TRPGリプレイ 『人材派遣のCCC』 
第3話
ヘルサマー・キャンペーン


 

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1.猛暑

GM:はーい、それじゃ第三話はじめます〜。前回からの成長も申告してね。
東野:高めの能力を手に入れるために今回は見送りです。
乾史:嗅覚をより強力にしたぜ。これで本当に犬並。探知系は任せてくれ。
理流:『弾道創造』の射程を延ばしました。これで名実共にガンナー〜。
東野:…そろそろ『贋作師』から『とりがーはっぴー』に二つ名を変えたほうが良いかもだ。
理流:ひ、ひどい〜。今回はちゃんとチームの事を考えての成長なんだぞっ。
GM:(ますます戦闘に特化されていくような気もするなあ)
十三:私も成長は見送りだな。

 

GM:さて、君達は七月の夜に千葉の山奥で派手なドンパチを行った後、一月ばかりは平穏な日常を過ごしておりました。季節は移り変わり、只今は蝉の声も暑苦しい八月です。どうやら今年は異常気象とのことで、例年にない暑さだそうです。
十三:毎年そんな事を言っているな(笑)。
GM:今年の風邪はたちが悪い、と同じようにね。…というわけで、現在の状態を財産判定どうぞ。
十三:(ころり)おう、ぴったり成功だ。今月は家計簿通り使い切ったな(笑)。
乾史:(ころり)ちっ、-2失敗。こう暑いと用心棒の仕事もこねぇな。
東野:(ころり)おおおぉぉっ、+3成功!!今月は財布に余裕がありまする。
十三:何があったんだ東野さんに!?(笑)。
乾史:馬券当てたとか?
東野:…………夏休みに向けて家族サービスをしようとこつこつ有給と資金を貯めてたんだけどね。妻も子供達もとっくに休みは予定が入っていてね…(爆笑)。
乾史:せつねー…。
理流:わたしは(ころり)うーん、-2失敗。九月にみーくんと海外旅行に行こうと思ってたから今月はやりくり苦しいのよねえ。ヨーロッパをぐるっと周るんだぞ〜。
東野&十三:勉 強 し な さ い 大 学 生。
理流:好き勝手に海外行けるのなんて学生と無職だけだぞ〜…って言ってて悲しくなってきた(汗)。
乾史:金払ってまで海の外に行きたがる奴の気が知れねぇな。
十三:自分から世界を狭めることはないぞ、犬神君。
乾史:俺はこの街が気に入ってるんだよ。
理流:とにかく、学校も無いし、ちゃっちゃとお金を稼ぎたいのよね。
乾史:外に居るだけでもクソ暑いしな。
GM:そうそう。夏休みということもあるし、君らはヒマならCCC本社のロビーにでもたむろっててもいいよ。高層ビルなんで眺めもいいし、お茶も飲み放題だ。
乾史:エアコンが効いてるぜ〜。ごろごろ。
理流:紅茶とか珈琲は?
GM:有料です(笑)。
十三:さすがCCC。私も定時後には顔を出していることにしよう。東野さんは?
東野:彼らが駄弁っている横で、淡々と残業をこなしつつ、現在の己の有様に湧き上がる疑問を必死に打ち消しています(笑)。
十三:ふむ…。ここには我々以外のエージェント達もいるわけだね。おう、彼女が噂の『阻む壁無き者』か、と感心していよう(笑)。
乾史:おれと同年代のガキに話しかけられている。演歌歌手の卵ってのも楽じゃないみたいだな(笑)。
理流:んー。みーくんも良くここにいるんだけど、今日は別件で居ないのよね。共働きは大変なのよ。
GM:みんな他のキャラの紹介どうもありがとう(笑)。彼らはそのうちNPCとか交代メンバーで出るかもなのでよろしくだ。
十三:同じように年頃のお子さんを抱えているエージェントと情報交換に勤しむ。私立小学校の評判とか、将来を見据えて中高の情報まで。
東野:お父さんネットワークですな…。うちのは二人とも公立卒なのであまり役に立てませんが。
GM:「いやあ、最近有名な進学塾がうちの街にも出来てね。ぜひ入れたいと思ってるんだけど、月謝がね〜」
十三:どのくらいですか?
GM:東野さんの月給の三倍くらいかな?(笑)
東野:ぐふぅ。
理流:3ヒガシノ(笑)。
十三:…それは、さすがに無理だな。大丈夫だ、お父さんがマンツーマンで勉強を教えてあげるともさっ。
東野:子供がそれに付き合ってくれるのは低学年までだと伝えるべきだろうかねぇ(苦笑)。
GM:みんな、CCCの社内にいるんだね。じゃあ、君らが盛り上がっていると、おなじみ営業部の麻生さんが君達の所へやって来て、「貴方達にまた任務をお願いしたいのですが」と。
理流:どうぞどうぞじゃんじゃん来て下さい。ヨーロッパが待ってますので。
十三:上海ではないのか…。
理流:上海ゆーな。
東野:ここにいる時点で全員承諾してるようなものですし。それではさっそく概要の説明をお願いいたします。

 

※任務概要参照の事

 

GM:というわけで。君らは明日の朝一番で、東京郊外某市の『0157』開店セールに立ち会ってもらいたいわけです。
十三:開店セールの警備というのはあくまでも今後の行動の目安で、我々の任務は『スーパー0157の飲み物にイタズラを働いている犯人を見つけて捕まえる』なのだよね。
GM:ウイ。仮に今この場で犯人を検挙出来るのなら、明日の新装開店なんて放っておいてもらっても構わないわけですが。
乾史:じゃあ決まりだな。こいつ(と理流を指す)。
理流:わたし!?
乾史:だってどう考えても『変質』の能力じゃん。
東野:一言デイイカラ相談シテモラエレバ。残念デス(笑)。
十三:エエ、彼女ハイツカヤルト思ッテイマシタ(笑)。
理流:そこ、ワイドショーのインタビューみたいに答えないっ!…って、そんなに希少な能力なの?『変質』って。
GM:使い手は少ないけど、決して希少というわけではない。君よりももっと強力な『変質』を操る錬金術師とか超能力者も、この業界には何人かいるよ。
理流:そうね。私の錬金術は亜流だしねー。ほら、まだ私と決まったわけじゃないぞっ!
乾史:まだ、って何だー!?(笑)
十三:さすがにこの段階で犯人を挙げるのは無理だな。
東野:では、明日は依頼どおり、新装開店の警護にあたります。
GM:了解。
理流:あ、そうだ。ノートPCを開いて、その犯行声明とやらを見てみましょう。任務概要に書いてあるURLを入力。
GM:うーん。そのスレッドの中身はもうぐちゃぐちゃですね。『犯行声明!』とか『自作自演乙』とか『神降臨!』とか、あるいは忠告とか荒らし文とかで埋め尽くされています。犯行予告とかもあるんだけど、ありすぎてどれが正しいのかはわからない。相当偽の書き込みも混じってるんだろうな、と思う。
理流:じゃあどうやって犯行声明が真実だってわかるのよ?
十三:事件が起こってみて、ここを読み返してみると当たっていたものがあった、という事だろうな。
理流:じゃあ、予告があっても事件が起きるまでどれが本当か判らないって事じゃない!
東野:困ったね。とりあえず、現場入りする前に集められる情報は集めてしまおう。
乾史:麻生サン、今までの事件でヘンなモノが入れられていた缶を貸してくんね?
GM:では、と証拠物件が取り出されます。
乾史:パワーアップした『超嗅覚』で、この四つの缶に共通する『匂い』が無いかチェック。
十三:おお、犬神君の新スキル。
乾史:犯人が一緒なら、同じ人間の匂いがついているはずだしな。(ころり)ム。パワーアップの成果。余裕で成功!
GM:カレー、ワサビ、辛子、醤油の刺激臭を存分に味わってください。
乾史:オウ!超嗅覚が裏目にっ!!(笑)ってんなのは覚悟しとるわい。
GM:では…。起きた事件から順番に。1、2、3、4とさせてもらいますが。1、2、4には、共通する人間の匂いがあった。
乾史:おお?3にはないの?
GM:ないと思った。
理流:…複数犯?

 PCたちは缶についても念入りに調査をするが、穴を開けたり等の細工をした痕跡は見られなかった。また、被害にあった客のデータも追跡を試みるが、特に関連性は見出せない。

理流:やっぱり能力者の仕業かなあ。にしては愉快犯っぽいのが気になるけど。
東野:悩んでいてもしょうがない。確実に現行犯逮捕を狙うとしましょう。
十三:了解ですよ。

 

2.特売

 明けて翌朝。PC達はバンに乗って東京郊外某市にやってきた。

東野:むう。ここ(某市)って私の家の近くだな。
理流:近所の人と出くわしたりして(笑)。
GM:さて、店は開店準備真っ最中というところだね。君らが従業員用の入り口までやってくると、フロアマネージャーと思しき方がやってくる。「CCCの方ですね、お待ちしておりました」と。
東野:CCCの東野です。本日はよろしくお願いします、と型どおりの挨拶から入りつつ、一連の事件についてどのくらい知っているか、また今日の開店セールまで特に変わったことがなかったか、という事を確認します。
十三:複数店で起きている以上内部犯の可能性は低いだろうが、一応社員証はチェック。それから今ここで働いている人間の名前と住所のリストが欲しい。
GM:では順番に。一連の事件については、このフロアマネージャーさんはだいたいの経緯を知っています。ただし、若い社員さんやパートさんには、『ヘンなイタズラがあった』程度しか情報が流れていないそうです。なお、開店までに特に変わったことはない、と思います。リストは閲覧できますので、必要なら言ってください。
理流:ネット上では大騒ぎなのにねぇ。
東野:事件そのものが真実だと知っている人間は少ないだろうしね。大半が便乗して書き込んでいる連中だと思うよ。
理流:ライバル店とかはないの?
GM:当然あります。が、ここまで汚い手を使われるほどに恨まれてる記憶はないそうです。
十三:それは主観の問題だな。
乾史:おれ、開店前に店中の缶飲料の匂いをチェックしてぇな。
GM:その時間はあったとしましょう。辛子だのワサビだのの匂いや、前回の四つの缶と共通する匂いはありませんでした。
乾史:むう、あっさり結果が出てしまったな(笑)。
東野:事前に悪戯はされてない、と踏むべきだろうね(笑)。
十三:では早速店内の警備の配置決めでも行おうか。
理流:あ、GM、事前に申請しておきますね。今日の装備は、ベレッタM93Rとベレッタ
M950で。M93Rはバックに入れておくけど、M950は服の中に隠しておきます。
東野&十三&乾史&GM:お 前 は ス ー パ ー で 何 を す る つ も り だ ! !
理流:え〜。
東野:え〜、じゃない!
理流:や〜ん。
十三:や〜ん、でもない!!
乾史:おれ、中退で学歴コンプレックスがあるんだけど。理流を見ていたら気にしているだけ馬鹿らしくなってきた(笑)。
十三:だいたい君、そんな奇天烈な服ではお客の振りだって無理だ。
理流:奇天烈ゆーな!
東野:メイド服では何を言っても無駄だと思うがね…。
GM:盛り上がってるところに、えー、と遠慮がちに割り込んでくるフロアマネージャーさん。「服の方はこちらでご用意させて頂いているのですが…」
東野:それもそうですな(笑)。店員の制服をお願いします。
GM:えーそれでは、と取り出したるは男性店員の服装が一着。
十三:一着?
GM:次に、と取り出したのは、「我がスーパー0157のマスコット・キャラクター、『ドギーくん』の着ぐるみです」
乾史:おい!?
GM:んで、もう一着。「こちらは、今日プレゼントするビール、『クランビール』社のマスコット・キャラクター、『タイガーくん』の着ぐるみですね」
東野:あのー?
GM:で、最後に。「こちらが、今回のキャンペーンガール『クランガール』の衣装です。それでは皆さん、販促キャンペーンの売り子をよろしくお願いします」
一同:聞 い て な い ぞ そ ん な こ と ! ?

十三:本当に聞いていないのだが。…聞いてないよね?(笑)
理流:知らない知らない。大体何なのよ!?この面積の少ない衣装は!?
東野:そっちは別に構わないけど、この着ぐるみはねぇ。
理流:構えーっ!だいたいノースリーブで太もも丸出しじゃあ銃器も隠せないじゃない!
GM:(微妙に気にするところがズレてる気もする)
十三:キャラクター的には何の興味も無いが、絵的には必要な処置だからな(笑)。
乾史:すげぇひでぇこと言ってる(笑)。
GM:店側のほうもやられっぱなしという訳ではなかったのですよ。店頭に会場を特設して開店キャンペーン、三千円以上お買い上げのお客様のうち、先着○○名にはビール一缶を無料プレゼント。これなら犯人を大分特定できるのではないかな、とね。
十三:いや待て、こういうのはCCCを通すべき話ではないか?
GM:「CCCとは既に話がついているはずですが?」(笑)
乾史:賭けてもいいぜ、絶対面白がって言わなかったんだ(笑)。
東野:…また麻生さんにしてやられたのか…。
GM:ちなみに店内の方は監視カメラと警備員さんがガードします。ま、店内を優先して警備したいというならそれはそれでOKですけど。
東野:むう。

 考え込む一同。しばしの間作戦会議。こういう時、GMはヒマである。

東野:結局、四人で店頭の配布キャンペーンに参加することにしました。もし店内の飲料の方に不審があった場合は、防犯カメラの映像と乾史の鼻で後から追跡します。
GM:キャンペーンで現行犯逮捕にかけるわけだね。了解。
十三:あと、売り子としての労働報酬はまた別途頂けるのでしょうな?
GM:売り物の現物支給でよろしければ。
東野&乾史:乗った(即答)。
GM:(苦笑)じゃあ、誰がどの制服を着るか決めてください。
理流:私はしぶしぶクランガールの制服(泣)。銃は泣く泣く手放します。
乾史:胸の谷間に隠すとか。
十三:犬神君、明らかに出来ないことを論じるのは時間の無駄だよ。
理流:黙れーっ!むー、何でわたしがこんなの着るのよ。ぶつぶつぶつ…。
乾史:つか、あんたが着ないで他に誰が着るんだよ。おれは『ドギー君』で。未成年が店員の格好してるのもヘンだしな。
十三:『タイガーくん』はどちらが着るか。
理流:店員の格好が似合いそうなのは東野さんだと思う(笑)。
東野:(沈痛な表情で)えー……。ここは、私の家の近くでして…。結果、近所の奥様方と顔を合わせる事態が想定されます…。
十三:(ひそひそ)まあ、東野さんの旦那さん、会社勤めと伺ってましたのに…。
理流:(ひそひそ)こんな所で働いていらっしゃるなんて…。
乾史:(ひそひそ)ま、奥様。東野さんのご家庭にはご家庭の事情があるのですわ。
東野:以上の理由によりぜひ『タイガーくん』に入らせて頂きとうございますッ!(爆笑)
乾史:せつねー…。
十三:私も正業の関係者に会う可能性も無きにしもあらずだが…。まずないと踏んで、店員の格好をしよう。何、万一顔を見られても後で何とでもする。
理流:怖ッ…。

 そんなこんなで、
   理流:クランガール
   乾史:ドギーくん
   東野:タイガーくん
   十三:店員の格好で風船配り
  という配置に別れた。不安をよそに特にこれと言った事件は無く、つつがなく開店となる。

理流:いらっしゃいませ〜!!本日お一人様一本、クランビールを無料プレゼントとなっております〜!!数に限りがありますので、皆様どうぞお早めにお出でください〜。暑い日には冷えたビール、ビール!!喉越し爽やかクランビールはいかがですか〜?
乾史:めっちゃノッてるじゃん…。ええい、こうなればおれもやっちゃる。コインを握ってジャ○ット君も真っ青のアクロバットショーでい!!とうっ、ドギーくん必殺!!バク宙二回転!!
GM:「わぁードギーくんすごーい!!」
乾史:はっはっは、まだまだこんなものじゃないぞー、って前もこんな事やった気がするな(笑)。
十三:それは既視感という奴だ(笑)。風船を膨らませつつ、周囲には怪しい兆候が無いか警戒しておく。私が一番行動の自由度が高そうだ。
乾史:…ああっ、おれ着ぐるみ着てると鼻が使えねえ!?(爆)
理流:……あ。
東野:私は黙々とビール缶を手渡しておりますよ。えぇ黙々と。
乾史:しゃべったらダメだろこういうの。
東野:ビール缶に近づく人は誰か居ないかな?
GM:それでは幼稚園児〜小学生と思しき子供達が七、八人程ててててっと駆け寄ってきて、ビール缶を取り上げて「タイガーくん、これ飲んで〜」と声をかけてくる(笑)。
乾史:くっ、と缶を掴んで一息でごきゅっと。
東野:しませんって(笑)。首をかしげて手で拒絶の意を示そう(笑)。
GM:「えー、飲めないの〜」「ばか、こういうの中に人が入ってるんだよ」「そうなの?」「人が入ってるんだろ〜」けりっ、けりっ。
十三:にこやかな表情のタイガー君は子供の肩をがっしとつかむと店の裏に引きずって…。
東野:しませんって(苦笑)。ジェスチャーで『ダメだよー』と伝えつつ、子供をビールの缶から引き離します。
GM:「ちぇー」「つまんなーい」。
理流:そういえば東野さん、『背広を着てないと能力が使えない』って制限無かったっけ?
東野:当然、背広の上から着ぐるみを着込んでいるけど?
理流:あ…いえ。失礼しました。
乾史:おれの方ですら暑さで眩暈がしそうなのに…。
十三:潜在能力を引き出す鉄の精神の一端を垣間見た…。

 特に事件らしい事件も起きぬまま、昼に差し掛かる。

乾史:脱水症状で死にそうだぜ。
理流:日焼け止め塗っておいて良かったけど…髪が痛むなあ。
十三:もうすぐ昼休みだから頑張れ。
GM:そんな中、「一本もらえますかね?」と一人の中年のおじさんが。
理流:あ、はいどうぞー。
GM:「ここで飲んでもいいの?」
理流:ええ大丈夫ですよー。と、缶を開けて紙コップに注いで渡します。
東野&十三:昼からビールか。いいご身分だな(ボソリ)。
理流:そういうこと言わない(笑)。うらやましいけど。
GM:「ごきゅっごきゅっぷはー」と満足げなおじさん。だけど、ちょっとヘンな表情をしているね。
理流:あれ?ヘンっていうと、具体的には?
GM:そうねぇ(にやり)。何か味が違うなという表情のようだねえ。と、唐突に「ぐ、ぐぐぅぅぅ」と苦しげな呻き声を上げておじさんは崩れ落ちるぞ!
一同:な、なんですとー!?

 

3.疑惑

理流:ええっと、確認。そのおじさんは私が渡したコップで、私が注いだビールを間違いなく飲んだのよね?
GM:それは間違いないと断言してあげよう。
東野:カラシやワサビでむせた、という雰囲気ですか?
GM:(ふふーん)崩れ落ちた、と言ったつもりだがね。ちなみに良く見ると、口元からぶくぶくとヤバげに泡を吹いているようだけど?
東野:…すぐさま店の裏、事務所エリアに運び込んで介抱します。
理流:「大丈夫ですか!?日射病ですか!?」「まあ大変介抱しないと!!」と叫びつつ、わたしも店の裏に向います。ビール缶と、おじさんがもっていたコップも回収して。
十三:周囲を確認。不審な人物、例えば慌てて逃げ出すとか、こちらを物陰から見つめているとか…そういう奴はいないかチェック(ころり)。成功。
GM:特に不審な人物はいないと思った。
十三:では仕方がない。フロアマネージャーを見つけて迅速に事態を説明。このキャンペーンを上手く中止して収集してくれるよう依頼し、私も店舗裏に向う。
GM:事態を聞いたフロアマネージャーさんは驚きを隠せないものの、収集は請け負ってくれる。
乾史:あ…おい。みんな行っちまった…。どうすんだよここにいるお客さん。
十三:頼んだ、犬神君(笑)。
乾史:何だよその鉄○28号並に丸投げな命令は(笑)!くそう、みんな見ろっ!!ドギーくん奥義!トリプルアクセル三段蹴り!!
GM:「すごーい!」「ワイヤーで吊ってるのか、あれ…」老若男女の視線を独り占めだ。
乾史:こ、これで昼休みまで粘れってのか。コイン代は後でおっさんとじゅうぞうに請求してやる…(笑)。

 理流、東野はおじさんを事務所の中に運び込んで介抱する。

東野:『応急処置』で胃の中のものを吐かせます。(ころり)成功。水を飲ませて吐かせてを繰り返して胃を洗います。
GM:では、介抱の甲斐もありましておじさんは「うう…気持ち悪い…」と意識を取り戻す。
理流:ほっ…。事情はどこまで話したものかな?
東野:この手のトラブルの対応は、第一に誠心誠意謝る事だ。ビールに品質の悪いものが混じっていたらしいと説明し、「この度は誠に申し訳ございませんでした」と平身低頭。
理流:キャンペーンガールは店の人間じゃないと思うけど、わたしも謝る。
十三:この男が実は犯人で、スーパーの評判を落とすための自作自演という可能性は?
東野:それならなおさら、下手に弁解するのは相手の思うツボだよ。
十三:なるほど…。
GM:(むう、怒らせてミスリードしたかったんだが、これではやりにくいな)「うう、酷い目にあった。せっかく家族サービスに来たというのに、とんだ休日になってしまったよ」人のよさそうなおじさんです。
東野:お詫びに店の販促用の品物を添えて渡そう。これくらいは事後承諾で通るよね?
十三:この人の身分を確認したいところですね。
東野:「万一後日に何かありました際にはこちらから連絡をさせて頂きます。宜しければ免許証など見せていただけませんか?」
GM:(うまいなあ)じゃあ、免許証を取り出すよ。
東野:コピーさせて頂きます。
十三:あっさり応じるという所は、やはりシロか…。

 ぶつぶつ文句を言いながらも、おじさんは自分の足で帰ってゆく。十三が入れ違いに部屋に入って来た。

十三:しまった、全部終わった後か(苦笑)。
理流:ふぅ焦ったぁ…。しっかし頭くるわね。わたしの目をすり抜けて毒なんか入れてくれるとは。さっそく、ビール缶の中身と紙コップの中身を『分析』するぞっ。缶とかコップに毒が塗られてたりする可能性も考慮するからね。ぴかぴかばちこーん!(ころり)よし、いい目。
乾史:おおい、おれもそろそろそっちに行っていいかー?
十三:もうすぐ昼休みだ、頑張れ(笑)。
GM:では、『分析』の結果。コップとビール缶にはこれといって異常は認められませんでした。
理流:飲み物のほうは?
GM:ビールそのものに変わりはないのですが…薄めた農薬が少量混ぜられておりますね。
理流:農薬ぅ!?カラシとかワサビに比べると随分笑えないわね。
十三:愉快犯にしては度が過ぎるな。
東野:農薬が混ざっていたのは、缶、コップどちら?
GM:両方です。
東野:…となると、あそこにあった缶のうち、いくつかの中身がいつの間にかすり返られていて、さっきのお客さんはたまたま貧乏くじを引いてしまった、ということかな。
GM:そんなこんなのうちに昼休みになって乾史君とフロアマネージャーも戻ってきます。
乾史:ああー疲れた(笑)。喉渇いたし腹も減った。
理流:お疲れ〜。はい、お茶とおねーちゃん特性お弁当だぞっ。
乾史:いらん(きっぱり)。
十三:フロアマネージャーさんに事情を説明して、安全が確認出来るまで配布キャンペーンは停止してもらう。
GM:了解ですよ。
東野:しかし、缶のすり替えがあったとしても…GM、再確認だけど、缶に近づいた人間はいなかったんだよね?
GM:タイガーくんに絡んできた子供達だけですね。
理流:考えたくないけど…子供が犯人?

 昼休みも終わって、午後になる。一日中売り子をする予定だったPC達は暇になってしまい、それぞれ手分けしてスーパーと周辺の調査を開始する。

乾史:まずは俺だな。着ぐるみを脱いで改めて『超嗅覚』。理流の持ってた缶と、キャンペーン会場でビール缶が積んであった辺りに知った匂いがないか、確認(ころり)。
GM:缶にも会場にも、缶1、2、4と同じと思われる匂いがビンビンするッス。
十三:これで便乗犯の線は潰れたな。
乾史:当然、追跡するよ。
GM:では…、そうさね、その匂いの主がすでにスーパーの外に出て行った事までは確認できる。そこから先はちょっと追跡が難しそうだ。
乾史:しょうがねえ。そこまで掴んだら皆のところに戻る。
十三:私は念のため、店内側の防犯カメラをチェック。それから対人判定の良さを武器に店員さんたちに話を聞いて周ろう。あと、不自然に席を外れた同僚がいなかったか、とか。
GM:ふむー。特に変わった情報は無い、と思う。挙動不審な店員もいないと思われます。
十三:内部犯行説も消えかかってきたかな。
理流:私と東野さんは店の周りをぐるっと確認します。
東野:あ、私は再びタイガーくんになっていますので(笑)。
GM:じゃあタイガーくん。君は店の横に併設された幼児向け遊具施設に、見知った顔を発見するよ?
理流:東野さんの子供?
東野:いやウチのは既に高校と中学だから。
乾史:隠し子?
東野:違う(怒)。もしかして、午前中の子供達?
GM:いえっさー。その人数は四人ほど。
理流:近づいて声をかけよう。「君たち、ちょっといいかな〜?」
GM:「なに〜?おばちゃん」
理流:「お ね え ち ゃ ん で し ょ っ」(ぐりぐりぐり)
東野:そんなお約束はいいから聞くこと聞いてくれとジェスチャー。
理流:「君達ってここらへんの子なの?」
GM:「うん、そうだよ〜」「みんなで今日は遊びに来たんだ〜」
理流:「同じ学校のお友達なの?」
GM:「ううん」「塾が一緒なの」「ね〜」
理流:「ふうん…何て塾?」
GM:「えーとねえ」(設定メモを確認する)(あ…いかん、考えてあったんだけどこれ版権に引っかかりそうだな(汗))どうしよう、何か適当に決めよう。
乾史:佐々木ゼミナール(笑)。
理流:吉田義塾(笑)。
十三:ツェット会(爆笑)。
東野:何故に独逸語ー!?
十三:英語読みでは芸がありませんからね(笑)。
GM:じゃ、じゃあツェット会に決定。(ってかこれの方がよほど版権ヤバそうだなぁ(汗))。

 

4.私塾

 ツェット会とは、この頃急速に実績を伸ばしてきた進学塾である。とくに幼稚園、小学生を対象とした講義に実績があり、子供を私立小学校や中学校に入学させたいと考えている親の間では特に有名だった。だが、月謝が高いことでも有名で、そうおいそれと入塾出来るものでもないらしい。

十三:ふむ。冒頭で同僚のエージェントが言っていたのはここのことか。
理流:ああ、月謝が3ヒガシノの。
東野:そういう覚え方はいかがなものかと。
乾史:俺には全く興味も関係もない世界だがなー。
理流:「ふーん。君たち頭いいんだねー。どんな勉強してるの?」
GM:「ほーていしきー」「せかいしー」「ぶつりー」(笑)
理流:やな子供達ね〜(苦笑)
乾史:やべえ、俺この子達より頭悪い!?(笑)
東野:まあともあれ、だ。確かこの子達午前中には七、八人いたはずだね。ここには四人しかいないというのも妙だ、とジェスチャー(笑)。
乾史:どんなジェスチャーだよ(苦笑)。
十三:…手話?
理流:じゃあジェスチャーを理解して(笑)「君たち、お友達は帰っちゃったの?」
GM:子供達はちょっとつまんなさそうな表情になる。「特進コースの子達は帰っちゃった。もう授業があるんだって」
理流:「ふーん。そうだ、君たち、お姉ちゃんもこんなことが出来るんだぞっ」と手持ちのトランプを取り出して『手品』を披露する(ころり)…芸術的に成功。
十三:タイガーくんも拳で床を叩き割ってアピール…。
東野:しませんって。
GM:「へーすごーい」「どうなってんのー?」
理流:「それは秘密。で、君たちにもこんな凄い事できる子いないかな?特進コースの子たちとか」
GM:「僕らはできないよー」「でも、特進の奴らならもっと勉強してるから出来るかもねー」
理流:勉強して出来るものなのかしら(苦笑)。
乾史:この子達にとって、「出来ないこと」は「勉強してないこと」なんじゃねぇの?
GM:(鋭いな)「あー、そろそろぼくたちも塾の時間だー」
理流:聞けることはこのくらいかな?じゃあ、「ありがとう。気をつけて帰るんだぞ〜」
GM:「じゃーねーおねーちゃん」子供達は去っていった。
理流:さて、どうしたものかしらね?
東野:理流…あの子達の名前とか、特進コースの子達の名前は聞いた?
理流:…あ(汗)。

 調査を終えたPC達は再集合し、手に入れた情報を交換する。現状では怪しいと思われるのは特進コースの子供達と、進学塾ツェット会である。地域の情報を調べてみると、この街の駅前に、ツェット会の塾が割と最近出来たことが判明した。

十三:やはり見学希望の親御さんの振りをして偵察に行くというのが確実な方法かと。
理流:となると、十三さんか東野さんだけど。
十三:私はプライベートとしても非常に興味があるところですが、スーパーで面が割れてしまっていますからね。子供達には気づかれたくないところですよ。
東野:となると、タイガーくんだった私が行くべきだろうね。ではさっそく、電話でアポを取ろう。ぴっぴっと。
GM:「はい。ツェット会○○市支部です」
東野:「私、西崎と申します。私どもの息子も再来年には小学校でして。やはり出来ることなら名門小学校に入学させたく。ついてはツェット会様の評判を伺いまして…」
GM:「そうですか。よろしければ見学などなさいますか?今日の六時から通常コースの授業がありますが…」
東野:「ぜひお願いします。そう、出来れば特進コースも見せて頂きたいのですが」
GM:「申し訳ございません。特進コースは生徒の集中を維持するために非公開とさせていただいております」
東野:む。「…そうですか。それでは今日の午後六時、そちらにお伺いしましょう」
理流:じゃあ、六時まで私達はやること無しかな。
GM:おっと。十三の携帯電話が鳴るよ。
十三:おや、誰だろう。「はいもしもし、鷂です」
GM:「麻生です。お仕事お疲れ様です。東野さんはそちらには?」
十三:「電話中ですね。用件でしたら承りますが」
GM:「現在の仕事の経過は如何でしょうか?」
十三:ここで変に弁明しても仕方がない。状況を率直に説明する。
GM:「やはりそうですか…。皆さん、既に例の掲示板は見られましたか?新しい書き込みが…」
理流:すぐにノートPCを立ち上げてチェックする!
GM:では、最近の書き込みに、明らかに他の書き込みとは違うものがある。『今回、我々の本気を見ていただけたと思う。今度このような事件を起こしたくなければ、指定の方法で一億円を振り込むことだ』なんて書いてありますが。
理流:一気に可愛げがなくなったわね。
GM:「同日中に、0157の取締役の手元に振り込み方法を指定したメールが送られてきています。捨てアドレスらしく、送信元の追跡は困難です」
十三:振込み先からの追跡は?
GM:「振り込み方法は、違法、合法を問わず匿名取引を保護する闇のネット金融を経由してのものです。おそらく、Web上からの追跡は不可能でしょう」
東野:そんな闇金融、一般人は知っているのですか?
GM:当然知りません。知っているとすれば後ろ暗い大企業の幹部とか、君らエージェントとか、裏世界に足を突っ込んでいる人たちだけだね。
乾史:はっ、ようやく敵エージェントが見えてきやがったな。
GM:「振り込み期限は明日早朝まで。CCCが引き受けた仕事でむざむざそんな取引を見過ごすわけには行きません。それまでに犯人の発見、排除をお願いします」
東野:了解しました。時刻も六時になることだし、まずは進学塾へ向います。
十三:我々は、特進コースの子供達の名前を割り出そう。CCCのネットワークと理流が見た顔、この街の小学生以下の子供となればそう難しくはないはずだ。

 指定の時刻になり、理流の『器物作成』の能力で作成したちょっとリッチな身なりに身を包んだ東野が、ツェット会が入っている駅前の雑居ビルに足を運ぶ。受付の女性に案内され、ビル内を案内されるが…。

GM:「…こちらが理数系コースとなっております。能力のあるお子さんには相応のカリキュラムを実施しておりまして、早い子では小学校前に二次方程式に到達される事もあるんですよ」
乾史:ニジホーテーシキってなんだ??(笑)
東野:「なるほど。いや、これはうちの子供も早いうちにこちらで学習させるべきですなぁ」
GM:「そうですね。やはりお月謝に難色を示される親御さんも多いのですけれども、我々としてもそれだけの内容であると自負しておりますので(笑)」
東野:「はっはっは、毎月3ヒガシノ程度、将来への投資と考えれば安いものですよ」(笑)
乾史:おっさん楽しそうだな(笑)。
十三:一度は言ってみたいものなのだよ。
東野:…ともあれ。なんか授業と月謝はともかく、物凄く普通の進学塾のようだね。
乾史:塾そのものは直接今回の件に関わっていない?
東野:「そうそう、特進コースはやはりこのビルで?」
GM:「いいえ、特進コースの方は、専門の講師が少人数でより集中的に授業を行いますので、こちらではなく、別教室になります」
東野:「なるほど…。通学の事もありますし、場所を教えていただけますかな?」
GM:いいですよ、と住所を教えてくれる。街中、住宅地だね。
東野:「ありがとうございます。そう、専門の講師と仰いましたが、こちらには何人ほどいらっしゃるのですか?」
GM:「一人、荒崎先生という方です。本部から派遣された、実績のある優秀な先生なんですよ?」
東野:「そうですか。それなら是非一度ご挨拶をさせて頂きたい」
GM:「申し訳ございません。本日は特進コースが夜10時までとなっており、荒崎先生はそのまま直帰する予定になっておりまして」
東野:「それは失礼いたしました。では、後日改めて伺います」

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