TRPGリプレイ 『人材派遣のCCC』 
第4話
クレジターズ・クレジット


 

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1.請求

GM:早いものでこのシリーズも第四回…。では、皆様成長申告よろしく〜。
東野:知識系の能力を全般的に引き上げました。派手さは他の人に任せて地味に強化していきます。
乾史:そんだけ戦闘力高けりゃ充分だろーが。俺はやっぱり犬っぽく『指向性聴覚』で耳を強化。それから『拳圧』を瞬間的に発動して、殴りながら撃てるようにしたぜ。
十三:私は今までの教訓を踏まえて新技『探之符』を取得した。周囲にいる能力者を発見したり、能力を見破れるようになったので、これで不意打ちやバックアタックにも対応出来るはず。
理流:同じく、ガンナーでも容赦なく狙われるという教訓を踏まえてHPを増加。それから、敵の能力攻撃に備えて防御技を覚えました。緊急時にビーズアクセサリが弾けて、一瞬で盾に変形して受け止めます。
GM:……零式鉄球?
理流:ちっがーーう!!あと、ここのところ近接戦闘がメインなのでアサルトライフルより取り回しが良いP90を「器物作成」に加えました。
十三:着々とコレクションを増やしているな。
東野:そのうち英霊化されて古今東西の銃器を集めたりしてね…。
乾史:こんなのに救われたくねぇなぁ。

 

GM:はいはい。じゃあ、前回から結構時間が過ぎて只今は9月の下旬。何はともあれ、まずは恒例の財産判定よろしく。
十三:(ころり)ふむ、普通に成功だ。善哉善哉。
東野:(ころり)おお、私も成功だ。
理流:年長組二人が成功って初めてじゃない?(ころり)ってぎゃああ!-2失敗…。おかしいなあ、ヨーロッパ旅行が予算どおり終わってればこんな事にはならなかったのに。
乾史:一体向こうで何やってきたんだよ。(ころり)ってうはぁぁぁあーーー!?-8失敗、っていうかこれファンブルじゃねえかあー!(爆笑)
東野:こ、これはもはや今日の食事にも困るという状況かな(汗)。
十三:むしろ絶食状態何日目、というところではないだろうか(苦笑)。
乾史:ち、ちくしょう収入がねぇのはつれぇぜ…。
理流:今までの仕事でお給料もらってたんじゃないの?
乾史:最近支払い方法が変わってきやがってよぅ、直接俺にじゃなくて、保護司のオッサンのところに給料が行くようになったんだよぅ。
理流:じゃあ取りに行けばいいじゃない。
乾史:それがイヤだから金に困ってんだろーがっ!!学校行けとか真面目に働けとか、色々とうっせぇんだよ、あそこの家。
GM:まぁまぁ。まだ君等はまだ互いのそんな状況を知る由もない。東京の各地でまだバラバラに過ごしているよ。
乾史:路地裏で干からびそうになっているぜ。
GM:子分達は心配そうだね。「乾史アニィっ、大丈夫っスか?」
乾史:大丈夫じゃねぇ〜。おめえら、何か食いモン調達してこい。
GM:じゃぁ「任せてください、特売だったんで買ってきました!ペ○ィグリー○ャムっす!!」(爆笑)
乾史:食えるかボケーーーッ!!(どげし)
GM:「あうぅっ、何でッスか、美味いのに!」(ちなみに本当に美味いらしい)
乾史:てめぇには人としてのプライドはないのかっ!
一同:えぇーー?
乾史:何だよお前等、その何か言いたそうな視線はっ!(笑)

GM:そんな路地裏のドタバタはさておいて。…理流。
理流:うい?
GM:君は判定の通り、結構今月の財政は厳しい。しかも今は月末だ。
理流:うぅーん、調子に乗ってヨーロッパでマフィアを壊滅させたのはいいけど、報酬が出なかったのは誤算だったわね(笑)。
GM:君が自宅のマンションに帰ってくるとだな、ポストに何やら一通の封書が放り込まれている。
理流:何だろ?開けてみよう。流石にいきなり郵便爆弾はないでしょ(笑)。
GM:どうやら、クレジットカード会社からの請求書みたいだけど。なんでも、君のカードが使用停止になっているため、とっとと今月中に現金で振り込め、ってな内容の手紙だ。ご丁寧にコンビニで使える振込用紙も入っている。
理流:はぁ!?クレジットカードが使用停止?いつのまに私、そんな事になってたの?心当たりがあっていいのかな?
GM:とりあえず、思い当たる節はないようだよ。
理流:ってか、今月ただでさえ苦しいのにそんなの払ってる余裕はないわよ!カード会社の問合せ先にTELする!断固抗議ッ。
GM:『ハイ、ヤヅミクレジットです』…ヤヅミ、ってのは君が使ってるカードの会社だね。
理流:かくかくしかじか…、と事態を説明し、いったいどうなってるのかと問いただす。
GM:『申し訳ありません、有本様のカードは、セキュリティ情報が流出した恐れがあるため急遽一時停止とさせて頂きました』
理流:………は?ちょっと待って、個人情報の流出ってどういうことよ!?

 

 クレジットカード会社の説明は以下のようなものだった。
  何でも、彼等の管理する顧客の個人情報の一部が、不正に流出した可能性があると言う。理流の情報もその一部に含まれていたらしく、セキュリティの保全のために一旦カードの機能を停止したのだが、運悪くそれが月末にかぶってしまったのだ。

 

GM:『あなたのクレジットカードが悪用されていないか、今月の履歴を述べさせていただきますのでご確認ください。プロバイダー料金。公共料金。オンライン通販ゲームは…ええと、ゲーム『弟といっしょ!』、ゲーム『義姉弟〜煩悶の果てに〜』、ゲーム『マイリトルプリンス』、ゲーム…』
理流:ちょっと待てー!そこだけ何で妙に具体的ー!?(笑)
東野:これって一種の羞恥プレイだよねえ。…というか、ダイス目が悪かったらこれ私の役割だったのかな(汗)。
理流:とにかくカードは即再発行よ!…っていうかそんな情報がだだ漏れだと、カード会社変えたほうがいいのかも…。今月分の支払いはそれからでもいいでしょ?
GM:『申し訳ありませんが、その場合は延滞により利息が発生します』
理流:そ ん な の あ り か !! …ああ、でも現実のカード会社もそんなものだという事をプレイヤーは知ってしまっている(苦笑)。利息はイヤだからちゃっちゃとコンビニで支払いを済ませてしまおう…。ひーん、これで今月は本当にすっからかんだぞっ。
GM:では、そんな失意の君に答えるかのように、携帯から『上海帰りのリル』テーマが鳴ってメールが届く。
理流:だから私の着信音はそれじゃない!(笑)メールの内容は?
GM:『有本理流様。あなたに仕事を依頼したく、CCC本社に参集願います』
十三:出来過ぎてるかなあ(笑)。
乾史:タイミング、やっぱりはかられてるよなあ?
理流:…ええーい、色々思うところはあるけど(笑)、仕方ない、CCCに向かうぞっ!

 

2.都銀

GM:さてさて、それより少し時間は遡って時刻は平日のお昼。カメラを十三さんに移してみよう。ええっと、十三さんの表の顔は銀行員なわけですが。この度ちょっとそこらへんの設定を作ってきました。
一同:ほー。
GM:十三さんの勤めている銀行は『フタバ銀行』と呼ばれる、日本人なら誰もが知っている大手都銀だ。経営も結構堅実で、バブルのダメージも最小限に済ませたようだね。
十三:良いことだ。経営者に先見の明があるということはな。
GM:では十三さん、貴方はフタバ銀行で普段どんな仕事をしておられるのかね?
十三:私?ええ、渉外を担当しておりますな。
乾史:ぴったりだ(笑)。
GM:では、昼休み開始のチャイムが鳴り響く中、一仕事終えた十三さんがオフィスに戻って来たということにしよう。昼ご飯はまだ食べてないってことで。
十三:多少のトラブルは発生したが、滞りなくスケジュール通り進行中。毎日こうだと良いのだがね。上司に軽く報告を入れて、昼食にするとしよう。………上司はどんな人?というか、有能?無能?(笑)
GM:有能な人だね。名前は三村さん。君らのグループを取りまとめている腕利きだ。付き合いも結構長いよ。「鷂君、ご苦労だった。あそこは厄介だが、君なら上手く片をつけてくれるだろう。引き続き頑張ってくれ」
十三:了解。任務継続します。
GM:三村さんはそう言うと、ちょっと態度を改める。「…ところで鷂。ちょっとマズイ報せがある」
十三:うわ、猛烈に嫌な予感(苦笑)。………なんでしょう、三村さん。
GM:「俺はな、10月付けで異動する事になった。一応役職も一つ上がる」
十三:それはまた急な話ですな。
乾史:お?でもそれって栄転って奴じゃねぇの?
東野:吉報ではあれ、凶報ではないようですが。
GM:「俺自身には、な。…問題は俺の後任が、前田の奴って事だ」(笑)
東野:生々しいなあ(笑)。
十三:ガガーーン!!ああ、プレイヤーはその前田って人は知らないが、言い回しだけでとっても悲惨な状況にあると言うことがわかってしまう!(笑)
乾史:きっと口癖は「お前やっておけ」「俺は帰るから」とかなんだぜ。
GM:ええっと、口癖は「私に任せてください」と「彼のせいです」のようだね(爆笑)。
一同:最低だ〜〜〜!
十三:め、眩暈を覚えてしまう。その…、覆る可能性は?
GM:「人事が覆る事がないなんて、こんだけ会社勤めしてれば充分解ってるだろう。お前達には済まないと思っているが。前田が今進めているプロジェクトに見合うだけの箔をつける、という意味でもやはり昇進するのはあいつだろう」
十三:プロジェクト?私はその中身を知っているのかな?
GM:当然知っている。フタバ銀行とヤヅミ銀行の合併話だ。
理流:ヤヅミ?

 ヤヅミ銀行とは、フタバ同様の大手都銀である。しかし、フタバと異なり、バブル期の無謀な投資が仇となり、深刻な財務悪化に喘いでいた。そして、続く不況についにヤヅミは決意。比較的優良であるフタバと合併をする事となったのだ。とは言え、これほど大規模な合併を一度に、というわけにはいかない。まずは手始めに、双方の子会社であるカード会社同士を合併させてみる事にしたのである。そのプロジェクトに関わっているのが、前田氏と彼の部下達だった。

GM:「お互いが所有するカード会社、『フタバクレジット』と『ヤヅミクレジット』の合併が上手く行けば、次はいよいよ本番、というわけだ」
理流:…………やっぱカード換えよう。こんな経営の危ないところの運営じゃあ。
東野:ってな情報は我々はまだ知らないわけだけどね。
十三:その、ヤヅミクレジットとの合併はきちんと進んでいるのかな?
GM:「そうそう簡単に済む話じゃないみたいだな。あとは加藤の奴にでも聞いてくれ」…えっと、加藤と言うのは君の同期で、システムエンジニアとして前田氏の下で働いている人だね。
東野:きっと時々居酒屋で管を巻いている仲なんだね(笑)。
GM:「じゃあ、俺は上司連中と昼食だ。お前も気を落とすなよ」と言い、三村さんは去ってゆく。
十三:ええ、大丈夫です…(思いっきり気落ちした声で)。外に食べに行く気も失せたな。地下の社員食堂にでも向かおう。
GM:食堂のおばちゃんは「あらあ、鷂ちゃん久しぶりね!アンタ細いんだから、ちゃんと食べなさいよ!」とどっちゃり。
十三:…かたじけない。私は味覚が鈍いとか、そんな事は口には出せないな(苦笑)。食堂を見回して、どこか開いてる席を確保する。
GM:では、君は食堂の片隅に見知った顔を見つける。先程話題に上がった加藤君だ。
十三:…………鬱会話の予感が果てしなくする(笑)が、声をかけよう。「元気か?加藤」
GM:「……………………………おお、鷂か」(笑)
理流:ゾンビ化してるわね…。
乾史:ああ、なんでかこう、プレイヤー的にはありありと情景が思い浮かぶなあ。
十三:その調子では合併の件、うまく行っていないようだな。
GM:(突如何かのスイッチが入ったかのように)「うまく?この狂ったような短納期で、ヤヅミの上層部連中はまるで宇宙人みたいに言葉が通じなくて、システムはインターフェースを引っぺがしてみれば古臭いCOBOLで動いてるなんて事実が発覚して、しかも当時のエンジニアが作ったマニュアルは大掃除の時に捨てられてもうわかる奴がいなくて、そのうえ上司が極め付きの阿呆で、それでもお前はうまく行く余地があるとでも言うのか、言うのかッ、ええぇッ!?」(爆笑)
東野:なんか凄くリアルな呪詛だなあ(苦笑)。
乾史:コボル?ファンタジーで出てくる?
理流:それはコボルド。コボルってのは君が生まれる前に使われていたプログラム用語なんだぞー。
十三:そういえばお前はプログラムの知識もあるんだったな。
GM:「お前が言うとイヤミにしか聞こえんなぁ」
十三:なにゆえ、…って、ああ、私『コンピューター』なんて技能を持ってたなあ(苦笑)。じゃあ、昼食を採りながら互いの愚痴について語り合いましょう。
GM:うい。それでは、程ほどに気が滅入る鬱会話の後、昼食が終わる。「鷂、お前んとこの娘さん、もう小学校だっけか?」
十三:何を言っている、数年前の話だ。
GM:「そうか…。ウチのも今度入学式でな。なんか時間が立つのはあっと言う間だなあ」
十三:「そうだ、あっと言う間だ。お前もきちんと家に帰ってやれ」と言いつつ…清水の舞台から飛び降りるつもりでコーヒーとタバコを奢ってやろう(笑)。
GM:「ありがとな。この件が片付いたらどこかに一杯ひっかけにいくか」
十三:「おごらんがな」と言いつつ食堂を出ます。
GM:では、食堂を後にしようとする君の携帯に、メールの着信が。
十三:CCCからのメールは着信音がさりげなく異なっているのでわかる。
GM:『鷂十三様。あなたに仕事を依頼したく、CCC本社に参集願います』
十三:…む。それでは適当に仕事を切り上げて、皆に合流するとするか。

 

3.召集

 そして時刻は夕方。陽も落ちた頃に、一同は新宿にあるCCCのいつもの会議室に集まってくる。

東野:久しぶりだねみんな。元気にしていたかい。
十三:もうすぐ元気じゃなくなりそうです、東野さん。
理流:カード会社のせいですごく不機嫌だぞうっ。
乾史:おれは、とっても、元気だぜぇ〜〜〜(かさかさ)。
十三:おや、犬神君、妙に乾燥していないか?(笑)
乾史:そんな事は、ねぇぞぉ〜(ひらひら)。
東野:なんだか吹けば飛びそうだね(苦笑)。
乾史:でも意地を張って、金がないとは口が裂けても言わない俺であった。
理流:乾史君お腹すいているの?そ…
乾史:いらん(きっぱり)。
理流:だんだん拒否されるまでの間が短くなってる気がするー!?(笑)
東野:学習行動の成果だね。
十三:まさしくパブロフの…。
乾史:ええぃうるせー。さっさと依頼をよこせってんだい。
GM:じゃあ、ご期待に答えて会議室に麻生さんが入ってくるね。「みなさんお元気そうで何よりです」
乾史:…おれ、この人全部わかっててやってるんじゃないかと思うんだけどなあ。
東野:何を今更。
GM:では、時間もない事ですし、早速依頼内容の説明に入らせていただきたいと思います。
東野:というと、緊急性の高い依頼というわけだね。

※任務概要 参照

 

東野:要約すると『ヤヅミの管理する個人情報をネット上にぶちまけた犯人をつかまえろ』ってことか。
GM:
「以上申し上げましたとおり、当座の対策はなんとか施したものの、いつまた個人情報が流出するか。非常に危うい状態となっています。皆さんには早急に犯人を見つけ出していただきたいのです。受諾していただけますか?」
東野:ふむ…。犯人の手がかりが少なさそうな気もするけど。当然、私は受諾だよ。
乾史:相変わらずカタカナばっかりで何書いてあんのかわかんねー依頼だけど、今の俺は何でも受けちゃるぜー(笑)。
理流:受けましょうええ受けましょう。らぃ・なうっ(今すぐに)!
東野:何か妙にやる気だね、理流(笑)。
理流:ふっふーん。私の個人情報を流してくださりやがった連中をどう処理してあげよっかなー。ちょーっとこないだヨーロッパで色々銃器を『覚えて』きたしねー。
東野:ミッションからして都内での仕事になりそうだけどねえ。…おや、どうしたかね鷂さん?
十三:個人情報の流出なんて話が表沙汰になれば……プロジェクトが失墜して……前田氏が私の上司になることは……いや、意図的な失敗などプロとして……だがしかしっ………いやいや前田氏でなくても次の上司がろくな人間とは限らないし……いや…(笑)。
理流:…なんか色々思うところがあるみたいね(苦笑)。
十三:ええ、と、とりあえず受諾でお願いします。いずれにせよ、選択権はあった方がいい(笑)。
GM:「基本的な情報をまとめたファイルを東野さんにお渡しします。また、CCC、もしくはヤヅミ側で調べられる情報であれば、電話で問い合わせを貰えれば調査します」
東野:了解しました。とは言え、どこから手をつけたものかねぇ。
理流:まずはその個人情報の漏洩があったっていうページにつないでみましょうか。

 

 さっそく一同の仲でもっともコンピューターに精通した理流が、個人情報の流出のあったというサイトにアクセスしてみる。該当のページは、依頼書のとおりすでに潰された後だったが、理流がWeb上の痕跡を追跡調査し、どうやらデータが流されたのは、東京都内のどこかのパソコンかららしいとわかる。

 

理流:うーん。さすがにこれでは手がかりとしては不足かなあ。
十三:そんな事はない。ネット上の犯罪なら、それこそ容疑の範囲は世界規模だからな。都内に絞り込めただけでも大きな手がかりだ。
東野:となると、残りの手がかりは、今回の依頼者であるこの『ヤヅミシステム』くらいかな。
理流:ええっと、『ヤヅミシステム』と『ヤヅミクレジット』ってどういう関係なの?
GM:「どちらも、巨大なヤヅミ銀行が展開する『ヤヅミグループ』傘下の子会社です。主にクレジットカードに関する仕事を扱うのが『ヤヅミクレジット』。グループ内のネットワークを管理するのが『ヤヅミシステム』ですね」
乾史:なんだかようわからんけどよぅ、とにかくここでパソコンと睨めっこしてるより、その『ヤヅミシステム』に行ってみたほうがいいんじゃねえかなあ。ってえか、俺の知らない単語ばっかりが飛び交うんで、いい加減退屈してきたぜ。
東野:乾史の言う事にも一理ありだね。今は夜だけど、まだ訪問出来るかな?
GM:『ヤヅミシステム』は渋谷にありますので、ここからは電車ですぐですね。定時後ですが、ソフトウェアの仕事ですし、まだ社員はほとんど中にいるでしょう。担当者にはアポを取っておきますよ」
理流:やっぱりソフト系の仕事って夜が本番なのかしらねぇ。
十三:不健康という言葉の具現のようなものだからな。
乾史:あーそうだ。麻生サン、背広一着貸してくれよ。
東野:お、どういう心境の変化だい?
乾史:別に。会社をあちこち回るんだったら、スーツでも着てた方が少しは不審がられねぇだろうしよ。服にこだわってチャンスを逃すわけにはいかねーだろ?
GM:「そういうことであれば」と麻生サンはすぐにCCCの備品から背広を一着調達してくれる。(乾史、何気に成長してるなあ)
理流:じゃあさっそくいっきましょー。あー、もちろんノートPCとペットボトル5本はバックに詰め込んで持って行く。ふっふっふ、P90で目にモノ見せてくれるぞぉ〜。
GM:(理流………。アンタ輝いてるよ)

4.訪問

 一向は早速、渋谷にある『ヤヅミシステム』に向かった(経費節減のため電車で)。麻生が事前にアポイントをとってくれていたため、すんなりと応接に通される。

乾史:俺、コーヒーを飲んでいるんで。打ち合わせの方はおっさん達にまかせた。
十三:おや?犬神君はコーヒーの類は苦手だったと思ったが。
乾史:シロップとクリームをどぼどぼ入れて飲む!(笑)というかむしろシロップを飲む!カロリーが足りねぇんだよぅ!
東野:なら素直にそう言えば良いのに(苦笑)。
乾史:それが言い出せりゃ苦労しねぇ(笑)。隅でこっそり栄養補給してるぜ。
GM:「お待たせしました。例の件のおかげで修羅場でして」とやって来たのは、今回の依頼人、小林さんだ。
東野:型どおりの名刺交換をして、さっそく状況を伺いましょう。
GM:「はあ、私達としても困ったものでして、はい」
十三:事件が起こった時、何か御社の中で変わった事はありませんでしたか?
GM:「ええと、私はその時すでに帰宅していましたので」
理流:でも、CCCに依頼する時に、一通り社内の情報はまとめたんでしょ?
GM:「はあ、上司から書類を作成するよう指示を受けましたので、部下に作らせましたが」
東野:では、その時の事も思い出していただいて詳しく。
GM:「いえ、私は出来上がった書類に捺印しただけですので…」
十三:…これは直接現場の担当者の人に話を伺ったほうが良さそうだ(溜息)。
理流:(頭を振って)私この件が終わったらカード会社換える。とてもじゃないけどここから口座引き落としさせるわけには行かないわ…。
乾史:俺はもはや我関せず状態。受付のお姉さんにシロップのお代わりを頼む。
東野:乾史はカードなんて縁がないからねえ。じゃあ、「お話はよくわかりました。我々としては、現場の方の声も伺っておきたいと思いまして。ご担当の方を紹介頂けませんか?」と頼む。
GM:そういうことでしたら、と小林さんは露骨にホッとした表情だ。「石上と言うものがエンジニア達を仕切っているので、彼に聞いてくれれば大丈夫です。ここの三階に居ますので、そこに行って聞いてください」
乾史:…口調は丁寧だけどよぅ。要はその石上って奴に丸投げってことだろぅ。
十三:はっはっは、犬神君は鋭い視点を持っているな。だがもう少し聡ければ、それを口に出すのは控えたほうが良い(笑)。
東野:こうやって、忙しい人にはどんどん仕事が集まって行くわけだねぇ(嘆息)。
理流:…こんな現場ばっかりだと、なんか私、将来就職するのが怖くなってきたわ。
十三:はっはっは。理流君はその前にその珍妙な服装を何とかしないと面接に通らないと思うぞー(笑)。
理流:珍妙ゆーな!!…ああでも私以外はみんなスーツなのか。ちょっと寂しいぞっ。
東野:ともあれ、3Fに上って石神さんにアポをとりましょう。
GM:では3F。システムエンジニアの方にとっては馴染み深い、サーバーとPCがどっちゃり積まれたオフィスの中で、みんなクソ忙しそうに働いている。そんな中でも一際忙しそうにあちこちに指示を飛ばしている人がいるね。
十三:それが石上さんと見て間違いないだろう(笑)。さっそく声をかけて、かくかくしかじかと事情を説明します。
GM:石上さんは突如現れた君達に、露骨に迷惑そうな表情を向けるけど、十三の用件を聞いて目の色を帰る。「そうか、アンタ等があの恥知らずどもを捕まえてくれるってわけか!」
理流:んむ?
東野:ちょっと待った。彼は確かに、「あの恥知らずども」と言ったのかな?
GM:「そうだよ、あのアイエスの連中だ!だから俺はあんな身元もよくわからないような連中を使うのは反対だったんだ!」
十三:是非とも詳しくお話を伺わせて頂きたいですな、石上さん。そのアイエス、というのはどういった方々なのですか?
GM:「…ああ。『アイエスソフト』。最近出来た小さなソフト会だよ。あんた達、うちが今進めているプロジェクトの事は知ってるのかい?」
東野:『ヤヅミクレジット』と『フタバクレジット』の合併の事ですかな?
GM:「そうそう。んで、うちの会社が担当してるのは、その二社が使っているシステムの統合なんだけどね。そのシステム統合の作業を任せていたのが、その『アイエスソフト』なんだ」
理流:んー?でもここって仮にもソフトウェアの会社でしょ?そういうのは外注に出さずに社員の人がやるんじゃないの?
GM:その言葉を聞いた石上君はなんとも微妙な笑いを浮かべる。「そうだといいんだけどな。実際はソフトウェア会社何て言っても、大半は親会社から出向させられたメールも打てないようなおじちゃんと、半人前の新人ばっかり。新人も仕事を覚えたら覚えたですぐやめちまうしなー」
十三:やめてやめてやめてそれ以上は聞きたくないー!!
東野:今回はやたらと生々しい話が多いねぇ…。
GM:せせこましい日常生活の下、異能力者が活躍すると言うのがこのシリーズのコンセプトですし。
乾史:せせこましいっつーより、痛々しいって感じだぜ。
十三:と、ともあれ。いくら外注しなければいけないとはいえ、そんな重要な仕事を、素性も良くわからない会社に委託したのですか?
GM:「ああ…。別に素性がわからないってわけじゃないんだが。ええっと、うちの子会社の『ヤヅミエンジニアリングサービス』の子会社の『ワイ=ソフトウェア』の子会社の『グッドウェア』の子会社、だったかな。もう一社くらい間に入っていたかも」
東野:孫、曾孫になるにつれ、ネーミングがいい加減になってるあたり、いかにも適当につくった子会社って感じだよね…。
理流:うがー!私やっぱりこの場でカード解約するー!
GM:「それでも、ここまで身元が良くわからない奴等を採用するのは珍しいんだけどね。うちのシステムは古いCOBOLで出来てるもんで、そんな昔の言語を扱える技術者はそうそういなかったんだよ。俺は俺で、フタバ側の担当者との調整と交渉で忙しかったし」
理流:あれー。どっかで聞いたような(苦笑)。
十三:それは大変なことだ。…ちなみに、そのフタバ側の担当者とはどんな人かな?(笑)
GM:「ええっと、加藤っていう奴なんだ。あいつとだけは気が合って、良く愚痴ってるよ。その上司の前田ってのは、そりゃもう絞め殺してやりたいくらいだが」
十三:…それはそれは。仲が良くて結構なことだ。だが石上さん。幾らなんでも身元が不審というだけでは、犯人と断定するのは早合点のような気もしますな?
GM:石上君は言う。「何言ってんだ。だってアイツラ、今日は誰も会社に来てないんだぜ!?」
一同:おやぁーー?

 

5.潜入


 一同はアイエスソフトについて更に詳しい情報を石上から聞きだし、以下の情報を得る事が出来た。

 ・アイエスソフトは、極めて小規模な会社であり、人数は5人しかいなかった。
 ・5人ともプログラマーで、今回の仕事では全員が『ヤヅミシステム』の中に入り込んで働いていた。
 ・一応の所属はヤヅミグループであるが、そもそもはこの5人で立ち上げたベンチャー企業らしい。
 ・身元は不審でも、腕は確かに立つようだった。
 ・この仕事では、石上同様凄まじく忙しかった。5人の中にはヤヅミに対する恨み言を呟いていた者もいたらしい。
 ・そしてその5人が、情報漏洩が発生した次の朝から、誰も出社していない。

東野:こりゃまた、いきなり濃厚な容疑者候補が出てきたもんだね。
理流:私達が犯人です、って宣言してるようなものだけど、ちょっとあからさま過ぎる?
十三:石上さん、その5人の情報やアイエスソフトの場所を教えて貰えないだろうか。
GM:「ああいいよ。とっととあいつ等を捕まえてくれ。どっちにしてもこのままじゃプロジェクトは進まないどころか一巻の終わりだからな」
東野:情報流出なんて問題が公になれば信用問題だからねえ。
理流:といって、彼らがいなければシステムの統合は出来ないんでしょ?
GM:「そうなんだ、それも問題でな」…と言って、石上さんは履歴書を取り出してくる。アイエスソフトのオフィスも渋谷、ここからは歩いていける距離だ。
乾史:持ち物でもあれば匂いを覚えられるんだがなあ。
GM:5人の名前と住所について。まずは社長でもある相原氏。池袋在住だね。あと、同じく池袋在住の田村氏、秋葉原の佐藤氏、浅草の水元氏、上野の沢井氏、だ。
理流:メモメモ、っと。うーん、やっぱり一番近い渋谷のアイエスソフトオフィスから当たってみるべきかな?
東野:手がかりが少ない以上、まずは一通り周ってみるべきだろうな。…おや、どうしたね鷂さん。
十三:プロジェクトが失敗…任務放棄…いや、安定した職場…いやいや………大丈夫、まだ選択するチャンスはある(笑)。
乾史:何がだー!?(笑)

 

 もう夜も深まる時刻だが、一同は無理を押して、同じく渋谷にあるアイエスソフトにやってきた。

理流:渋谷、って言っても繁華街から離れてて、ちょっと寂しいところね。
東野:教えてもらった住所を元に、建物を探します。
GM:ではすぐに該当する場所に辿り着く。五階建ての、古びた雑居ビルだね。派手派手しい金融ローンの看板が張り出している。ここの3Fに、アイエスソフトが入っている。
東野:ふむぅ。まずは普通に玄関をくぐって入っていこう。
GM:では、階段を上って3Fまでやってきた。ドアは閉まっていて、向こうの灯りは落ちている。
東野:ノックをするのも意味がなさそうだね。ノブをまわしてみるけど。
GM:鍵がかかっているね。
十三:では下に戻ってビルの管理人に合鍵を借りてこよう。

 

 夜に突如来訪した男女四人に管理人のおばちゃんは不審の視線を向けるが、十三が対人交渉力の高さを生かして無事鍵を借りる事に成功する。ついでにアイエスソフトのメンバーについて聞いてみると、ここ最近はしょっちゅうオフィスを開けており、ときどき誰かがここに戻ってくる程度だったようだ。

東野:では鍵をあけます。一応、『暗視』の能力を発動して注意します。
乾史:俺も、感覚を全開にして異変に備えるぜ。
GM:では、ギィィィ、とドアが開く。君等はすぐわかるが、どうやら人の気配はなさそうだね。ただ、低いファンの音が唸っているので、パソコンは稼動しているのだろうとわかる。
理流:じゃあ電気をつけてしまいましょう。
GM:では君達の目の前に広がるのは、わりかしがらーんとしたオフィスに机がいくつか、そこにどっちゃり積まれたパソコンとサーバー。そして周囲に無数に積みあがった書類と、灰皿に盛られた吸殻マウンテン、床に氾濫するコンビニ弁当やマ○ドナルドの袋だ。なんというか、かぐわしい香りを周囲に漂わせている(笑)。
理流:にぎゃああああ!典型的な男所帯〜〜〜!!
乾史:…おれ、空腹なんだけど、腐敗臭を吸い込んでむせかえってる(笑)。
東野:(平然と)室内が荒された様子は?
GM:乱雑だが、荒された、という様子ではないね。
十三:ふむ…。彼等が最後にここに居たのはいつか、が重要か…。
理流:ねえねえ乾史君、ゴミの腐り具合から何日くらい放置されてるかわからないかな?
乾史:うう、気が進まねえなあ…。しゃーねぇ、『超嗅覚』を発動して調べる(ころり)。ってぐはあ!?-2失敗!!
GM:えー、じゃあ乾史はよくわからなかった。ついでにとっても気持ち悪くなった!(笑)
乾史:さっき腹に入れたシロップを戻しちまいそうだぜ…。
東野:というか、普通にコンビニ袋のレシートとかを見ればいいんじゃないかな。
理流&乾史:………あ(爆笑)。
乾史:だ、だめだ、俺は脳にまで栄養が不足してる(笑)。
十三:レシートを集めて、一番新しい日付を調べよう。
GM:昨日の夜、のようだね。
東野:ふーーーむ…。ネット上で情報漏洩が起こったのも昨日の夜、だよね。
十三:ここのPCからアップロードされたのかも知れませんね。
理流:電源は入っているのよね?いじれないかな。
GM:「パスワードを入力してください」と出ている。
理流:むう…。適当にパスワード解除試してみるか。でもなあ。解除失敗すると自動でデータが削除されるようなトラップがあったら私には手の出しようがないし…(ぶつぶつ)。
東野:では、私達は書類やゴミから何か情報が汲み取れないか調べてみましょうか。
十三:了解です。『探索』技能の発揮どころですね。
乾史:俺はこの部屋に出入りしてた人間の匂いの種類を数えて、覚えておくぜ。

 

 今度は判定に成功した乾史。オフィスに出入りしていたのは丁度五人。それ以外の人間は、少なくともここ最近は出入りした形跡はないようだった。
  一方、判定に成功した東野と十三は、ゴミ箱や書類の束からプリントアウトされたメールを発掘して並べることで、ここ最近のアイエスソフトの状況を推測する事が出来た。

 零細企業のアイエスソフトにとって、今回の仕事は始めての大口の受注だった。しかし仕事を受けた彼等を待っていたのは、一向に先の見えないプロジェクトと、延々と続く残業の毎日だったのである。

GM:…ここ最近のメールでは、5人ともかなりストレスが溜まっていたようで、「もうやってられるか」「耐えられません」というような文書も端々に登る様になってきている。それを社長の相原氏が必死に説得している、というような状況だったみたいだね。
東野:……身につまされる話だねぇ…。
GM:『もう少しだ、ここを乗り切れば楽になる』『みんなで会社を立ち上げたときの事を思い出そう』『いつかきっと、このがらんとしたオフィスをパソコンと社員で満杯にしてやろうぜ』そんな励ましのメールもちらほらとあるようだ。
乾史:けっ。……いい話じゃねえかよ(笑)。
理流:何ていうか、実はいい人達?
十三:ストレスが限界に達しての腹いせの犯行、というのはあり得るが。
東野:是非ともパソコンを調べたいところなんだがね。
理流:うーん。でもゴメン、私では無茶なパスワード破りは難しいわね。
GM:君等が相談してると「もう私帰らなきゃいかんのだけど。そろそろいいかね?」と管理人のおばちゃんが階下から声をかけてくるよ。
十三:おっと。ではここまでか。とりあえず一旦退散しましょう。
東野:そうだ、CCCの麻生さんにTELしておきます。事情を説明して、ハッキング専門のスタッフを寄越してくれるように頼みますよ。
GM:『了解しました』と麻生さん。『明日以降になると思いますが、スタッフと連絡がとれ次第向かわせるようにします』

 

6.住宅

  時刻は既に午後九時を回っているが、不夜城たる東京の街はむしろこれから活気づくのだ。金曜日の夜ということもあり、一同、解散するつもりもなく調査を続行する。

理流:でも考えてみると何でか私達への依頼って一日で決着とか、週末をまたいでとかが多いのよねぇ。
東野:理流君、そういうところに突っ込みを入れてはいけない。
十三:表の仕事を気兼ねすることなく調査できるように、というGMのはからいですな。
GM:(まあ、いずれ皆さんの設定が固まってきたら、昼の顔と夜の顔を使い分けながら継続するような任務とかも用意してますがね(苦笑))
乾史:んで、結局これからどうするんだよ?
十三:被害者、加害者いずれにしても、この5人が重要参考人だろう。
東野:自宅を当たってみるべきだろうね。まずはここから一番近くて、一番の重要人物だと思われる池袋の相原社長宅。異存は無いかな?
一同:了解〜。
東野:そうと決まれば、軽く腹ごしらえをしようか(笑)。アルコールは入れるわけにはいかないから…ファミリーレストランあたりでも良いかな?
十三:異論ありませんな(笑)。ニコチンも補充したいところですし。
理流:わーい。年長組の奢り〜。
十三:はっはっは、理流君。仕事外ならいざ知らず、任務中は我々は対等の仕事仲間だ。自分の食い扶持は当然自分で持つべきものなのだぞ。なあ乾史君?(笑)
乾史:ち、ちくしょう周りくどい真似して事前に退路を塞ぎやがって!!(爆笑)ああそうだよ。てめぇらは勝手にファミレスで食ってろいっ。俺は近くのコンビニで済ませてくらぁっ!(笑)
東野&十三&理流:じゃあ、そういうことで(笑)。
GM:(うわひでぇっ!)
乾史:ち、ちくしょー。しょうがねえ、いくら貧乏でもコンビニ弁当一食くらいなら何とかなんだろー。…GM、俺、今手持ちいくらあるんだろう?
GM:そーさね(黙考)。…サイコロ三個の出目を掛け合わせて、それを百倍してくだされ(…ちょっと甘いかな)。
乾史:お、それなら期待値でも三千円以上はいける(ころり…と、出た目は1,2,2)…って、ナンジャコリャー!!(爆笑)
十三:言うまでも無いことだが。1×2×2×100=…400円、だな。
乾史:弁当も食えやしねー!?
理流:お、おいしすぎるぞっ、乾史君!!
東野:(巌の如き沈黙)………というか乾史、君、一回能力を発動させるのに500円玉が必要じゃなかったか?(爆笑)
乾史:そ、そうだった。俺、今回役立たずー!?
十三:い、いや。君は確か、握るコインの額によって能力が変動するから、100円玉でもある程度は力を発揮出来るはずだ。
乾史:あっぶねぇ、セーフだぜ…って、どっちにしても俺メシ食えねえー!?(笑)
GM:(……大丈夫か、この任務……)

 

 そんなこんなで、一同は山手線で池袋にやってくる。夜なお賑やかなサンシャイン60通りを越えてしばらく進むと、一転して静かな住宅街に出る。やがてマンション街の一角にたどり着いた。

 

理流:えーっと。このマンションの一室に、相原社長のお宅があるのよね。
十三:出来れば終電までには片をつけたいところだな。部屋の様子を伺おう。
GM:電気はついていないようだよ。
十三:では、玄関ドアの前まで行って、電源メーターの回り具合をチェック。居留守を使おうが、人が居ると居ないとでは、回る速度が違うからな(笑)。
東野:今回は生々しい描写が多いねえ(苦笑)。
乾史:じゃあ俺がドアに近寄って聞き耳を立てるぜ。あ、あと匂いもな。
GM:(こっそり判定…乾史の聞き耳は失敗か)…うん。どうやら電気機器は動いているみたいだよ。でも、特にこれといった物音は聞き取れないね。それから、お勝手の窓から、ご飯とお味噌汁のいい匂いがするなあ。
理流:…え、それってまさか。
十三:………極めてよろしくない予想が立つな。
東野:電気は使われていても、人の気配が無い。使っていた人がいなくなった、もしくは…、使えなくなった。
乾史:…俺、一旦下に降りて、『超跳躍』でベランダに飛び上がる。100円でもそれくらいなら大丈夫だから。
十三:では、タイミングを合わせて一気に突入しよう。
乾史:外まで走って、周囲に人目が無いことを確認。えいやっ(ころり)と、ベランダまで一気にとびあがった。そのまま室外機の陰にでも身を隠すよ。
GM:ベランダに面した窓は当然閉まっていて、カーテンが下ろされているね。
乾史:ははん。俺には『暗視』があるからな。隙間から様子を伺うぜ。
GM:はあ。じゃあ、部屋の中にはベッドがあってだね。…女の子が寝ているよ。
乾史:………は?何が寝てるって?
GM:いや、だから、女の子ですが(笑)。
乾史:……俺、部屋間違えたかな?もう一回位置を確認しちゃうぜ。
GM:…あってると思った。
理流:乾史君も配置に着いたところかな?よーし、突入スタンバーイ(笑)。
乾史:わー、待った待った。慌てて携帯でおっさんを呼び出す!中止、中止!!(笑)
東野:一体何が…と思いつつ、とりあえず突撃を中止しよう。
乾史:ダッシュで駆け戻ってくる。「オッサン、女だ!女だよ!」(笑)
十三:…犬神君、理流君ではあるまいし、ちゃんと人語をしゃべりたまえ(笑)。
理流:何気なくすごく失礼なことを言われてる?
乾史:そりゃこっちの台詞だ(笑)。とにかく今見たものを話すぜ。
東野:(ピンときて)GM、相原社長の履歴をもう一度確認できるかな?特に家族構成を。
GM:はいはい。何でも相原社長は小学生の娘さんと一人暮らしだそうですよー。
十三:……………………ほう。
理流:寝ていたのは娘さんか。私達、危うく押し込み強盗になるところだったわけね(汗)。
乾史:だけどよ、俺が見たのは女の子だけだったぜ。ここ、ワンルームだろ?
東野:…父親は帰ってない、と見るべきか。
理流:でも、夕食の用意はしてあったのよね?
十三:それは、娘さんが父親の分を用意していたんだ(確固たる口調で)。
乾史:じゅうぞう?
十三:ここでこれ以上騒いでも相原社長には会えないだろう。娘さんには明日ゆっくり話を聞けばいい。戻ろう。
東野:確かに鷂さんの言うとおりだね。終電のあるうちに、次に向かおう。
理流:あいあいさー。
乾史:うーん。いつものじゅうぞうなら部屋に踏み込んで娘さんに尋問とかしそうなのになー(笑)。

 

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