあ、手短に済ませてしまいましょう。 東野:では私が窓側に回って、鍵付近の窓ガラスに威力を抑えた『息吹・砕』を発動します。むんっ(ころり)。成功。 GM:東野さんの拳の触れた付近のガラスが音も無く崩れ去った。 東野:鍵を開けて侵入します。当然、最大限の警戒で。 GM:部屋の中は、アイエスソフト同様、コンビニの袋やら食べ散らかした後が散乱している。壁際には、これにだけは金をかけているのだろう、とわかるパソコンが一台と、ラックの上に無数に飾られたフィギュア、壁に貼られたアニメのポスターの数々。 東野:典型的なオタクの部屋というわけだ。……キャラクター的には縁が無いけどね。じゃあ、表の玄関のカギを開けて皆を迎え入れよう。 GM:ああ、玄関のカギは開いているね。 東野:…何ですと? 十三:……そう言えば、確かに玄関にカギがかかってるとは言ってなかったが…。 理流:…とにかく中に入りましょう。私はパソコンを立ち上げて調べてみる。 十三:私と東野さんは先ほど同様、部屋の調査だ。(ころり)うん、いい目だ。 乾史:俺は匂いを嗅いで調べる。特に、アイエスソフトの五人以外の匂いがないか(ころり)。おし、今度は楽勝で成功だ。 GM:ふむ、では乾史から行こうか。君は三人の匂いに気づいた。一人はアイエスソフトのものと同一。そして二つは、まったく嗅いだ事の無いものだ。そのうちひとつには、香水の匂いが混じっている。 乾史:…香水? GM:そして十三は、玄関付近に転がってるゴミ袋に、不自然に踏み潰されたものがあることに気づく。 十三:踏み潰した?ふむ…。力の係り具合とかから、どう踏まれたものかわからないか?意図的に踏み潰したとか、足が滑った拍子に踏んだ、とか。 GM:では、…そうさな、『格闘』技能-3で判定して下さい。 東野:それは私がやろう。(ころり)…おお、-4成功。 GM:(ふむ。いい目だな)…それは、『引っ張られたときに抵抗しようとして踏ん張った』時のような力の入り方だね。 理流:…………これ、拉致されたって見るべきよね。 十三:容疑者ではなく被害者の様相を呈してきたな。その原因があるとすれば…。 理流:このパソコンが怪しい、ってわけよね。さっそくログインするぞっ。 GM:パスワードの類はかかっていないね。 理流:メールソフトとブラウザを立ち上げて、メールの中身、それからお気に入りのホームページをチェックします。 GM:ホームページの方は、ゲームやアニメ関係のファンサイトが多いね。理流なら知っているかもしれない(笑)。 理流:んー、多分ジャンルが食い違ってるから微妙なところね(苦笑)。そう、それから流出事件のあった大手掲示板は? GM:ばっちりお気に入りに登録されている。というより、随分頻繁に書き込みやらスレッド立てやらしていたと思しき痕跡がある。例の事件があったページも登録されているね。 理流:そっち系の人か…。ここまで来たら今更驚かないけどね。じゃあ、どんどん調べていくぞっ。  行方の知れない田村氏の自宅で、理流の調査は続く。  一同は、この田村氏のPCから個人情報が流されたのではないかと予測していたのだが、理流が調べた限りではそのような痕跡は発見できなかった。田村氏は自宅に仕事を持ち帰るタイプだったようで、彼のパソコンの中からは、『ヤヅミクレジット』のシステム部分のコピーと思われるプログラムが発見された。そしてメールソフトを調べると…。 GM:仕事関係のメールについては、ほとんど君達がアイエスソフトで見つけたものと大差ないね。日がたつにつれ、この仕事やヤヅミに対する不満が募っていくのが刻々と記されている。そして、一番最後、最新の『送信済』のメールを君は開く。 理流:…何て書いてあるの? GM:『今日、すごいものを見つけた。これでヤヅミの奴らに一泡吹かせてやろうと思う。詳しくは会社で』 一同:……………………。 理流:………もしかして、事件の全貌が見えちゃったりした? 乾史:何だか知らねえけど、この五人がヤヅミのヤバイ情報を掴んじまって、脅迫なり悪戯なりをしようとして…。 東野:返り討ちにあった、か…?でもそれだと、ヤヅミが我々に事件の解決を依頼してくるってのも妙な話だね。ヤヅミにすれば『拉致して解決』しようとしているわけだし。 十三:いずれにしても、だ。個人情報の流出が昨日の夜。ほとんど二十四時間後に二人失踪している事を考えると、拉致の犯人は相当迅速に動いている事になるな。 東野:(時計を確認する)深夜か。仕方がない。ここは徹夜覚悟で、残る三人の安否を確認して回るべきだと思うんだが。 理流:異議なーし。 乾史:おれも、賛成、だぜ〜(笑)。 十三:私も異議なし。ていうか、まだ意地張っているのかね犬神君(笑)。 東野:では、終電で新宿のCCCに戻ります。そのままいつものバンを借り出して、秋葉原、浅草、上野の三人を一気に調べよう。 理流:うーん、やっぱり個人情報が流されたのはアイエスソフトのパソコンと考えるべきよねぇ…。  一向は当直のCCC社員を叩き起こしてバンを調達。そのまま上野方面に向かった。まずは秋葉原の佐藤氏の邸宅を訪れるが、ここも無人。そして、玄関の鍵は開けられたままだった。理流がPCを調べるも、田村氏の自宅以上の情報は発見することは出来なかった。 乾史:俺はやっぱり、匂いを嗅ぐ。 GM:では、アイエスソフトで嗅いだのが一人と、まったく新しいのが一人。 乾史:…マジか?田村って人の家で嗅いだ二人とも、さらに違う? GM:ウイ。 東野:敵は少なくとも三人、ということだね…。 十三:…とにかく、次を当たりましょう、東野さん。 8.痛撃 理流:次は上野の沢井さん。この近くのマンションらしいね。 東野:では、少し離れた角に路駐して、徒歩で向かいましょう。 GM:はあ。そーですか…(えーと、この時間帯ならかち合うな…)。では、夜でも眼のいい人。視力判定してください。 乾史&東野:はい?(ころり)そりゃ、気づくね(笑)。 理流:ハモった(笑)。 GM:では、角を曲がると、マンションに面した道路に出るのだが…25mほど先の物陰に、ひっそりと停めてあるバンがあることに、君達は気づいた。 東野:ふむ…。角からはまだ顔を出さず、みんなにさりげなく合図をしよう。 乾史:へへっ、ようやく俺の出番が回ってきたぜ。 東野:こっそり様子を伺うよ。バンに不審な点は? GM:君達の位置からだとバンの後部が見えるのだが、バックドアが開けられている。そして、今まさに、『何かを手馴れた様子で担ぎ上げた大男』が、マンションから出てきてバンに向かおうとしている。 十三:その、『何か』というのは? GM:ンンー、何やら防水シートのようなものにくるまれた、大の男が両腕で担ぎ上げる人間くらいの大きさの細長いもの、カナー?(笑) 理流:回りくどい言い方しなくていいわよっ!(笑)問題はそれが、息をしてるかしてないかって事なんだけど。 十三:十中八九、この連中が拉致の主犯。抱えられているのは、我々が訪問しようとしていた沢井さん…と考えるのが妥当でしょうね。 東野:いずれにしても、バンに乗り込まれたら終わり、か。ここは攻め所だと思うね。 乾史:おーっしゃ、じゃあ一番乗りは俺だぜ!コラァてめえら、その人離せやぁぁぁぁあっ!!100円を握って『高速走行』発動! 十三:待て、犬神君、もう少し情報を! 理流:私も銃の準備が〜。 乾史:うっ…しかし、俺、性格が『直情』なんだよ、悪いけどとめらんねぇ〜〜〜!!(←『高速走行』によるドップラー効果) 十三:ちっ、仕方ない。戦闘に突入するぞ! GM:ふむん、問答無用で襲い掛かるわけだね。それでは、ちょうど男は、沢井さんとおぼしき物体をバンの中に載せたところだね。叫び声を上げて突っ込んでくる君にも当然気づいたよ。 乾史:へん、だけど俺なら25mくらい1ターンで詰められる。体勢を立て直す前に一発入れてやるぜ!!(ころり)くらえっ、先制ストレートッ!! GM:(にやり)ふふん、では、男は乾史を認めた途端、驚くでもなく、一瞬で、ばばっ、と拳を構え…(ころり)ぴっ、と君のストレートをスウェーでかわす! 東野:………『超反射神経』所有者か…!!手強いぞ、乾史! 乾史:けっ、ジョートーだぜ! GM:じゃあ、ここからはターンごとに処理していきましょう。  暗躍する拉致犯人と思わしき敵と接触した一同。  25mの間合いを一気に詰めて戦闘に突入した乾史と男とに接近しつつ、東野は己の能力を開放。十三は『掃之符』を発動し、多少の騒ぎが起きても人目に止まらないよう結界を張る。理流は前回の教訓から、すでに組み立ててあった状態のサイレンサーつきP90(サブマシンガン)を引き抜きつつバッグを放り捨てて即座に銃を構える。  そして2ターン目。 東野:引き続き移動。次のターンには私も参戦できるよ。 乾史:見せてやるぜ、新技、『拳圧』と拳の同時攻撃ッ!!(ころころり)成功! GM:(ころり)ふむ、男は『拳圧』はかわすが、拳は食らってしまったな。 乾史:おっしゃ、食らえダメージっ…って、ああ!100円しか握ってねーからダメージがろくに出ねえ!10点!! 一同:だめじゃーん!!(笑) GM:たいした傷ではないな、じゃあ乾史を左右のパンチが同時に襲う!くらえっ、ホ○イトファングッ!! 乾史:何の!素手なら二回までブロックできる…っしゃ、弾いたぜ! GM:そうか。じゃあ、もう二発、くらえ鉄拳!! 乾史:何ィー!!全力攻撃か!?そりゃ回避(ころり)…いかん、一発もらった! GM:23点ダメージを進呈しよう。 乾史:くっ、HPの三割持ってかれたぜ…。けど全力攻撃なら、次はロクに行動出来ねえはずだぜ! GM:…誰がそんなこと言ったかなー?彼は別段体勢を崩した様子もありませんが。 乾史:なっ…。 十三:まさか…。 東野:『加速』も使うのか!!厄介極まりないな! GM:そんな君達にさらに悪い知らせだ。バンはバックドアを開けたまま、エンジンをかけて急発進しようとする。 十三:くっ!…だがしかし、私は準備していた『探之符』を発動するより無い。遅まきだが、連中がエージェントかどうか、反応を確認するぞ。 GM:あいさ。では、現に乾史と交戦している奴。運転席の奴。そして、マンションの塀の向こうにも、もう一つ反応があるね。 十三:もう一つ!そうか、犬神君が三人目の匂いがあると言っていたな。騒ぐのは本位ではないが、前線二人に警告を飛ばすぞ。 理流:このターン、タイヤに狙いをつける!逃がさないぞっ!  3ターン目。乾史の攻撃は外れ、逆に男の痛烈な一発を貰ってしまう。(乾史:くそっ…。500円さえ握ってれば避けれたのにっ…)。十三は『襲之符』を準備しつつ車へ駆け寄る。理流の銃弾がタイヤに命中し、左後輪を弾き飛ばすが、車はかまわず走り始める。 東野:私は車が走り出したのを見て、開いたバックドアから車に飛び乗ります! GM:ふむん。『軽業』で判定してね。 東野:(ころり)成功。バンの車内に飛び込みました。すまんが乾史、そいつは任せた! 乾史:ちっくしょー、やるしかねぇか(泣)。おう、てめぇ、ボクサーの動きだなっ! GM:「そういうお前の動きは、なっちゃいないな」 乾史:けっ、俺のは見よう見まねだぜ! GM:そして、ターンの最後なのだがね、がささっ、という音ともに、マンション側の塀の向こうから、何かが高々と跳躍する!! 理流:と、飛んだだとぉぅっ!?(笑) GM:そして、そやつは、どん、っと一つ音を立てて、走るバンの上に四つんばいで着地する。 乾史:くっ、こいつが三人目かよっ! 十三:確認だが。走っている車に、四つん這いで着地したんだね? GM:うむり。では次のターンいってみよー。  乾史と、ボクサーと思わしき男は次のターンも殴りあう。 一発いいのを貰ってスイッチが入った(乾史はある程度ダメージを受けると闘争本能が発揮され、攻撃速度があがる)乾史の攻撃をことごとく避けるボクサー、しかし乾史も男のコンビネーションをどうにか捌く。  一方、人質救出のためバンに乗り込んだ東野は―――。 東野:ではさっそく、人質が詰められていると思しき袋を抱え上げるよ。 GM:おおっと待った。東野さん、君が袋を抱え上げようとしたまさにその時。 東野:? GM:運転席から女性の声がする。―――『眠りなさい』。途端、君は猛烈に眠くなってきた!! 乾史:げげー!? 十三:いわゆる一つの『誘眠』攻撃という奴か!? GM:オウザッツライ!!前回はザコキャラーズが東野さんのカウンターに苦もなく倒された反省を踏まえて、精神攻撃を使える奴を混ぜてみました!ってか初回からこうかちあってくれるとウレシイぜ!-7で抵抗判定行ってみよーう! 理流:そんな反省はしなくていいのに…。 東野:く、意志の強さと能力抵抗で相殺しても…マイナスか。相当キビシイが…。(ころり)むふん!成功!! 一同:おお〜。 GM:「そんな、私の言霊が効かないなんて!?」と運転席の女性。 東野:「私は生涯妻一筋だからなッッ!!」(爆笑) 十三:家長の鑑ですなあ…。では、私も援護しましょう。射程距離に到達、『襲之符』を地面スレスレに発動。前輪、後輪をまとめて吹き飛ばす!!(ころり)18点の『切り』をどうぞ。 GM:くそー、その位置だとボードゲームなら東野さんも巻き込まれるのになあ(笑)。とにかく、それではたまらない。タイヤはずたずたに弾け飛んだよ。キキキキー、ガッシャーン、てな感じで大騒音をぶちまけて車は停まってしまう。 理流:私はこのターン、バンの天井に張り付いてる三人目に照準を合わせます。 GM:では、天井に張りついた三人目の行動。乾史に向けて、何やら口から白い糸のようなものを、ぷーーっと吐き出す。回避してねー。 乾史:なんだそりゃっ…(ころり)と、どうにか回避成功。てぇかもしかしてこいつ、スパイ○ーマンみたいな奴か。 GM:夜目が効く乾史が良く見ると、何やら全身スーツのようなものを纏っているようですよ(笑)。そうそう、深夜なんだが、周囲のマンションの部屋の明かりがぽつぽつとともっているようだ。 十三:『払之符』で結界を張っていると言っても、流石に騒ぎすぎたな。あまり時間がない。一気に落とすぞ!  だが次のターン、乾史は攻撃を当てる事が出来ず、逆にきつい一発をもらい一気にHPが半分以下に突入する。一方、東野は人質を抱えたまま、バンから飛び降りるのだが…。 GM:運転席の女性はドアを開け、降りながらまたもささやく。―――『眠りなさい』。 東野:…やはりそうくるだろうねえ。(ころり)ああ、今回は失敗、眠ってしまいました。この体勢だと、人質ごとバンから落下、かな? GM:(えっと…運転席の女性と東野さんの行動順位は同着か)そうなりますな。東野さんは眠ってしまうけど、車から落ちた衝撃ですぐに意識を取り戻す。次のターンから行動出来るよ。 十三:私はまた距離を詰めます。 理流:照準良し。スパイ○ーマンに向けてP90を発砲します。ばばばばっ!!えっと、距離と大きさの修正を加えて…。(ころころころり) 乾史:銃器の判定は面倒だよなー。 GM:…確かに。要改善だねぇ。 理流:三発命中!ああでも出目が悪い。15,9,12! GM:そりゃちこっと痛いなあ。 理流:ちこっとかい。 GM:うん。こいつ何やら全身に妙なスーツ着てるしね(笑)。ではそのスパイ○ーマンの行動だ。バンの天井から、しゅぱっ、と音も立てずに後方へ跳躍する。 乾史:げ、まさか味方を置いて逃げる気かよっ! そして次のターン。 乾史:一発ヒット。畜生、ボクサー同士の喧嘩だと全然攻撃が当たんねー! GM:ではボクサーはそんな乾史に目もくれず、ダッシュで地面に落ちた人質にかけよる。 乾史:お? GM:そして『加速』を発動させ、もう一回行動…。人質をむんずと捕まえると、いきなり全力でぶん投げる!! 乾史:な、何ー!?前方か、後方か? GM:んー、横方向(笑)。君等が追いかけっこをしている道路から一本曲がった通路に向けて人質は飛んで行く。 東野:乾史、『高速走行』で追いかけろ! 乾史:わーった!でも次のターンからだ!(笑) 東野:私は乾史の援護か。ボクサーに『サラリーマンの拳』で攻撃! GM:さすがに背を向けている状態ではかわせないな。(ころり)回避失敗。 東野:18点のダメージ。 GM:そりゃ痛いね、と。ではここで、スパイ○ーマンが本来のスピードで行動だ。高々と跳躍したまま、またも口から糸をぷーっと吹き出す。 乾史:来るなら来やがれ!! GM:おおっと、今度の狙いは君ではない。運転席を離れて逃走しようとしている女の人に、糸がぺとっとくっつく。 十三:………もしかして、川背さん?(笑) GM:いえすそのとおり。糸がぺとっとくっついたかと思うと、女の人が糸に引っ張られてぴょーーんと宙空に舞い上がる! 理流:逃がすかーー!って、この距離じゃさすがに当たらないわね。  結局次のターン、東野と十三の連携攻撃でもボクサーを仕留める事は出来なかった。未だ跳躍中のスパイ○ーマンが上空からボクサーに糸を発射し、これも宙に引っ張り上げてしまう(変形の『引き寄せ』の能力ですな)。歯噛みするPCを尻目に、スパイ○ーマンは二人をかついだまま、建物の屋根から屋根へ飛び移り夜の空に姿を消してしまった。 理流:くそー!乾史君、『超跳躍』で追うんだぞっ!! 乾史:だから俺は人質を助けるために全力ダッシュ中だっつーの!!(笑)ええい、ダイビングキャーッチ!! GM:む。んじゃあ『軽業』で判定してくれたまえ。 乾史:それならヨユー。…って、ああ。100円じゃ満足に力が出せねぇ!!(ころり)-1失敗!!(笑) 東野:何か今回はとことんダイス運がないね乾史…。 乾史:貧乏だ、みんな貧乏が悪いんだ…。てか、人質は大丈夫か!? GM:(まー-1失敗だしね)じゃあ、君は無事キャッチは出来たんだが…。その人質は予想以上に重くて、バランスを崩してしまった。ぶぎゅる!と人質に押しつぶされてください(笑)。 乾史:ぶぎゅる!…ぺらぺら〜(昔のアニメのごとく紙のように押しつぶされた)。キャッチしたぜぇ〜〜。 東野:…やれやれ。とりあえず最優先の目的は達したね。周囲の状況は? GM:周囲のマンションの窓からいくつも明かりがついている。窓を開けてこちらを伺っている人も居そうだね。そして道路には、無残に破壊されたバンが。 理流:はいはーい乾史君。急いで戻って来るんだぞ〜。………撤収撤収!!(笑) 十三:理流に同意だな。壊れたバンの始末は、あの三人組の雇い主がやるだろう。 乾史:うっしゃ、じゃあバンに駆け戻ってきて人質を放り込むぜ。 東野:では、厄介事になるまえにさっさとずらかりましょう。 9.補給  適当なところでバンを止めて袋の中から人質を解放する。中から出て来たのは一同の予想通り、訪問しようとしていた沢井氏だった。眠っていたらしい沢井氏はすぐに息を吹き返す。 GM:沢井氏はなんというか、その。ふくよかな体型、ちょっとワイルドな身だしなみと言った雰囲気の方ですな。 十三:…要するにアキバ系なんですな。 乾史:だから俺が潰されたんかい(笑)。きっと語尾は「〜ブフゥ」とか「〜デブ」とかに違いない(笑)。 東野:そういった偏見はさておいて。意識を取り戻したのならさっそく事情を伺いましょう。「いったい、何があったのですか?」 GM:「…はっ、貴方達はいったい?」 東野:「昨日から行方が知れなくなっていた貴方達、アイエスソフトの皆さんを捜索するよう依頼されている者です」 GM:「捜索…?ああ、くそ、じゃあ田村も佐藤も水元もダメだったのか…!」 十三:ダメだった、と仰られましたな。彼らが失踪することに心当たりでも? GM:「ええ…。今日の朝、出勤前に相原社長から電話があったんです。田村と水元が連絡がつかない、気をつけろ、って。昨日の夜、個人情報を会社のPCから流したことがバレたんだって」 理流:情報を流したのは、やっぱり会社のPCからだったの? GM:「ええ。で、相原社長が、お前も危ない、身を隠せ、って指示がありました。だけど私には他に行くような所がなかったから、ヤヅミにもアイエスにも行かずに自分の部屋にずっと篭ってたんです。そしたら、連絡を取り合ってた佐藤も、昼ごろから連絡が取れなくなって…」 乾史:実家なりなんなりに逃げ出しときゃ良かったのに。 東野:そうなっていたら、我々はここで彼を助ける事は出来なかったよ。遅かれ早かれ、彼もさらわれていただろう。…それで、貴方をさらおうとしたのはあの三人? GM:「ええと…。夜中にマンションのインターホンが鳴って、恐る恐るドアまで近づいたら、ドアの向こうから『眠りなさい』って声が聞こえた途端意識が無くなったんです…」 十三:ふむ…。肝心の、昨日の夜、個人情報を流した時の事を詳しく話して頂けますな?  沢井氏によれば、やはり無茶な仕事にアイエスソフトのメンバーは疲れきっていたらしい。ところが、昨日の夜、田村が『面白い物を見つけた』と言ってアイエスソフトのオフィスにやってきた。ヤヅミのシステムをコピーして自宅で解析していた田村は、ヤヅミのシステムにとんでもない欠陥がある事を発見してしまったのだという。 GM:「詳しい説明は省きますが、ある特殊な操作を行うことで、外部からも簡単にシステムにアクセス出来るようになってしまう、という、裏技のようなものです。当然、金融システムとしては致命的なバグでした」 十三:(絶句)…なんとまあ。ヤヅミのずさんな体制、ここに極まれりというところか。これは本当に合併どころではないなあ。 東野:…どうしたね、理流。 理流:………(ぶつっ)こんなカード会社、こんなカード会社ああぁぁぁぁっ!! 乾史:車ン中で暴れるなっつーの!(笑)  これを見つけた田村は、自分達がいかにずさんなシステムの尻拭いをさせられているか思い知らせてやる、と言ってシステムからデータを抜き、インターネットで公開した。実際に公開したデータは実害の殆ど無いものばかり。ヤヅミへの警告兼ストレス解消のイタズラのつもりだったのだそうだ。 東野:とは言え、貴方達にしてみればイタズラだったのかも知れないが、結局、安全対策として一部のカードは使用停止や再発行になってしまったわけだ。これは充分、実害ある営業妨害だよ。 理流:おかげで私の月末は大ピンチだぞおお!!(怒) GM:「本当に申し訳ございません。私達も今になってみれば、とんでもない事をしたと思っています。社長の相原も、私達がやっている事を見つけるなり、ものすごい剣幕で怒鳴って、私達も途端に目が覚めました。その時はもう、ヤヅミ側にデータが消された後でしたが」 十三:結局その後はどうされたんですかな? GM:「相原社長が怒って、みんなに出て行くよう命じたんです。我々もヤヅミに謝罪すべきか、しらを切りとおすか判断がつかなかったんで、それぞれの自宅に一度帰りました。でもまさか、翌朝からあんな事になるとは…」 理流:ふーん…。となると、この人達を拉致しようとしたのは、やっぱりシステムの欠陥を隠そうとしたヤヅミの人達? 十三:しかし…そうなると、やはりこちらもヤヅミが我々にわざわざ別口で依頼する必要はないはずなのだが。 東野:それに、彼等の動きが早すぎるのも気になるねえ。深夜に情報漏洩騒ぎがあって、次の朝にはすでに二人は拉致なり…始末なりしてることになる。 乾史:始末か…そこまでやる連中かなあ。 十三:今の時点では何とも言えんな…。ともあれ、残りの水元氏は既に敵の手に落ちていると見るべきだろうな。 東野:…深夜も回ったことですし、今日はここで一旦引き上げるとしましょうか。 一同:うーっす。  深夜もすっかり周った所で、一同は新宿のCCC本社へ。守衛をたたき起こしていつもの会議室に転がり込む。そのまま隣の仮眠室で沢井氏とともに、ぐっすりと朝まで眠りこけるのであった。 理流:ちゃ〜ら〜ら〜らっちゃっちゃ〜♪(某超有名RPGの宿屋の効果音) 乾史:っつっても、このルールじゃHPは快復しねえんだけどな…。 GM:ああ、CCCに戻ればちょっとした応急手当のキットがあるので、それを使って2Dだけ体力を快復させて良いよ。一任務一回だけだけどね。 乾史:そいつはありがてえ。あのボクサー野郎との戦いで半減しちまったからな。 東野:そうこう言っているうちに始業時間か。 乾史:今日は土曜日じゃなかったか? 理流:ううー…シャワーシャワー…。って、ここってシャワーとかあるの? GM:モチのロンだ。仮眠室、シャワー、下着の自販機だってあるぞう。 理流:へぇ、至れり尽くせりなんだ。 東野:ああ…理流…。設備が充実してるのはね。それだけ需要があるからだよ…(笑)。 十三:(苦笑)みんな徹夜上等なわけですね。とは言え、ある設備はきっちり使わせていただくとしましょうか。朝食も食べさせてもらえるんだろう? GM:食券を買ってくださいね。 理流&乾史&東野&十三:ちぃーーッ!!(笑) GM:(そんな親分を刺されたヤクザみたいな舌打ちせんでも…)シャワーを済ませると、君達を心配したであろう麻生さんが会社に顔を出す。 東野:休日出勤ご苦労様です。と言いつつ、事情を話すんだが…微妙なところではあるよね。 理流:と言うと? 東野:我々の受けた依頼は、『情報漏洩の犯人を突き止める事』。で、昨日の沢井氏の発言によれば、それはアイエスソフトの皆さんの仕業である事は間違いない。 十三:なるほど。犯人は突き止めたわけですから、この場で任務終了、解散!でも構わないわけですな。 GM:麻生さんも頷く。「沢井さんの身柄はこちらで預かりますので、これで任務終了とさせて頂いても問題ありませんが…」 乾史:そりゃそうだけどよぅ。 理流:なんかスッキリしないぞぅ。 十三:私としては、任務完了、おまけにこのずさんな内部状況が判明すれば、プロジェクトも失敗という事で全く問題はない所だがね。 GM:…と、そこで沢井氏が口を開く。「あの…。私がどうこう言える台詞ではないのですが…。みんなと、相原社長を、助けてあげて貰えませんでしょうか?」 東野:と、申されますと。 GM:「私達は相原社長に拾われて社員になったようなものなんです。私だけが助かって、あの人やみんながどこかにさらわれてしまうなんて、あってはならない事なんです」 十三:それは別口に正式な依頼を踏んでいただきませんとな。 GM:「うう…。そう言われてしまうと…。でも、私と、他の連中は独り身だから今さらどうなろうと自己責任ですが…相原社長は娘さんと二人暮しなんです」 東野:それはそれは…。込み入った事を伺いますが、奥様は? GM:「ええ…。なんでも、離婚されて、今は実家に戻られているとか」(爆笑) 十三:なぜ笑うーーー!?(笑) 東野:い、いや失敬。笑うところでは無かったね(笑)。 GM:「そして、実家の方から、収入の安定しないソフト会社の経営者などに娘を任せてはおけん、と親権の引渡しを迫られているんです。だから、何としてもこの仕事はモノにしなければならなかった…」(笑) 十三:ええい、だから何故笑う!(笑)…ええと、麻生さん。 GM:「はあ」 十三:やはりここは、同様の事件の再発を防止すべく、犯人とされるメンバー全員の身柄を確保するのがプロの仕事だと思いますが(爆笑)。 GM:「…了解しました。それでは私達も、引き続きバックアップに入ります」 乾史:じゅうぞう、あんたいい奴だな! 理流:きゃーきゃー、いぶし銀〜。 東野:家長の鑑ですな(笑)。 十三:うっさいよ、君達(笑)。 10.裏口 乾史:では、(急に改まって)麻生さん。 GM:「な…なんでしょう」 乾史:(凛とした表情で)3000円貸してください!(爆笑) 十三:犬神君、ついにカミングアウト(笑)。 乾史:あーうっせぇ!金がなくてあのボクサー野郎に不覚を取ったんだ。安い意地張って、そのアイハラ社長ってのを助け損なったら元も子もねーだろうが!! 理流:…あれ。乾史君がまともな事言ってる? 乾史:俺は最初からまともだー!?(笑) 東野:成長したなあ乾史。…それはそれとして。では、三回まわって吠えてみようか(爆笑)。 十三:酷いなあ東野さん。せめて土下座くらいにしてあげては(笑)。 理流:やーん乾史君、お腹すい… 乾史:誰もおめーらには頼んでねー!麻生さんに頼んでるんだってばよ! 理流:えーん、即否定されたー。 GM:えーと…「私のクツを舐めなさい」?(爆笑) 東野:うわー、ついに本音が出た! 理流:四話目にして、ついに(笑)。 GM:いやまあ冗談ですよ。彼女は3000円を「給料から天引きですよ」と言って渡してくれる。それから、これは私個人からのプレゼント、と言って、朝食バイキングの食券をくれるよ。 乾史:ありがてえ!よっしゃ、今までの分詰め込みまくってやるぜえ!!(食堂にダッシュ) 十三:ふむ…。今日は前衛の心配は無さそうだ。我々はもう少し、相原社長について伺おう。沢井さん、昨日の夜からやはり相原社長は身を隠されているのでしょうが、その場所に心当たりは? GM:「ええ…。自宅に戻ってないとしたら、あそこかも知れない…。今のオフィスに会社を立ち上げる前、みんなで相原さんのアパートに良く集まっていたんです。オフィスを手に入れて、相原さんはそこを解約して娘さんと一緒にマンションに移ったけど、なんのかんのであそこの合鍵はまだ持っていたはずだから…」 東野:なるほど。とにかく、すでに拉致された人々よりも彼の身柄の確保を優先すべきだろう。襲ってくる連中を捕らえれば、事実関係もはっきりする。 GM:「場所は渋谷、今のオフィスとそう遠くはありません」 乾史:(戻ってきた)じゃあさっそく向かおうぜ、おっさん!!何しろ…。 理流:腹いっぱい飯を食った、昨日のオラとはちーと違うぞ!(笑) 乾史:どっかの戦闘民族みたいだけど、まさにそんな感じだぜ!! 十三:では、沢井氏の保護を麻生さんに依頼して、我々は再び渋谷に向かおう。  渋谷に戻って来た一行は、住所を頼りに相原社長が昔住んでいたアパートを突き止める。それは渋谷の華やかなイメージとは正反対の、寂れた雰囲気の建物だった。 理流:渋谷にもこんなところがあるんだ。 十三:じゃあ早速犬神君、いつもの奴を頼む。 乾史:あいよ。じゃあ、『超嗅覚』『指向性聴覚』を総動員して部屋の中の様子を伺うぜ(ころりころり)…おし、どちらも成功。 東野:腹が膨れたら運も戻って来たのかな(笑)。 GM:では、アイエスソフトのオフィスのと同じ臭いが一人分。そして中からは、カタカタと何かを叩くような音がしている。 乾史:(中にいる、と無言で合図を送る) 東野:ふむ…。ここで強制突入してもかえって警戒させるか。乾史には例によって窓側に待機してもらって、正々堂々ノックしますよ。「相原さん、沢井氏の使いの者ですが」 GM:…では、長めの沈黙の後、チェーンをつけたまま、ドアを開いて、二十代後半くらいの男性が顔を出す。「…沢井の?」 東野:ええ。沢井氏は我々の手で、拉致しようとする犯人から救出しました。私達は彼にここを教えてもらい、貴方も保護しに来たのです。 GM:では、男性はじっと考え込んだ後、「入ってくれ」とチェーンを外す。 十三:招かれるとしよう。 理流:はーい。 乾史:おい、俺を置いていくな(笑)。 GM:部屋の中はいわゆる畳敷きの安アパートで、家具の類は一切無くがらんとしてる。持ち込まれたのは食料のつまったコンビニ袋と、ノートパソコンだけのようだ。 十三:貴方が、相原社長ですかな? GM:「ああ、そうだ」ちなみに割といい男っぽいですが、かなりやつれた印象だ。 東野:相原社長に、我々の素性と、事がこうなった経緯を打ち明ける。その上で、沢井氏が彼を保護してくれるように依頼した事を話すよ。 GM:「…そうか、沢井は無事だったのか。貴方達のおかげだ、感謝する」 東野:しかし、貴方達を狙っているのは一体何者なのですかな?ヤヅミの依頼を受けた我々とは別に、この件で被害を被った人がいるとは思えませんが。 GM:うん。それを聞くと、相原氏は観念したように目をつむり、告白する。「実は…彼らが狙われるのは、私のせいなんだ」 一同:おやー? GM:「貴方達も知っているとおり、一昨日の夜、田村がヤヅミのシステムのセキュリティーホールを発見してイタズラ騒ぎを起こした。その後、私は彼等を叱って、プログラムの入ったCDを没収したんだ。もっとも、田村のPCに元データが残っている以上、あまり意味は無かったのだが。その夜、私はオフィスに残って、そのプログラムの解析を始めた」 理流:やっぱり、仕事のため? GM:「ああ。単純に、見つけてしまったバグは改善しないといけないって事が一つ。それから、田村達のやったイタズラを、何とかうやむやに出来ないかってのがもう一つ。外部に他にもアクセス出来る人間がもしいたとしたら、犯人は俺達以外の可能性がある、ってことになるからな。他にも最近このシステムにアクセスした人間はいないか…。ダメ元で過去の履歴を調べてみたんだよ。〆切がいよいよ差し迫っていたんで、今だけだが、アイエスソフトのオフィスから、ヤヅミシステムのネットワークに入れるようになっているんだ。…それが、間違いの元だった」 乾史:あー?…つまり、どーいう事だ? 十三:その言い方からすると…。貴方達以外に、そのシステムに不正に侵入していた人間がいたと言うことですかな? GM:「ああ。いたなんてものじゃない。一応痕跡は消そうとしてたみたいだが、足跡を浚ってみれば一目瞭然だ。月に一度かそれ以上の割合で、不正な侵入がされていたんだ。そして…その度に、かなりの額の金が、不正にいくつかの口座に振り込まれていることがわかったんだ」 十三:それはおかしい。いくらなんでも、そんな不正な資金操作があればヤヅミシステムが気付くと思うのだが? GM:「それが巧妙な所なんだ。古いシステムで預金の利息計算をする時、わずかだけど端数が発生する。もちろんこぼれた端数は1円にも満たないが、全口座の何割か分を集計すると膨大な金額になるんだ。この帳簿に現れない利益を振り込むようになってたのさ」 理流:…そんなズサンなシステムが本当にまかり通るの? GM:「情けない話だが、まかり通っていた。古いCOBOLで組まれていたからな。利息の計算式を検算して、小数第何位までいちいち追おうとする人間は、あの会社にはいなかったんだ。そんな不正送金が、十数年も続いていたんだから、笑える話だよ」 東野:十数年…か。そうなると犯人は、行きずりのハッカーやどこかに雇われたクラッカーと言うのは考えにくい…。 GM:「ああ。十中八九、ヤヅミ銀行のお偉いさんのダミー口座だろうな」 東野:モラルもクソもあったもんじゃないねぇ(嘆息)。 十三:最低だな…。 乾史:???…どーいう事だ? 理流:えーっと…。つまり。ヤヅミのシステムには、昔っからお偉いさんに不正にお金を送る機能が組み込まれてた、ってことよね…。てーことは、私みたいなヤヅミに口座を持ってる人達の預金の利子が、ヤヅミのお偉いさん達の財布に流れ込んでるってこと!!? 乾史:そりゃ、本当に最低だな。オチもねえや。ってか、そうなると、もともとそういう裏金作れるようにシステムを組んてあったんじゃねえか? GM:「まさしくその通りだ。見つけた時に俺も本気で殺意すら覚えたよ。…で、俺はヤヅミのお偉方に匿名でメールをばら撒いたんだよ。…毎月の振込みの事をばらされたくなければ、金の一部を寄越せ、って、カマをかけてな…」 理流:えー、ピンハネしようとしちゃったの? 東野:相原社長、それでは貴方もヤヅミの重役達と同罪ですよ。 十三:となると、あの連中は、ヤヅミの重役連中が独自に雇ったエージェント? GM:「多分。…ヤヅミの連中は、そういう『厄介なトラブル』を補填する損害保険に入っているって言ってたからな。田村達を拉致したのも、その保険会社のエージェントだろう。俺達の存在ごと、トラブルを『なかった』ことにするつもりだろうな」 東野:そう言うことか…。相原社長、貴方が狙われる理由が良くわかりましたよ。しかし、なぜそんなピンハネ紛いの真似をなされたのですか? 十三:娘さんの養育費のため、か。 GM:「…魔が差した、って奴だな。会社の経営もうまく行ってなくて、カミさんの実家からは親権についてあれこれ言われていて。金があれば…って思ってしまったんだ」 十三:今でもその気持ちは変わっていない? GM:「いや。次の朝に田村と水元がさらわれたらしいとわかった時に一遍に目が覚めたよ。とんでもない事をしてしまったと思っている」 東野:相原さん、貴方を保護するのは簡単です。しかし、いつまでも我々がかくまう訳にもいかない。どうされるおつもりです? 理流:警察に行って機密情報漏洩と恐喝で捕まっても、安全ってわけでもなさそう。 乾史:それに、行方不明になっちまった三人をどうするかってのもあるよな。 GM:「…切り札ならある。そのノートパソコンの中に。…今、ヤヅミのシステムを改造して、不正な金の流れとダミー口座の所有者の記録を一気にハッキングするツールを作っているんだ。これをうちのオフィスのPCから流し込んで、不正の証拠をネット上で公開すれば…」 理流:口封じされる前に、秘密を証拠つきでバラしちゃおう、ってワケね。 十三:では、決まりだな。プログラムの完成を待って、アイエスソフトのPC経由でヤヅミソフトのデータをハックする。…オフィスに戻ったほうが作業効率が良くなるかな? GM:「オフィスのPCの方が環境が充実してるし、スペックも高いから、はかどると思う」 東野:では、彼の護衛をしつつ、アイエスソフトのオフィスに向かいましょう。 11.持久  相原社長の護衛方法をあれこれ考えたりする一幕もあったが、特にトラブルも無くアイエスソフトのオフィスに辿り着いた。オフィスのPCで猛然とハッキングツールを組み上げにかかる相原社長を警備しつつ、一同はオフィスに常駐する。 GM:…とくに何事も起こらず、またも陽が落ちて夜になってしまう。 東野:相原社長、あとどのくらいかかりそうですか? GM:「もうすぐだ、ツールさえ動けば、ハッキングとネットでの公開はそれほど時間はかからない…」ってなところで、『うっちのとうちゃんはさっらり〜ま〜ん♪』(笑) 理流:相変わらず緊張感を削ぐ着信音ね(笑)。 東野:はい、東野です。 GM:『麻生です。そちらにスタッフは到着しましたか?』 十三:スタッフ? GM:『昨日の夜、あなた方に依頼された、オフィスのPCにアクセスするためのスタッフです。夕方にようやく連絡がついたので、そちらに向かわせたのですが』 理流:…あ、そう言えばそんな事お願いしていたわね(苦笑)。 乾史:完全に忘れていたなあ。 東野:いえ…到着していませんが? GM:『そうですか…。実は、彼からの連絡が途絶えてしまったのです。もうそちらのオフィスに到着しているはずなのに。皆さん、気をつけてください』 東野:…………そうですか…。ご忠告ありがとうございます。電話を切ろう。 理流:敵さんもスタンバイOKってことみたいね。 乾史:窓から外を伺うぜ。 GM:裏通りのここは、渋谷とは思えないほど暗く、寂しい雰囲気だね。とりあえず、辺りに不審な兆候はなさそうだ。 十三:ここは雑居ビルの三階だったな。入り口は、階段から上がってきたここの玄関と? GM:外に面した壁に非常口があって、非常階段が据えつけられている。それから、道路に面した側は、一面窓ガラスになっている。 東野:これは、防備を固めたほうがよさそうだね。私と鷂さんは鍵をかけて玄関を。乾史は非常口を固めてくれ。理流は、『変質』の能力で窓を鉄板にでも変えて塞いでくれ。 理流:了解。あ、そうそう、銃器類は準備して机に置いておく。それと、配電盤の位置は確認しておくからね。ぴかぴかばちこーん!!っと。 GM:では、理流が派手な音と光を立てて窓を鉄板に変えて周った。丁度、全部の窓を塞ぎ終わった頃。「ツールが完成した!!これからシステムにアクセスする!!」と相原社長が叫ぶ。そしてその言葉とほぼ同時に…。玄関のドアがばっきゃーん!!と音を立てて吹っ飛ぶ!! 東野:おいでなすったね!  玄関をぶちやぶって突入して来たのは、先日のボクサー。そしてその後続は催眠術を使う女性エージェントだった。早速東野と十三が迎え撃つ。 GM:くらえい、ワンツーコンビネーション!!(ころりころり) 東野:一発くらいました。カウンターで10点反射して、9点貰います。『サラリーマンの拳』で反撃。 GM:(ころり)ふふん、ボクサーは突き攻撃には特に耐性がある!楽々回避だ。 十三:ボクサーに『鎮之符』。一気に無力化を狙う(ころり)。 GM:おおっとアブねえ。コイツは抵抗力も結構なもんなんだ。抵抗成功。こちらの反撃、『眠りなさい』。目標はまたも東野さんだ。 東野:(ころり)危ない、抵抗成功だ。 理流:私はP90を構えて、相原社長の護衛に入る。 乾史:『拳圧』をチャージした状態で非常ドアを半開きにして警戒してる。 GM:おや。それではドアの隙間を潜ってぴゅーっと糸が上から飛んでくる。抵抗に失敗すると粘性の糸で絡めとられるんでよろしく。 乾史:うお!?(ころり)ああ、抵抗失敗した!上からってどこだ!? GM:君の真上。ビルの外壁に四つん這いに張りついたエージェントの姿が。 乾史:くそ、本当にスパイ○ーマンかよ!! GM:第一ラウンドははこんなところかな。では、今回のラストバトルと参りましょう!  今回は、お互いある程度手のうちが知れている。『カウンター』の使える東野が、手数の多いボクサーと接近戦、十三と女性エージェントがそれを援護する形式となる。  一方乾史は、絡めとられた糸を即座に『拳圧』で切り裂いて脱出。そのまま部屋に飛び込む。 乾史:飛び込み様にドアを閉めてやるぜ。あ、それから鍵もかけるからな。 GM:では、君が扉を閉めると同時に、べちゃっという音が扉に響く。 乾史:間一髪だったぜ。 理流:くそー、東野さん達を援護したいんだけど、こう乱戦じゃ撃てないぞっ! 十三:かまわない、そのまま相原社長のガードを続けてくれ! 理流:社長さん、ハッキングの状況は? GM:「もう少し…あと十秒もかからないはずだ」  戦闘能力で勝るボクサーが確実にヒットを重ねて行くが、その分東野が『カウンター』を発動させ、どちらもほぼ同程度のダメージを受ける。先の戦闘で負傷している分、ボクサーが不利かと思われたのだが―― 十三:『鎮之符』、これでどうだ。 GM:(ころり)おお、今回はこっちにツキがあるな、抵抗成功!!こちらも負けず、『眠りなさい』! 東野:(ころり)うう!こちらはツキがない!落ちました。 乾史:おっさん! 理流:東野さん〜!! 乾史:非常口から離れて、シャチョーさんのガードに入るぜ。 GM:ではそんな君達に吉報だ。ばぁん、と音がして、非常口のドアが引っぺがされた!!スチールの扉が冗談のように上に吹っ飛び…入れ違いにスパイ○ーマンがすたっ、と非常階段に着地する! 乾史:とんでもねー糸の力だなあ…。 理流:どこが吉報なのよっ!ってか、相手するの私!? 乾史:チクショウ、行動が裏目に出たかよっ!? GM:では次のターン。ボクサーは十三には目もくれず、だんっ、と一気に相原社長に向けて跳躍する。目の前に降り立った。 十三:くそっ、抜かれたか!! GM:そして女もその後を追うように移動しつつ、十三に『眠りなさい』。 十三:何の、私はこの四人の中で一番抵抗力がある…(ころり)余裕で成功。『襲之符』で女性に反撃、20点の『斬り』。 GM:そいつはかわせない。結構痛いな。 乾史:ボクサーに二回攻撃&『拳圧』。 GM:ちょこっと通った。 理流:私も迎撃を宣言してたから、近寄ってきたボクサーに発砲します。この至近距離なら全弾命中…(ころころころころ…)ああっ!5発目でジャムった!! 一同:あああ! 理流:うー、それでも4発はヒット。ダメージを貰ってください。 GM:(こいつはスパイ○ースーツ着てるわけでも無いから、かなり痛いんだよな)了解。それから、スパイ○ーマンは理流に糸をぷーっと吐き出す! 理流:何の、くらえ新技!!アクセサリを盾に変形させます。(ころり)よっし、ガード成功! GM:では、次のターンと行きましょう。 十三:いかん、ボクサーを何とかしないと。相原社長の身柄を押さえられたり、パソコンを壊されたりしたら一巻の終わりだ。 乾史:殴り合ってちゃラチがあかねぇ!タックルをしかける! GM:じゃあ乾史どうぞ。 乾史:防御をかなぐり捨てての特攻!(ころり)組みついたぜ。引き倒しにかかる!! GM:どんとこい!体力は同値だから…純粋に、ダイスの振りあいとしましょう。(ころり)8と言って抵抗! 乾史:ぐへえ、いい値出してくるなあ…。(ころり)おーっしゃあ!!6!!地面に引きずり倒したぜ!! 理流:乾史君、えらい!! GM:ふん、すぐにひっくり返してやるさ。 十三:私は女の後を追いかけつつ、もう一度『襲之符』! GM:イタイイタイ。 理流:P90を捨てて、机に置いてあったM93R(拳銃)に持ちかえて、非常口のスパイ○ーマンをロックオン。こーなったら奥の手を使うぞ! GM:そんな理流にスパイ○ーマンはまたも糸を飛ばす。 理流:ううー、回避失敗!! GM:では、吐き出された糸がぺとっとくっついた。 理流:いやあああ!!どこに?どこにくっついたの?髪とかはいやー!(笑) GM:適当にダイスでも降って決めてください。1が顔、2が胴体、3、4が腕で5、6が足とかで。 理流:(ころり)あ、1だ(爆笑)。 GM:そ、それでは君の顔面にべちょっと糸が。 理流:いやーいやーいやー!!(笑) 乾史:んな事言ってる場合じゃねえ、次のターン、あの非常ドアみたいに顔面を引っ張られたらヤベェぞ! 理流:ひいいい!顔の皮が剥がれるとか…ないよね? GM:どうだろう(笑)。 東野:これは寝惚けてる場合じゃないね。GM、使っていない経験値を消費して、このターン一気に覚醒してよいでしょうか。 十三:東野さん、いいんですか? 東野:ケチっている場合ではないみたいだしね。 GM:そういう事であれば、東野は一気に覚醒出来る。その上、ここからこのターン行動出来るよ。 東野:よし。それでは理流に駆け寄り、『サラリーマンの拳』で糸を断ち切ります。(ころり)命中して11点。 GM:それでは耐えられない、糸は切れました。 理流:ひーん。でも顔には糸がくっついたままだぞ〜(泣)。 次のターン、乾史VSボクサー。タックルした乾史を引っぺがそうとするボクサーだが、一度倒してしまえば喧嘩慣れしてる分だけ、組み技では僅かに乾史に分がある。このターンはどうにか押さえ込む事に成功。 乾史:そのままマウントパンチを見舞ってやるぜ!!8点、5点。オマケに『拳圧』もくれてやる!!12点! 十三:くう、資金不足で『襲之符』は打ち止め。女性に降伏勧告しつつ、移動攻撃!(ころり) GM:(ころり)それはかわせない。 十三:私の素手パンチではたかが知れてるけど…(ころり)、おお、5点ダメージ。 GM:ぐふう、それできっかりゼロ。女性はダウンしました。 十三:ううむ、女性を殴り倒してしまった(苦笑)。降伏勧告が無駄になったな。 東野:スパイ○ーマンに移動攻撃。(ころり)ああ、ブロックされた。 理流:M93Rで撃つ!本邦初公開『弾道創造』を使いますっ! GM:錬金術で弾道を加速してねじ曲げるんだっけ? 理流:そう。これで避けられるものなら避けてみるんだぞっ!「我は観る!故にっ! 阻むもの無しっ!」(ころころ) GM:そんだけ回避に修正が入るとさすがに(ころころ)だめだ、避けられない。 理流:よしっ!ダメージはっと(ころころ)あーん、何でこんなに低いのっ! GM:その値じゃほとんど通っていない! 東野:でもこれでそれぞれ二対一になったから、大分楽になったかな? GM:(潮時だな)相原社長が叫ぶ。「やった、システムのハッキングに成功した!!今、ネット上に洗い浚いぶちまけはじめたぞ!!」 東野:間に合いましたな。いや、微妙に間に合わなかったかな?(笑) GM:では、社長の叫びとともに、君達の間に微妙な沈黙が訪れ…そしてそれは、携帯の着信音によって破られる。 理流:誰の携帯? GM:「はい、もしもし」と取り出したのはスパイ○ーマンだ(笑)。 乾史:どっから取り出したんだー? 理流:タイツの中からかな?(笑) GM:「ええ…はい。わかりました」というようなやり取りが続いた後、彼は携帯を切る。『クライアントから、任務中止の指示があった。僕達の負けだな』 東野:降参、と解釈していいかな? GM:「ああ。だから馬乗りから解放してやってくれ。それから、あんたらの仲間は眠らせて近くの駐車場に置き去りにしているから、回収してやってくれ」 十三:あんた達がさらった他の三人はどこにいる? GM:「うちの事務所に捕らえている。本当はほとぼりが冷めた辺りで記憶をいじって解放するつもりだったんだがな。適当なところで解放することを約束する」 東野:停戦成立だね。じゃあ、乾史、その人を離してやってくれ。 乾史:へいへい。「どーだ、これが俺の実力だぜっ」 理流:500円の男(笑)。 GM:「…ちくしょう、我流にしちゃいい筋してるじゃねえか。どうだ、本気で世界をとってみねぇか?」(笑) 乾史:へん、興味ねえよ、そんなの。 東野:じゃあ、我々も撤収しようか。 十三:了解です。 理流:ふい〜。どうにか今回も生き延びることが出来たぞ〜。 12.信用  それからしばらく、世間は大騒ぎだった。  会社ぐるみの裏金作りの手段と、関与していた重役達のリストをネット上で公開されたヤヅミグループは致命的な打撃を受けた。全てを隠蔽しようとして失敗する専務、トカゲの尻尾切りを行おうとした取締役、切られる前にと一切合財をマスコミにリークする部長…。金融業者(クレジター)としてのヤヅミの信用(クレジット)は完全に失墜した。進まない合併準備に業を煮やしていたフタバ側は、計画を完全に白紙に戻す事を表明した。そんな中、ある中小企業がヤヅミシステムズの個人情報を一部漏洩したと申告したが――――ドサクサに紛れて、結局過失で片をつけられてしまった。  凋落激しいヤヅミグループの今後は定かではないが、解体されフタバに傘下として納められるのでは、との説が濃厚である…。 GM:「…というわけで、俺も晴れてこのプロジェクトから足を洗える事になったってワケだ。今度向こうの担当者の石上って奴とヤケ飲みに行くんだが…。お前にも紹介するよ」と、加藤君。 十三:いやあ、仕事は無事終了、上司の留任も決まって、誠に結構なことだ(笑)。ちなみにその飲み会のお誘いは丁重に辞退しておこう。 乾史:じゅうぞう、なんか凄く晴れやかな表情をしてるな。 東野:スタッ○サービスに電話しなくて済むというのは、本当に素晴らしいことなんだよ、乾史(笑)。 理流:私もカードを変更したし、これで安心だぞ〜。 東野:それにしても、アイエスソフトの皆さんも無事に再会出来たとはいえ、これからが大変だよね。 十三:一番の大口顧客の信用に泥を塗った挙句、その顧客がつぶれたようなものですからね。ドサクサに紛れて警察沙汰にはならなかったようですが、次の仕事が周ってくるのかどうか…。 GM:では、そんな君達に、麻生さんが声をかけるね。「皆さん、この間はお疲れ様でした」 東野:そう言えば、我々の巻き添えを食って拉致されかかったスタッフの人がいたよね。彼は大丈夫ですか? GM:「ええ、最近は新しい仲間も増えて、毎日楽しくやってるみたいですよ」 乾史:新しいスタッフ、一体誰だー?(笑) 理流:ええっ、そんな人、いたかなー?(笑) 十三:オチがすでに読めたような気もするが。その新しい仲間と言うのは? GM:「その節はお世話になりました」と声をかけてきたのは沢井さんだね。「ここのシステム構築の仕事を任せてもらう事になったんだ。本当に感謝する」とは、相原社長のコメントですな。 理流:CCCで雇う事になったんだ。 GM:「彼等の腕が確かなのは間違いありませんからね」 乾史:ヤヅミよりはまともな仕事なのか? GM:「ああ…。おかげで、娘と会う時間も前より増えたよ。ありがとう」 東野:またまた麻生さんにしてやられたというところかな。 十三:いやはや、誠に結構なことだ(笑)。  こうして、はからずも社会の巨悪を叩き潰した一同。現代社会における複雑な状況や様々な思惑が作り出す困難な事件、事故。これらに投入される『派遣社員』達の活躍の場所は、減るどころかこれから増える一方だろう。果たして、彼等を待ちうける次なる事件はいかなるものか。…それはまた、次の機会に。 理流:ところでさ。 乾史:あん? 理流:このシリーズって、やたらと小さい女の子やら男の子が出てこない? 十三:GMの趣味だろう(笑)。 GM:違えーっ!?妻子持ちと未成年に共通して守ってもらえるNPCだと、必然的に子供になるんだよっ! 東野:そうだよ。そう言う事にしておかなくてはね(笑)。 GM:くそっ、今度は不倫シナリオでも作ってやろうか(笑)。 了 ……データ・セクション…… ●『ウルリッヒ保険』人事ファイル ウルリッヒ保険(ウルリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ・グループ)は、近頃急速にシェアを伸ばしている外資系資本の損害保険会社である。大資本の保険会社が勢力を持っている海上、火災、自動車等の保険には重きを置かず、ユニークな対象(例えば、サッカー選手の足、愛犬、女優の髪、企業の秘密など)に対する保険を中心として扱う。犯罪行為の隠蔽等も『保険料次第』。  保険料を払っている限り『何かあった時』は万全の保証を受けられるだろう。また、示談などで問題が発生した場合に備え、特殊な能力に秀でたスタッフを実行部隊として確保している。 1.『糸紡ぎ』神田 太市(『スピナー』かんだ たいち)  ウルリッヒ保険実行部隊隊長。今回登場した三人のリーダー格。正業はウルリッヒ保険の営業マンで、今ひとつ要領が悪いため貧乏くじを引きやすく、大量な業務に追われる毎日。しかし一度変事が発生すれば、特殊なスーツを身に纏い、蜘蛛の如く糸を操るヒーローへと変身するのだ。窓際社員である彼と、トップクラスエージェントとして社の成績に貢献するである彼とが、同一人物であると知るものはいない。 スキル: 『籠絡糸』:粘性の高い糸を射出し、敵を絡め取る。 『弾性糸』:弾性の高い糸を対象に張りつけ、引き寄せたり、振り回したりする。 『超跳躍』:乾史の能力と同等のもの。蜘蛛さながらの脚力で常人の数十倍の高さ、距離を跳躍する。 2.『茨淑女』生駒 結花(『ソーニィレディ』いこま ゆか)  ごく普通に義務教育を送り、高校、短大と卒業し、現在は実家近くの保育園で働きつつ、漠然と結婚を考える二十三歳。  彼女が自身の特殊な能力に気づいたのは、就職後、保育園で寝つけない子供達に『眠りなさい』と声をかけた時。その能力は修行によるものではなく、生まれ持った才能。  とは言え、彼女はそれを荒事に使うつもりは全くなかった。余った時間を有効活用すべく、生命保険の勧誘の仕事と間違えて、ウルリッヒ保険にアルバイトを申し込むまでは。  現在は、日々忙しくなるウルリッヒ保険での仕事と、天職と定めた保育士の仕事と、とある園児を毎日迎えに来るシブイおじさまへの想いと、悩みのタネには事欠かない。 スキル: 『子守唄』:彼女の発する『眠りなさい』という単語を耳にした者は、猛烈な眠気に襲われて昏倒する。彼女の持つ唯一のスキルだが、エージェントの強固な意志を持ってしても、抵抗するのは難しい。一般人ではまず逆らう事は出来ないだろう。原理は不明だが、彼女の声がもつ「ゆらぎ」が、精神に作用するのではないかと考えられている。なお、相手に耳を塞ぐなどの措置を取られると、効果は格段に落ちてしまう。 3.『雀蜂』日野 拓哉(『ヴェスパ』ひの たくや)  元々は将来を嘱望されていたウェルター級のプロボクサー。不祥事(冤罪だった)によりライセンスを剥奪され、身を持ち崩していたところを奇縁によってウルリッヒ保険の営業部長に拾われ、現在に至る。  もともと喧嘩自慢だったが、この業界では素人の喧嘩など相手にもされない事を痛感し、社内のエージェント達に稽古をつけて貰うことに。やがて頭角を表し、現在では部隊の前衛を務めるまでになった。  対異能力者相手に鍛えた末に、表の世界で使えるものではなくなってしまった拳に、一抹の寂しさを抱く二十五歳。 スキル: 『タクティカルコンビネーション』:彼自身の戦闘スタイルはあくまでボクシングである。軽快なフットワークからの的確な鋭い連打は、下手な異能力より確実に敵をKOする。 『リミッターカット』:対エージェントの為に彼が身につけた異能力。究極まで集中力を高め、ほんの一瞬、時間の流れを無視したかのごとく超加速状態で動くことが出来る。 [第5話へ続く] ID:SFR0004v100