世の中には『派遣会社』というものがある。 『能力』を持った人間を 『しかるべき職場』 に派遣して案件を処理させる、というものだ。 近年急速に拡大したこの雇用形態は、 いまや大きな社会問題にすらなりつつある。   その業務の内容は様々だ。   イベントの人員整理のスタッフ。 ノルマを課される訪問販売員。 己のスキルで勝負するディベロッパー、通訳業。 教授も真っ青の高給取り、カリスマ予備校教師。 あるいは脅迫専門の呪術師、潜入工作専門の元諜報員。 未来予知ならけっこう当たる占い師、 一キロ以上先から得物を仕留める狙撃手。 銃で撃たれても死なない狼男、 身近に意外といる超能力者。 たまには、そんな『派遣会社』の世界のディープな一面、 通常とは『ちょっと違った能力』を持った人間たちが派遣される 『しかるべき職場』の話をしよう……。 -------------------------------------------------------------------------------- ●1. XX:XX- @某所      ある日ある時ある場所に、またもや一人のGMと四人のプレイヤーが集まった。となればやっぱり、やることはTRPGしかなかったのである。   GM:えー、それでは皆様大変お待たせいたしました。人材派遣のCCC、第二部を開催したいと思います〜! プレイヤー一同:どんどんぱふぱふひゅ〜ひゅ〜(笑)。 GM:いやあ、まさか第二部が開催できるとは思ってませんでしたよ。 プレイヤー1:第一部はずいぶん人気があったんだって? GM:おかげさまで。今まで未発表のものも含めて結構シリーズやってましたが、これが一番反響大きかったんじゃないかなあ。 プレイヤー2:その分、次を任された我々にもプレッシャーがかかってくるワケね(苦笑)。 プレイヤー3:といっても、変に力んでも仕方がないでしょう。 GM:まったくです。ま、ノリ的には変わらずあんな感じでやってきますので、肩の力を抜いてプレイしてもらえればと。次回いつ開催できるかわからんし(ボソリ)。 プレイヤー4:やなこと言うな!(笑)たしかにスケジュール合わせ大変だけどねぇ。 GM:さすがにみんな忙しくなってきたからねえ。バーチャル会議がもう少し使い勝手が良くなれば毎晩自宅でプレイできるんだが……等という生産性のない会話はさておき。さっそく開始と参りましょうか!みんなキャラは作ってきてくれたかな? プレイヤー一同:作ってきたよ〜。      そして並べられるキャラクターシート。     GM:こりゃまたクセの強そうな面々だね。では、時計回りに自己紹介どうぞ。 プレイヤー1:あー、コホン。私は『二枚舌(ライアー)』日下景(くさか けい)。長野の村で幼少の頃から鍛え上げられた忍者でござるよ、ニンニン。 プレイヤー3:おお、忍者ですか。……データだと、諜報系のキャラ? プレイヤー1(以下、日下):ええ。派手な忍術だの忍法だのを使うのではなく、本来の諜報員としての技能に長けたリアル志向の忍者。盗賊系に特化したキャラですね。 プレイヤー2:戦闘能力はそこそこ、ってところ? 日下:そうですね。一応『手裏剣』で遠距離攻撃は出来ますが、『閃光弾』や『煙幕』、『高速走行』で逃げ延びることを主眼に置いています。本来争いごとはあまり好きではないのですが、故郷の村が忍者テーマパークを興したせいで借金まみれになってしまいまして(笑)。 プレイヤー4:日○江戸村の失敗版か(汗)。 日下:まさしく(苦笑)。で、村の青年団の先輩……上忍より密命を受け、村の借金を返すため、CCCに出稼ぎに参って現在に至ります。 プレイヤー3:上忍の命令は絶対というワケですか(笑)。 GM:日下さんはCCCに正社員として所属しているので、このチームのまとめ役をお願いしたいですよ。 日下:どちらかというと私は単独行動向きなのですが(苦笑)。なんとか頑張ってみます。 プレイヤー2:じゃあ、次は私かな。……花見真純(はなみ ますみ)。フリーター。一応、こっちの世界では『雷貴妃(ライオネル)』で通ってる。 プレイヤー4:雷使い? プレイヤー2(以下、真純):そ。もともと視力や聴力が普通の人よりかなり弱いんだけど、それを補うように『電波を操る能力』を持ってる。これで周囲に飛び交う情報をキャッチしてるので、日常生活にはあまり支障がないの。 日下:……支障がないどころか、『電波視覚』『ジャックイン』なんて能力持ってるあたり、人間盗聴器兼盗撮カメラって感じですよね。 真純:盗聴なんてしない。時々暇つぶしに近くを流れてる電波を聞いたり見たりするけど。 日下:世間ではそれを盗聴や盗撮というのですよ。 真純:(無視して)普段は電気メーターの検針員で食べてる。めんどくさいけど。時々CCCの仕事も受けてる。すごくめんどくさいけど。 プレイヤー3:モノグサ系キャラで行くんだね(笑)。 真純:一応、電波を応用して磁気嵐や雷として攻撃できる。それなりに強力。情報集めが得意なタイプの魔法使い、と思ってもらえばだいたい合ってる。 GM:了解しましたよ。では、続けて次の方どうぞー。 プレイヤー3:わたしは折口明(おりくち めい)っていいます。10歳の女の子で、新宿区の私立の小学校に通っています。 プレイヤー4:よ、幼女キャラ! 真純:これはまたずいぶんと内角低めギリギリね(笑)。 プレイヤー3(以下、明):。実家が代々犬神憑きの家系で、犬と話をしたり、近くにいる動物を集めたりといった少し不思議な力が使えます。 真純:直接の攻撃力はないんだ。 明:そのかわりに、若い犬神を『しもべ』として使う契約を結んでいて、戦闘では彼も一緒に戦ってくれます。名前は『セザール』です(笑)。 日下:ひどいネーミングですね(笑)。きっと明ちゃんが入学したてくらいに無邪気に名付けたに違いない。 明:セザールは普段は普通の犬と変わらない外見なので、いつもわたしがリードを引いています。傍目には、大型犬を散歩させている小学生、って感じです。 プレイヤー4:実際にそういう光景を見ると、小学生の方が引っ張り回されてるようにも見えるんだけどな(苦笑)。 明:本当はあまり良いことじゃないのかも知れないけど、私がCCCにわがままを言って、一人前のエージェントと同じように働かせてもらってます。 真純:たしかこのルールでは、極端に幼いキャラは知力にペナルティーが入らなかったっけ? 明:はい。でもポイントを消費して『早熟』という能力を取得していますので、普通の人の十代後半〜二十歳レベルに匹敵する知識と価値観を持っていることになっています(笑)。 日下:プレイヤーキャラとして動かす分には支障はないわけですね。 明:周りからはよく『パピー』と呼ばれてます。私自身は支援系、セザールは戦闘系とちょっと変則的な位置づけになっていますが、よろしくお願いします。 日下:こちらこそよろしく。 プレイヤー4:じゃ、俺の出番かな。えっと。名前は有本未空(ありもと みくう)(一同爆笑)。都内の理系の学校に通う大学生だよ。 真純:ど、どっかで聞いたような名前ね。 プレイヤー4(以下、未空):ああ、俺もどっかで聞いたような気がする(笑)。実は従姉も一緒にCCCに所属しているんだが、どういうわけか一緒に仕事をする機会がなかなかないんだ。 日下:なぜか我々は君のことを良く知っている気がしますねぇ(笑)。 未空:うん、だから説明は少し省略する(笑)。生活費を稼ぐためにCCCでバイトしていて、いろいろあって錬金術を修得しているんだ。 明:やっぱり、従姉の人みたいに(苦笑)、銃や爆弾を作り出せるんですか? 未空:(苦笑)いいや、俺はその逆で、二つ名は『削除屋(イレイサー)』……まあ、ここらへんは特殊なので、おいおい説明していきます。戦闘では、錬金術で自分自身に干渉することで、超人的な運動能力を発揮します。正直、みんなの中で一番前衛向きだと思う。位置づけ的には、少しだけ呪文が使える戦士、ってイメージでよろしく。 真純:前衛で青年とくれば、今回の主人公は決まりね。 日下:微妙に支援系や盗賊系ばかり集まってしまったみたいですし、前衛とリーダー役は彼に一任してしまってよいかも知れませんね。 未空:いきなり職務を投げ出すなよ正社員!(笑)みんなこれからよろしくお願いします。 真純&明&日下:お願いします〜。     -------------------------------------------------------------------------------- ●2. 10:00- @新宿新南口 CCC本社ビル     GM:じゃあ、自己紹介も終わったところで。さっそく本編を開始しよう。11月のある日、CCCに所属する君達は、それぞれこんなメールを受け取るよ。      皆に配られる『任務依頼書』。     一同:(熟読)……ふうん。 GM:そして、まずは『財産判定』をしてもらいましょうか。目標値は9、お金持ちのキャラなら修正が入りますよ。 日下:そんな人はいませんね。例によって全員貧乏ですよ。 真純:(ころり)あ、-5成功。 未空:おお、俺も-4成功! 明:私も-1成功。 日下:私も-1成功ですねぇ。これは珍しい(笑)。 GM:確かに珍しい(笑)。それでは、君らはそれほど生活に切羽詰まってはいないのですが、たまたま土日が空いてるから仕事でも入れるか、という感じでCCCのオフィスにやって来ました。 日下:私は正社員なので、上司命令での出勤です。 真純:私たちはもう面識あるの? GM:いいえ、ありません。こちらのメールで『二課に所属してる人で、都合がつきそうな人は来てね』と書いて送ったら、たまたま集まってきたのがこの四人だった、って感じです。 未空:えーと(チェック中)。前シリーズのメンバーは、営業一課所属だったんだね。一課と二課はなんか違うの? GM:もともとCCCには営業一課しかありませんでした。しかしおかげさまでCCCも商売繁盛しておりまして。業務拡大によって人が増えたため、つい先日作られたのが二課です。新設の課なので、あまり規則や管理体勢がしっかりしていません。 日下:やりたい放題という事ですか? GM:その代わり、一課よりも支援が心許ない……かも知れません。 真純:それはちょっと不安ね。 GM:ともあれ、そんな感じで今日初めて顔を合わせたあなた方なのですが。 未空:じゃあ、自己紹介しとくかな。「オッス!オラ未空。よろしくなっ!(笑)」 明:一文字違いですよそれ。 真純:貴方そんなキャラだったの(苦笑)。 未空:いやあ、『お祭り好き』って特徴持ちなんでさ。 日下:そこらへんは従姉の人と同じなんですね……と。それでは同じく『好色』の特徴を持つ私としては、早速この二人を口説いてみたりしましょうか。 GM:……そういえば、このメンバーには妙に『好色』が多かったな。 真純:実は私も『好色』なのよね。 日下:モノグサのくせに。 真純:やたらと声をかければいいってもんじゃないのよ。 未空:俺は別に『好色』じゃないぞ。 明:セザールが『好色』です(爆笑)。 真純:守備範囲はどこらへんよ? 明:犬科の雌だそうです(笑)。 未空:つーか、あんたらみんな何歳なんだ?明は10歳なんだろ? 真純:21歳。 未空:ゲッ、同い年か。 真純:そのゲッ、はどういう意味かしら(笑)。まあシスコンは対象外だから安心しなさい。 日下:私は24歳。名実ともにまとめ役ですか……とほほ。 明:おじさんフケツッ!(笑) 日下:おじさん呼ばわりされたー!? 明:男の人は二十歳を過ぎたらみんな立派なおじさんです! 日下:いや、さすがにその意見はっ、どうかと思いますがっ!! GM:……てな感じで君らがすっかりうち解けたところで。会議室のドアが開くと、女子高生のような若い子が入って参ります。「みなさん今日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました」なんて言うね。 真純:誰? GM:「私、先日CCCの営業二課に正式配属となりました那智と申します」 日下:(即座に)いやーはははは。全く知りませんでしたよ。こんな可愛らしい女性がウチの課に配属になっていたなんてっ。 GM:「は、はじめまして、えーと……日下さん」 未空:女子高生みたいな外見って。歳は幾つなんだ? GM:「あ、昨年大学を卒業したので23です」 真澄&未空:年上ッ!? GM:「4月に入社して、新人研修と総務部のアシスタントを経て、10月から正式に営業課の所属になりました。精一杯がんばりますのでよろしくお願いします!」 明:こんなに仕事に前向きな人、シリーズ初じゃないですか? GM:「世のため人のために役立つCCCで働けるなんて夢のようですっ!」 未空:(ぼそり)……むしろ世のため人のためには、こんな会社はない方が良いんじゃないか? 日下:23歳!じゃあ君は午年ですね(適当)?実は午年の女性には一つ!決定的に足りないものがあるという事を知っていましたか? GM:「え、ええー?なんですか?」 真澄:仕事の話をしなさいよ。 日下:(無視して)『手品』技能判定……(ころり)成功!実は午年の女性に足りないのは情熱の赤。(手品で薔薇を出現させて)すなわち、この薔薇こそが一番貴方に似合うのですよっ! GM:「わあスゴイ!これが異能力ってものなんですね!」(一同爆笑) 日下:お……おおぅ。 未空:真っ正面からはじき返されたよ(笑)。 真澄:ド天然だあ。この顔と性格で年上とは……。 未空:俺の従姉も見た目と歳が一致しないんだよなぁ。 日下&真純&GM:ああ。それは良く知ってるよ。 明:むしろ一致してないのは精神年齢ですよね(ぼそ)。     ------------------------------------------------------------------------------- ●3. 10:20- @新宿新南口 CCC本社ビル     GM:「それでは、特に問題も無さそうですので、あなた達四名のチームでお仕事にあたってもらいたいと思います」 真純:問題ない、のかしらね(苦笑)。 未空:まあこれからいっぱい噴出してくるんだろうな(笑)。 日下:とにかく、任務の内容を読んでみました。色々情報が載っておりますが、簡潔にまとめると。 真純:引きこもりを部屋から引きずり出してこいってことでいいのね。 明:とても社会的に意義のあるお仕事ですね!(笑) 未空:てことは、マンションを破壊してしまえば出てこざるをえないと(笑)。 一同:いやいやいや! GM:「そ、そういうことをされると困りますっ!」 真澄:新人をいじめるな。 日下:むしろキズについては厳重に注意されているようですね。 GM:「大きなキズをつけた人には実費でのペナルティが入ります」 未空:まあ、キズがついたら錬金術で直せばいいしさあ。 日下:……キミは根っこではやっぱり有本さんの従弟ですねぇ。 未空:いやあ、照れるなあ。 明:そんなキャラですか。 未空:もちろん冗談(笑)。えぇと、建物を壊してはいけないというのは了解だけど、引きこも……げふんげふん、裕一君の私物や彼自身については? GM:「あくまでも壊してはいけないのはマンションなので、彼の私物については壊しても直接のペナルティにはなりません。彼自身についても、まあ腕を切り取ったり足を切り取ったりはなるべく勘弁してください、というのがクライアントの意向です」(爆笑) 真澄:なるべく、なのね。 明:腹を殴るくらいなら問題ないんですねっ☆(爆笑) 真純:く、黒幼女。 日下:よく読んだらこの依頼、JW開発の狛村さんからの依頼じゃないですか。 未空:コマムラ……?(前作のリプレイを読み返す)ああ、第一部一話のドS眼鏡の依頼人か(笑)。 GM:(そんな設定にした記憶はまったくないんだが)「ええ。以前の依頼が上手くいって、狛村さんは弊社を信用していただいたみたいで。また新しい仕事を頂きました。人と人とのつながりは素晴らしいものですね!」(爽やかな笑み) 未空:ううっ、まぶしいっ。 GM:「この依頼に時間制限はありませんが、報酬額は一定なので早く目標を達成すればするほど効率が良いということになります」 日下:了解です。こちらは小学生もいますし、できればこの土日で片付けてしまいたいところですね。 GM:「はい。それとオプションとして、マンションにキズを着けた場合の責任について、個人責任と連帯責任のどちらかを選べますが」 未空&真澄&明:個人責任で。 日下:即答ですかっ!?(笑)というか、むしろ潜入系の私以外はみんなマンションにキズをつけそうな能力ばかりじゃないですか。 真純:そ。だから他人のケツは持てない(笑)。 日下:いやまあ、それでいいなら私に反対する義務はありませんが……ってああ、一応社員なんで監督責任あるんでしたねぇ。 GM:「日下さん、今日は監督お願いします!」 日下:ハハハハ困りましたねぇ。努力はしますよ。 真純:確約はしないのね。 日下:この世にはどうにもならないことがありますしねぇ。 真純:主体性ないなあ。 GM:このチームに目下必要なのはしきり役という気がしますねえ。 真澄:コレ(日下)がダメだと本当明ちゃんにお願いするしかないわ(笑)。 未空:というか、そういうアンタも仕切る気はないんだな(笑)。 明:小学生がリーダーのチームはまずいですよ(笑)。 未空:まあ、個人責任云々はいいとしても。さすがに壁紙一枚傷つけてもペナルティ、とか言われるとほとんど何も出来ないよなあ。 明:裕一さんを引っ張り出すときに抵抗されてガラスが割れたり、というのも考えられますよね。 GM:「えっと、ええと……それについてはっ……」などと言いつつ、那智さんは手元の新人用マニュアルを読む(笑)。「クライアントに電話してみますね!」 真純:初々しいなぁ、と思うのとイライラするのが半分ずつ(笑)。 GM:「えっと、はい。CCCの那智です。はい。任務の条件について確認を……あ、はい。かわります」彼女は君達に受話器を差し出してくるよ。 未空:お?じゃあ電話を受け取ろう。 GM:『CCCの皆様初めまして。私、JW開発マンション管理担当課長の狛村と申します』 未空:直接話した方が早いって事か(笑)。じゃあ、ぶっちゃけマンションでどのくらいまでなら暴れていいの?って事を聞こう。 GM:『そうですね。依頼の際には先方もかなり厳しい発言をされていますが、実際のところ裕一君が居着いてから一年経っていますし、この件が解決したからといってすぐ明日から入居できるというわけでもないでしょう』 真純:それなりに掃除やリフォームが必要という事ね。 GM:『ええ。ですからその際にリカバリー出来る程度のキズなら、私の方で先方にペナルティにカウントしないよう伝えておきます。具体的には、カーペットや壁紙を汚したり、内壁に到達しない程度の傷なら不問に出来るでしょう』 日下:いやぁ、実に頼りになる女性ですねぇ。 GM:『そのかわり。日本刀で壁を切り裂いたり、手裏剣を床に突き刺したりといった行為は絶対にやめてく・だ・さ・い・ね?』(爆笑) 真純:怖い怖い(笑)。 未空:大丈夫だよ、俺、常識あるからさ(笑)。 GM:あ、もちろんマンション内で粗相とかもダメですから(笑)。 明:これはマーキングですっ☆(笑) GM:『他に何か確認しておきたいことがあれば今のうちにどうぞ』 日下:(やたらと張り切って)それでは緊急連絡先として、貴方の電話番号を教えていただけませんか? GM:『ええかまいませんよ。03-****-……』思いっきり会社の代表番号だ(笑)。 日下:ハハハハハ警戒は無用ですよ狛村さん。もちろん貴方の携帯には緊急時以外にかけるような非常識な振る舞いはしませんとも。この目を見ていただければわかります。 明:って今、電話越しに話してるんですよね(ぼそり)。 真純:的確なツッコミね。 GM:『というか、私、犬にしか興味ありませんから』(一同爆笑) 未空:やっぱりか! 明:よかったねセザール(笑)。 日下:がーん、犬に負けた……。     ------------------------------------------------------------------------------- ●4. 10:40- @新宿新南口 CCC本社ビル      依頼人と条件について確認を終えた一同、いよいよ任務の開始である。  まずは基本的な情報を固める一同。     未空:裕一君は予備校生で二十歳か。ということは二浪かな? GM:二浪です。しかしながら、予備校にもぜんぜん顔を出していないとか。 明:予備校に行っていないのに予備校生って、ヘンですよね☆(笑)。 真純:純真な顔で急所を刺してくる(笑)。 GM:「それと、これが問題のマンション、ブライトネス目白の図面です」(そう言って作ってきた図面を皆に見せる) 一同:ほうほう。 真純:これ、一つの階に一部屋、ってことでいいの? 日下:そのようですね。まったく贅沢なことです。 未空:ってことは、この階は事実上この引きこも……もとい、裕一君が独り占めってことだな。他の階にも誰も住んでいないのか? GM:住んでいません。だから依頼人に家賃収入が入らなくて困っているんです。 日下:穏健派の私としては、話し合いで彼に出てきてもらえるならそれに越したことはありませんね。彼が引きこもった理由についてはわからないのですか? 明:こんないい部屋から出て行けと言われれば、それは嫌がりそうですけど。 日下:新しく裕一君に割り振られる家というのが、欠陥住宅だったりとか。 真純:よっぽどへんぴな土地にあるとか。 GM:都内のごくごく普通の綺麗な一軒家ですね。 未空:二十歳前で家持ちかよ。それはそれで面白くないなあ(笑)。 真純:ねえ、正直なところ、まだ生きていると思う?(笑) 明:核心に斬り込んじゃった(笑)。 未空:そこなんだよなあ。マンションの電気メーターや通信記録はどうなの? GM:電気は使われているようです。ネットもプロバイダと契約しているようですが、通信内容にはさすがに踏み込みませんね。 未空:ネットゲー廃人になってるとかじゃないだろうなあ(笑)。 日下:宅配便……アマゾンとか郵便物の配達履歴はどうでしょう? GM:ここ最近、ないようですね。 未空:じゃあ『虎の○な』の配達履歴は?(笑) 真澄:私には理解できない単語ね。宅配便が途絶えたのは、引きこもりの時期と一致してる? GM:はい。そして二、三ヶ月後に四郎さんが迎えに寄こした人達と一悶着。そのすぐ後でエージェントを雇っています。 明:親戚の方と折り合いが悪い、ということでしょうか。 真純:そうそう、親族の人には連絡がとれるの? GM:「あ、今なら裕一君の後見人の三郎さんと連絡が取れますよ」 日下:それは、是非お願いします。 GM:ぴっぽっぱ……と。『あー。おたく等が裕一を引っ張り出す人達かね』 日下:(いきなり女声で)初めまして、わたくし、人材派遣会社CCCの日下と申します(笑)。 GM:「おや、こりゃえらい別嬪さんみたいな声だでや」 未空:なんでいきなり女声になるんだよっ! 日下:あ、私、潜入捜査の一環として、変装や声を変えるのは得意なんですよ。 未空:いやそれ理由になってないよ!(笑)そこで女声になる必要はないだろうっ! 明:おじさん急に声色をかえてどうしたの〜☆?(笑) 日下:いやあ私、趣味が女装ですから(笑)。 真純:でも『好色』なんでしょう? 日下:ええ。私の性的指向は至ってノーマルですよ。でも女性に声をかけつつも、心の中で『でも女装した私の方がキレイよね』と思うことで、心の中に深い満足感を得るのです。あ、脳内CVは緒○恵さんとかで変換どうぞ。 明:おじちゃん、キモイねっ☆(一同爆笑) 真純:一言で過不足無く表現したわね。 日下:ハハハハハ、明さんは手厳しいですねえ。 未空:……まあとにかく。電話の相手がぽかんとしてるみたいだぞ(笑)。 日下:そうでした。……おほん。裕一君は、どんなお子さんでいらっしゃったのですか? GM:『裕一かあ。実はワシもそんなに交流があったわけじゃないのよ。オヤジが死んで、一郎アニキが夫婦ともおらんでぇ、仕方なく後見人になったようなもんなんだ』 日下:裕一君のご両親……一郎夫妻はおられないのですか? GM:『ああ。まだ裕一がちっちゃいころ、二人揃って事故でなあ……。残された裕一をオヤジは可愛がったんだが。ありゃあ甘やかしすぎだで』 日下:失礼を承知で申し上げますが、三郎さんも裕一君にはあまりご執心ではないのですか? GM:『まー、情が薄いと言われてもしょうがないがね。今まで数えるほどしか会ったこともないので、情が沸きようもない、ちゅうのが正直なところだなや』 未空:となれば、遺産を分けてやる気にはなれない、かな? GM:『いんやあ。ワシはもう自分の土地とアパートの収入があるでぇ、週三日も働けば遊んで暮らしていけるのよ。これ以上の遺産は別に要らん』 一同:クッ……!リアルにムカつく……!(笑) GM:『むしろ裕一にはきちんと遺産を継いでもらって、それを元にもう独り立ちして欲しいと思っとるくらいだよ。いつまでもアニメとかゲームとか人形集めにうつつを抜かしてもらっても困る』(笑) 真純:……ああ。彼もソッチ系の人なのね。 未空:おいおい、冗談で言ったつもりが、ホントにネトゲ廃人かよ!? 日下:ふむ。部屋にも親族関係にもトラブルがないとすると、あながちその線も冗談では無さそうですよねぇ。     ------------------------------------------------------------------------------- ●5. 11:00- @Web上     真澄:じゃあ、私も報酬分の仕事はしよう。予備校のデータにダイブして、裕一君の履歴を洗ってみる。ノーパソ貸してー。 未空:おお、『ジャックイン』だ。 GM:うい。ちょっとゲーム的な解説しておきますと、『ジャックイン』とはこのゲームのベースとなっている『ガープス妖魔夜行』に記載されている能力で、自らの身体や精神を電波に変えて、『電話線を伝ってパソコンの中に入り込める』という能力。電波使いである真純さんはこの能力を使えるのですが。 真純:『妖魔夜行』が出た当時は、まだまだインターネットも広まってなかったのよね。 GM:ええ。そのため、当時のルールをそのまま適用すると、ネット全盛の現代では恐ろしく有利な能力になってしまう可能性があります。あと、パソコンのデータを奪うためのハッキング等の処理についてなんですが。 一同:ういうい。 GM:これをリアルに考えだすと、「今は実際に、こういうテクニックやフリーソフトがある」「いや最新の状況ではこんな手もある」といった、不毛な水掛け論になりキリがなくなることが予想されるので、『イメージ世界』を使うことにしました。 明:といいますと? GM:具体的には、真澄さんがノートPCからインターネットに『ジャックイン』する。 真純:はいな。電波を操って、びびびびっと魂を注入します。 未空:抜け殻になった顔に落書きをしてやろう(笑)。 GM:――ふと気がつくと、君は縦横無尽に行き交う高速道路の交差点の片隅に、ぽつんと放り出されている。……えーと、SFマンガとか、映画マトリックスのように、インターネットの世界を、バーチャルに五感で捕らえていると思ってください。 真澄:ああ、なんとなく了解。じゃあ、検索エンジンで、予備校のホームページに飛びます。 GM:あい。では、URLを見つけた君は、一瞬で電子の道路を駆け抜け、予備校サイトのトップページ……学生が自宅から授業を予約したりするためのページに辿り着く。君のイメージでは、目の前に市役所のような建物があるように感じ取れる。 未空:ええっと、『セカンドライフ』みたいなもんだと思えばいいのか? GM:ああ、確かにあれがイメージに一番近いですね。 真純:なるほど。それでは、文字通り、「中に入り」ます。 GM:建物の中はやっぱり市役所の受付といった雰囲気で、たくさんの人がここに来て調べ物をしたり、予約を取っている光景が見られる。 明:この一人一人が、この予備校のホームページに今現在アクセスしている人を表しているんですね。 GM:イエス。そして真純さんは、部屋の奥まったところに「事務室」と書かれた、鍵のかかった扉を見つける。 真澄:私の趣味は覗きなのよね。 日下:性格は『めんどうくさがり』なんですけどねぇ(笑)。 真澄:まずは、適当にそこらへんに置いてある本……サーバーに置かれているファイルを”立ち読み”してしまおう。 GM:この『部屋』は誰もが入ることが出来るオープンな窓口です。だからここにあるファイルは、今日の山田先生の授業は休講になったよ、とか、来月から新しい授業がスタートするよ、といった告知だけです。 真澄 なるほど。そんな誰でも見られる情報はつまらない〜、と早速鍵のかかった扉に向かう。 GM:鍵開けは技能判定で行ってくださいね。 日下:『ハッキング』技能じゃないの? GM:それでも構わないんですがね。そうするとパスワード破りもデータ検索もウィルス攻撃も、なんでも『ハッキング』で判定することになっちゃうので、あまり面白くないというのが正直なところです。なので、『ハッキング』技能よりずっと有利な修正の代わりに、生身の技能を使用するようにしてくださいな。 真澄:うーん、せっかく知識系の技能に特化したのになあ……って、よく考えたら私、『コンピューター』技能はもってるけど『ハッキング』は持ってないんだった(汗)。 明:(ルールブックを読み返す)……技能『コンピューター』って、ワードとエクセルが使えます、っていう技能らしいですよ(爆笑)。 日下:それ、普通に事務仕事の技能じゃないか(笑)。 真純:技能レベル14(常人から見たら超一流レベル)の事務仕事かあ。わざわざCCCで働かなくても、普通に企業でスーパー事務職が出来るなあ(笑)。『鍵開け』判定……(ころり)お、無事に開いた。 GM:では、君は鍵を開けて奥の部屋を覗き込む。この部屋は『事務室』のようだ。机には一心不乱に仕事をしている事務員さんがおり、そして仕事用の重要そうなファイルがずらっと壁際に並んでいる。 日下:事務員さん、というのは、予備校の職員が仕事でアクセスしてるのを表しているんでしょうね。 真純:それでは、『事務員さん』にバレないように、忍び足で資料に近づく(ころり)成功。 未空:これはつまり、サーバーの履歴に痕跡を残さないようにデータにアクセスできた、ってことか? GM:解説ありがとう。ずばりそういうことです。 真純:では、仕事上必要だから仕方がない仕方がないと言いつつ、さっそく受講生のデータを閲覧する。『探索』技能を使って、田伏裕一……たぶせの『た』は……(ころり)あったあった。コピーしよう。 日下:うぅん、真純さんがアクセスしている間はいささか暇ですねぇ(笑)。 未空:じゃあまたナンパの続きでもしてればいいだろ? 日下:失敬な。これでも仕事とプライベートの区別はつけているんですよ。 真純:(電子音声っぽく)カタカタカタカタカタカタ(笑)。 未空:ああっ、パソコンにいきなり裕一君の個人情報が現れたっ!(笑) 日下:ほげっと魂が抜けてる人がパソコンの前に座っていると、いきなりデータが現れてくるわけですか。傍から見てると結構恐怖ですねぇ。 明:とにかく、これで全員でチェックできますね。      一同はさっそく、予備校に保管されていた裕一のデータを調べる。  裕一は予備校入学当初はそれなりの学力を保っていたものの、二浪目の今年に入ってしばらくしてから、急速に成績が悪化してきているらしい。もちろん、引きこもりになってからは学校にも全く行っていない。予備校としても別に復学を促す義理もないので、現在は『学費が払ってあるから退学にはされていないだけ』という状況のようだ。     未空:成績が低下しだしたのは、おじいさんが亡くなってからなのかな? GM:いいえ、それより少し前のようです。 日下:となると……おじいさんが病気で長いこと入院していたとかですかね? 明:依頼書をみると、元気だったのが急に亡くなったって書いてありますね。 真純:唯一の理解者だったおじいさんが亡くなったショックで……というストーリーでもなさそうね。 一同:ふむー。 未空:予備校に来てた頃はどんな人だったんだろうか。明るいヤツとか、静かなヤツとか……。 GM:これは小中学校ではなく予備校のデータですので、生活態度についての情報は別に記載されてません(笑)。ただまあ、一度だけ教師にこっぴどく注意された事があるようです。 明:注意、ですか? GM:ええ。『○月×日、休み時間から授業時間になっても友人とおしゃべりをやめず。あまりに騒がしいので注意し、二人とも退室させた。以後、同様の事態が発生する可能性あり。受け持ちの先生は注意してください』なんて情報が書き込まれてるね。 真純:あーあ、ブラックリストに載っちゃったのね(苦笑)。 日下:はしゃぎすぎてつまみ出された人が、その後で引きこもりですか。どうにもしっくりきませんねぇ。 明:ちょっと待ってください。退室させられたのは二人だそうですよ。 真純:そっか。おしゃべりしてたんなら相方がいるのは当然ね。同じ日に同じような注意をされた学生がいないかデータを調べてみる。(ころり)あ、結構いい目。 GM:その目なら余裕でわかります。同じく予備校生、佐々木公平君。19歳です。彼と裕一君が騒いでいて、つまみ出されたようです。 未空:その佐々木君の成績やひととなりは? GM:去年、本命の大学に落ちた後、一浪して再受験を目指しています。成績から察するに、なかなか頑張っているようです。 真純:(データを見る)この予備校、池袋にあるのね。 日下:池袋ですか。今我々が新宿にいるのですから、どっちにしても『ブライトネス目白』はすぐ近くですね。 明:それでは池袋で予備校で佐々木さんに話を聞いてから、目白のマンションに乗り込みましょう。 未空:賛成。 真純:やっぱり明ちゃんがリーダーなのね、このチーム(笑)。     ------------------------------------------------------------------------------- ●6. 12:00- @池袋東口付近      新宿から電車で池袋にやってきた一同。  真純が佐々木君の受講スケジュールをハッキングし、土曜でも授業に出ていることを確認。彼の授業が終わると思しき時間を見計らって予備校の前でさりげなく待ち伏せする。     GM:予備校と言っても、あるのは池袋のど真ん中。オフィスビルをまるまる借り切って校舎にしており、看板無しでは学校とはわからない。大通りに面しているので、様々な人が学校に出入りしたり、素通りしたりしているよ。 真純:特に予定のないフリーターっぽく(笑)、ガードレールにもたれかかりながら時間を潰す。もちろん、履歴書に添付されていた顔写真は抑えてある。 明:セザールを散歩させながら近くの道路をうろうろしてます。 未空:んな面倒くさいことしなくても、真純に任せれば一発だろ? 真純:……どういう意味? 未空:こう、電波でさ。目標が近づくと髪の毛がピキーンと。 日下:「父さんっ!妖怪の気配が」(笑) 真純:そりゃ『能力を使うときは電波で髪が逆立つ』って設定つきだけどさ!というか、あんたらはどうしてんのよ。 未空:じゃあ俺は黒服に身を包んでサングラスをかけて張り込んでいよう。 明:正気で言ってるんですか?(笑) 日下:非常識ですねぇ。私はごく普通に、仕事の出来るOL風の格好をします(爆笑)。 未空:いやいやいや!なんで必要もないのにわざわざ女装するのさ!(笑) 日下:黒服グラサンをわざわざ身につけてる人に言われたくはないですねぇ! 真純:あー……。私は面倒臭いので彼らの言い争いを傍観してます。 GM:じゃあ、君達がそんなことを言っていると、いささか勉強に疲れた表情で、校舎から佐々木君が出てくる……んだが。黒服とグラサンの男とOLが言い争いをしている光景を見て、すすすす……と迂回しようとする(笑)。 日下:待った待った待ってください!そこのグラサン、怪しまれてるから引っ込みなさい! 未空:怪しまれてるのはそっちだろう、女装OL! 日下:私はちゃんとポイントを消費して容貌『美形』にしてあるから大丈夫なんですよ! 明:それ、ぜんぜん理由になってません(爆笑)。 日下:……と、とにかく!ここは私に任せてもらいましょう。佐々木君に近づいて、ダミーの名刺を渡します。えー、(女声)はじめまして、ワタクシ、こういう者ですが……。 真純:こういう者って、どういう者よ(笑)。 未空:新宿二丁目っぽい名刺だったりしてな(笑)。 日下:違います!それっぽい横文字の名前の調査会社の調査員を名乗りますよ。 GM:「は、はあ……。調査会社の人が、俺に何か用っすか?」 日下:実は、田伏祐一君の事でお話をさせていただけないかと思いまして。ご存知でしょう?田伏君。最近予備校に来なくなった彼。 GM:「タブセ……?……、……いや。誰のことですか?」 未空:ありゃあ? 真純:どうも友達じゃあなさそうね(苦笑)。 日下:……とりあえず、そこの喫茶店でお話ししませんか。もちろんコーヒー代はこちら持ちで(女装スマイル)。 GM:「は、はぁ……」      一応、美人女性(に見える)日下のスマイルの力で、佐々木君をなんとか喫茶店に連れ込むことに成功する。誰が佐々木君に話を聞くかで色々とすったもんだした挙げ句、結局日下が対面で話を聞き、他のメンバーは離れた席で聞き耳を立てることになった。     GM:「あ、でもすみませんが動物の入店はご遠慮下さい……」(笑) 明:(しれっと)これは盲導犬ですよ☆(笑)。 真純:(キャラクターシートを見る)セザールさんの本性は犬神だから、『霊体』になることも出来るのよね。必要になれば姿を消せるの? 明:『霊体』になっても透明になるわけじゃなく、普通に他の人にも見えちゃうんですよね。 GM:(第1回目だし、まあいいか)ここの喫茶店は個人経営なので、女の子一人だけ仲間はずれにするのもあれだし、セザールもよく躾されてるようだし、他にお客さんもいないし、ということで目をつぶってくれる。 明:ありがとうございます。 日下:さて、なんでも好きなものを頼んでくださいね。 GM:「あのぅ……絵を売りつける人じゃないですよね?あとウチ、無宗教なんで」(爆笑) 未空:めちゃめちゃ警戒されているなあ。 日下:うふふ、そういうのではありませんよ。田伏君をご心配されている遠縁のご家族から頼まれて、彼が今何をしているのかを確認しているんです。 GM:「はあ。タブセ。タブセねぇ?」 日下:こちらの彼ですよ、と履歴書からコピーした顔写真を見せる。 GM:「ん……。あ、ああ!そう言えばいたいたこんなヤツ!」 真純:知らないフリじゃなくて、ホントに良く知らないみたい? GM:「そういや確かに最近見ないけど。予備校って、気がつくと来なくなってるヤツ多いからなあー。って、なんでこいつの事を俺に聞くんすか?俺、こいつとほとんど話をしたこともないっすよ」 日下:他にも何人かの方にお話しを聞いてたら、前に貴方と話をされてたって聞いたから。何でもゲームの話で、授業中なのにずいぶんもりあがってたとか。 GM:「あ!」彼は気づいた表情になる。「あーノルフェアの時の話か。あれはマジで迷惑でしたよー」 明:ノルフェア、ってなんですか? GM:「あー、正確には『Norfair』。今流行ってるネットゲーっすよ」(笑) 未空:おいおい、本当にネトゲ廃人だったのか!? GM:「前に結構ハマッてて。ちょっと予備校でその話をしてたら、それまでロクに話したこともないのにいきなり『君もノルフェアをやってるのかい?実はボクはこういうキャラで……』とか後ろから話しかけてきたんす。しょうがないから俺が相手をしてたら、授業はじまっても止まらなくて、追い出されたんです。こっちはいい迷惑ですよ」 真純:……えーと。つまり。 日下:田伏裕一君の性格を一言で表すと。 明:空気読めない人、ということみたいですね(汗)。 未空:うーん、オタク趣味で空気が読めない、おまけに家持ちで金があって、学校には行かなくてもいい。その気になれば一人でずっと生きてゆけるとなれば……。 真純:ネットゲームに転がり込んでいくのは無理もない、というところかしら。 日下:(女声)君もまだやっているのかしら? 明:もうクリアしちゃったとか(笑)。 GM:「いや。実は彼女と会えないから一緒に夜にやっただけで。もうやってないですよ」 一同:このリア充めッ! GM:そういうことを口にしないの(笑)。「どっちにしてもこの時期にまだネットゲーやってるようじゃあ、到底受験には通りませんからね」 未空:ネットゲーかあ。俺も聞いたことはあるかも知れないな。(ころり)あ、クリティカル成功だ(爆笑)。 GM:うわー、じゃあ君はノルフェアをやったことがあることにしよう。良くできた、典型的なファンタジーMMORPGだよ。逆に言えば、必要以上に残酷だとか、参加料が高すぎるとか、そう言ったこともないようだ。      さらに話を聞いていくと、どうやら裕一は相当そのゲームにはまりこんでいたようで、よっぽど長時間プレイしなければ使えないような魔法、手に入らないようなアイテムを幾つも持っていたそうだ。PC達は、裕一がゲーム内でどんな名前のキャラを使っていたかを調べようとするが、もともと裕一にほとんど興味がなかった佐々木君は、もう忘れてしまっていた。     日下:……いずれにしても、彼の持っている情報はこれだけみたいですね。では、優雅な手つきで伝票をつまみ上げて(笑)今日はありがとう。彼女とも仲良くね、と言って席を立ちましょう。 GM:「ありがとうございます。……実はその。彼女は高校時代の同級生なんですが。俺は浪人して、彼女は大学に受かって……最近あっちがサークルで忙しくて、夜遅くまでなかなか帰ってこないんですよね……ははは」(爆笑) 未空:(凄くイイ笑顔で)ああ、それはもう遅いな。 GM:「うわああああ!やめてくださいって!」 日下:そこの隣のテーブル!勝手に話に入ってこないでくださいっ!(笑) 明:未空さん、そんなキャラだったんですね。 未空:すまん(苦笑)、俺チャンスがあるとボケる、というクセを設定してあるんだ。 日下:……私、『ボケには必ずつっこむ』というクセを設定してるんですよねえ(爆笑)。 真純:……いいコンビだよ、あんたら。     ------------------------------------------------------------------------------- ●7. 13:30- @目白駅より徒歩五分 住宅街      池袋で軽く食事を済ませた一同、(日下:いやー、正社員は昼食代は経費で落ちるからありがたいですねぇ。GM:そんな事を言った覚えはないよ)そのまま徒歩で目白に向かう。   日下:意外と歩くと距離がありますねぇ。 未空:やっぱり車出せば良かったかな。 日下:実は私、運転免許持っていないんですよ(苦笑)。 真澄:私もスクーターオンリー。 明:えーと、私は……(笑)。 未空:言うまでもないな(笑)。この中で運転できるのは俺だけなのか。あれ、ちょっと待て。景はさっきどこで変装したんだ? 日下:そりゃあトイレですよ(爆笑)。 未空:どっちのトイレなんだろうなあ(笑)。 GM:ああ、そうそう。未空君は、強力な武器をたくさん持ち歩いている分、どういう形で収納しているかを明確にしてください。戦闘シーンの時だけ都合良く手の中に現れるというのはNGね。 未空:あいよ。まずはメインウェポンの日本刀。これを仕舞い込んでいます(笑)。 真純:アンタ日本刀をぶらさげてんのかっ!?(笑) 未空:いやいや(苦笑)、俺は『モノを情報化して消せる』って能力を持ってるんだ。パソコンのファイルの削除とか復元みたいな感じ。これで、日本刀をデータに変換して一時的に消して持ち運び、必要に応じて復元出来るってわけ。 GM:従姉さんの、『自分の記憶を元に物質を変形させる』という能力とは対照的ですな。 未空:あっちは量子力学みたいなイメージなんだそうだ。あと、それとは別に、CCCから支給された『分解木刀』を持ち歩いています。これは三つに分割されたパーツをねじ込んで接続すると、能力者相手にも使える程に硬くて頑丈な木刀になるというもの。……って、これは通学用のショルダーバッグには入らないかなあ。 GM:反りがあるんで意外とかさばります。分解した三本をまとめて、1.5リットルのペットボトル二本分くらいかな。大型バックパックとか、ゴルフバックとかに入れた方が自然かも知れない。 明:って、この目白の近くって……SPとか皇宮警察の方々が居そうなんですが(笑)。 未空:うわ、そりゃまずいわ。そんなもの担いでたら職質される(笑)。じゃあ、今は分解木刀は駅のロッカーにでも預けて、普通にショルダーバックに通信カードを挿したノートPCを入れておこう。今回はこっちの方が役に立ちそうだ。 真純:これでどこにいても『ジャックイン』出来て助かるわー。 未空:ついでに、裕一が使っていそうなキャラがいないか。ネットで有名な廃人プレーヤーを探ってみるけど……。 GM:おっと、『有本理流』って名前がヒットしたよ(爆笑)。 未空:理流ねぇ……(泣)。 明:本名プレイとは剛毅ですね(笑)。 未空:どうする?裕一のキャラを探し出して、女キャラで「私女性プレーヤーですっ」とか名乗って釣ってみるか。 日下:(ため息)判ってませんねえ。そんな事はわざわざ名乗らなくていいんですよ。「やっぱりネカマなのかなぁ」と思わせておくくらいの方が、本当に女性プレーヤーだと判ったときの意外性が大きいものなのです。 真純:……いや、だから。誰もそんな情報必要としてないし。 明:ネット上から裕一さんの痕跡を辿るのは難しそうですし、ここまで来た以上、ブライトネス目白の周辺を探った方が収穫がありそうじゃないですか? 真純&日下&未空:ああ、それに賛成〜(一同笑)。 GM:(小学生に仕切られるパーティーというのも珍しい……) 日下:そういえばすっかり失念していましたが、任務概要には、『ブルーリボン』の人間が敵に雇われた、という情報がありましたよね。 未空:そういやそうだったな。こっちも事前に調べておくべきだった。 真純:さすがに他の派遣会社のサーバーに『ジャックイン』する度胸はないわ(笑)。 日下:達人級のハッカーとかが普通に管理人やってそうですしねえ。普通に『企業知識』で判定してみましょう(ころり)-1成功。 未空:じゃあ俺も……あっ、俺『企業知識』持ってねえや(爆笑)。 真純:なんて素人ッ。私も-1成功。 未空:戦闘系に向けて能力振ってたら、肝心なところに振るの忘れてたんだ(苦笑)、きっとずっと理流ねぇ任せだったに違いない。 明:私も成功です。 GM:ええと、まず『ブルーリボン警備保障』というのは、武術の達人を中心に、戦闘力に特化した能力者を集めて派遣する会社です。地道な調査やオカルト絡みには強くないですが、こと殴り合いとなればダントツに強いです。あと、どうも近距離型の能力者と、遠距離型の能力者がペアで動くことが多いらしく、四郎さんの使いの者を追い返したうちの一人は、投擲武器の使い手だったそうですよ。 明:室内で投擲武器ですか?ずいぶんと無茶な人ですね。 未空:さしずめ暗器使いってとこかな。 日下:純粋な戦闘系ですか。調査系にも能力を振っている我々には、厄介な相手のようですねぇ。 真純:私はもう一人の、電子戦のプロについて調べてみたい。場合によってはジャックインも使用するけど。 GM:了解。……じゃあ、具体的にどんな風に調べる? 真純:え。……えー、『ハッキングのプロ』でググる(爆笑)。 日下:『スーパーハカー』でググるとか(笑)。 未空:ああ、ひょっとしたらこの電子戦のプロに、ネットゲーのレベル上げをさせてるんじゃねえの? 明:人にやらせてるんですか(笑)。 真純:チートでレアアイテムを増やしているとか。 日下:果たしてそれ、ネットゲームを楽しんでるって言えるんでしょうかねぇ(笑)。  そして、目白の国道から一本奥に入ったところに『ブライトネス目白』はあった。  住宅と雑居ビルとオフィスビルが混じり合った一角に、比較的真新しい六階建てのマンションが建っている。 日下:では、私は斥候キャラたるところを発揮しましょう。向かいの雑居ビルに入り込み、階段を登って五階へ。そこからブライトネス目白の五階の様子を確かめますよ。 GM:はいさ。君が見る限り、五階の窓にはすべて分厚いカーテンが引かれ、中の様子をうかがうことは出来なかった。 日下:予想通りではありますが。さてどうしたものですかねえ。 明:実は、セザールが『指向性聴覚』と『超音波聴覚』を持っています。 一同:わあーお(笑)。 明:日下さんが今いる雑居ビルの五階まで私達も移動。セザールが聞き耳を立てます。指向性聴覚レベルは5なので、この距離なら……(ころり)はい、成功です。 GM:……壁の向こうから、『ずーん。ちゅどーん。きゅいーん』てな類の効果音が聞こえる(笑)。 一同:やっぱりか〜!(爆笑) 未空:こりゃあ、あんまり深読みせずに突撃かけて引っ張り出すのが最良なのかもな。 GM:……と呟く未空君、君は今どこにいるんだい? 未空:そりゃもちろん、みんなと一緒に雑居ビルに登ってるよ。 日下:って、それ、私が斥候に出た意味がまったくないんですけどっ!?(爆笑) 未空:あ、そういえば黒服とサングラスはさすがに着替えたから。 日下:当たり前ですよっ!まあ私は女装したままなんですが。 真純:……いや、その話の流れはおかしいよ(爆笑)。 明:こんなに騒いでて大丈夫なんでしょうか。 GM:まさしくその通りだ。君らがわいのわいのとはしゃいでいると、「あーあー君達、ちょっといいかね?」と、雑居ビルの下から、パトロール中のお巡りさんが声をかけてくるよ。「近所の人からビルの踊り場で騒いでいる人がいるって通報があったんだけどさ」 真純:あちゃー。やっちゃったわね。 日下:わ……私、単独で斥候したつもりだったんですがっ……。 GM:そりゃあ、「なんか沢山集まって騒いで、犬も連れてるみたいだし(一同苦笑)。君ら、ここで何やってるの?」 未空:ば……バードウォッチングを(苦笑)。 GM:(露骨に不審なまなざし)……じゃあ、方向を転じて。「ああかわいいワンちゃんだねぇ。お散歩の途中かな?」 明:……お散歩中なの〜☆(一同笑) GM:「お散歩の途中なんだ。じゃあ、この人達は誰かな?家族?」 明:…………ぜんぜん知らない人なの〜☆(一同爆笑) 未空:どうも、お兄さんです。 真純:お母さんです。 日下:……お母さんです(笑)。 GM:(笑)「どっちがお母さんなの?」 明:……お母さんが二人いるの〜☆(一同爆笑) 真純:これで疑うなってぇのは無理ってものよね(汗)。 明:って、私よく考えたら『正直』なので嘘はつけないんでした。 未空:嘘だッ!(笑) 明:お仕事なの〜☆と言っておきますよ。 GM:「ははあ。君みたいな小さな女の子がお仕事ねえ……どんなお仕事?」この質問をかわしたかったら、なんか上手い言い訳を思いついた上で『言いくるめ』技能判定に成功してくださいな。(ころり)こちらの不信感は-4とかなり厳しいので、これを上回ってね。 日下:あー、ええと。名刺を出して、調査会社の社員であるということをアピールしましょう。調査内容は……。 明:よその不動産業者に頼まれてブライトネス目白をリサーチしてるとかでどうでしょう。 日下:ああ、ではそのストーリーで行きましょう。明さんは土曜日なんでついてきた家族、とでもして……(ころり)うわ、-2で2足りない! GM:(微妙にイヤそうに)……あー。容貌が『美人』なら修正入れていいよ。 日下:おお、それなら成功です。(女声で)わかっていただけましたか? GM:このお巡りさんは性格が『木訥』なので、「怪しさは充分だけど、美人が嘘をつくとは思えない」といったところだ。「ま、まあここらへんは最近色々と面倒なんで。怪しまれる行動はしないでくださいよ」と釘を刺していく。 未空:色々と面倒? GM:「向かいのビルが、夜中でも窓の明かりはつけっぱなし。オマケに夜になると、特にあれは……ゲームの音?なのかね。やたらと響くんだよ。近隣住民もかなりカリカリ来てて、だからすぐ通報があったんだ」 未空:どうりですぐ警官が来たわけだ。     ------------------------------------------------------------------------------- ●8. 14:00- @目白駅より徒歩五分 住宅街      結局、二、三の細かい質問をされたものの、警官はそれ以上PC達を咎めようとせず去っていった。現在の状況を整理するPC達。情報を集めれば集めるほど、答えは一つしかないという気がしてくる。     真純:もう結論づけちゃってもいいかと思うんだけどさ。 明:はい。 真純:これって本当にシンプルに「ネットゲー廃人になった男が部屋から一歩も出てこない」ってだけなんでしょ。 明:そう考えていいと思います。 日下:どうやら、あまり変に勘ぐっても意味はなさそうですよね。 未空:で、電話にも出ないしネットでは捕まえられない、と。こうなったら取るべき手段は実力行使しかない気がするぜ。 明:こういう手もありますよ。美人のおねーさん二人と私がマンションの玄関に立ってですね、「戦わなきゃ現実とっ!」って叫ぶ(一同爆笑)。 真純:それ、むしろ致命傷になりそうね〜(笑)。 日下:とにかく、正面から一度声をかけましょう。やがて実力行使になるとしても、スジだけは通しておくべきですし。 未空:大人の対応だな。 日下:がんばりましたけど出来ませんでした、ってスジを作っておくのは後々重要ですよねえ(笑) 未空:大人の対応だな〜。 日下:では、今度こそみんなには後ろに控えてもらって(笑)。私が先行してマンションのエントランスに向かいます。 GM:うむ。エントランスにまでは入れる。そこから先は、高級マンションらしく、部屋の住人に連絡してロックを解除してもらわないと無理だね。 日下:エントランスに呼び出しボタンがあるだろうから、裕一さんのいる五階を呼び出します。ピンポーン。 GM:……しばらく待ってみても、なんの反応もない。 未空:連打してみるとか? 日下:中学生じゃないんですから(苦笑)。では、監視カメラとかありますよね? GM:はい、探せばすぐ見つかります。 日下:ではそこに向けて、我々の依頼人にこのマンションの正当な所有権があり、それに基づき田伏裕一さんを退去させることを通告します。 未空:おおー。でもこの手の監視カメラって音声は拾わないんじゃないのか? GM:まあ、カメラに向かって中指でも立ててくれれば意味はバッチリ通りますよ。 日下:そんなことはしませんよ!(笑)とにかく、言うことは言ったということで。 真純:んじゃあ、マンション攻略を始めましょうか。      マンションの警備システムに護られて引きこもっている裕一、そして恐らくは中に潜んで居るであろう護衛のエージェント。  いかにこの防御を破るか、あるいは騙すか。PC達が作戦会議に入ってしまったので、GMはヒマだったりする。     未空:正面玄関以外に、裏口はないのか? 真純:地図を見ると、外階段から直接上に登るのと、管理人室から出入りする扉があるみたいね。 日下:正面玄関は電子ロックですが、管理人室は普通の鍵のようですし。私の『鍵開け』が使えますね。 未空:電子ロックは開けられないのか? 日下:私、アナログ忍者ですから!(笑) 明:どうせなら、停電させてから突入するというのはどうでしょう。 未空:大胆だなあ。でも暗闇で室内戦闘じゃあかなりやりにくくないか? 日下:私は『暗視』持っているので大丈夫ですね。 明:私も『暗視』持っているので大丈夫ですね。 真純:私は『電波視覚』があるのでなんとかなるかな(爆笑)。 未空:俺だけかよ!いやまあ俺も『鋭敏視覚』で少し補正があるんだけどさ。 日下:そうそう、管理人室にある『サーバー』というのはなんでしょう? GM:このマンションのセキュリティを統括するサーバーです。ついでに言うと、停電に備えて予備電源もついてるよ(にやり)。 未空:となると停電作戦も通じないかな? 明:でも、逆にここさえ抑えれば警備システムは掌握できると考えてよさそうですね。 日下:停電にしてしまえば、裕一君のやってるゲームも停止するはずですよね。 真純:でも管理人室の前、監視カメラがあるのよねぇ。 GM:えー、リーダーの人、そろそろ決をとってください(笑)。 明:私小学生ですから。 日下:私は皆の合意を承認するのが仕事ですから。 真純:仕事しなさい正社員。 日下:そもそも隠密はリーダーに向かないんですよ! 真純&未空&明:え〜責任とって下さいよ社員〜(笑)。      その後も紆余曲折した挙げ句、結局全員で管理人室の扉に接近し、鍵を開けて忍び込むことに決定した。     日下:じゃあ、『鍵開け』を行います(ころり)ああ低い、-2。 GM:…………あー。その目は失敗です。がちゃがちゃと鍵をいじりましたが、開きませんでした(一同爆笑)。 未空:おーい!隠密ー! 真純:今までの議論はなんだったのよ!(苦笑)。 明:……あ、セザールが霊体になって扉をすり抜ければいいんだ(爆笑)。 未空:そ、それはそれで問題解決ではあるけど! 真純:(日下の肩をたたいて)兄ちゃん、明日があるさ、明日が。 日下:手鏡に向かって「君はダメじゃない君はダメじゃない君はダメじゃない……」(笑)。 GM:ふむ。ではセザールが霊体になって管理人室に入る。するとそこには、図面通りの管理人室が広がっているのですが……そこに二人、いかにも運動神経の良さそうな、制服に身を包んだ若い男の兄ちゃんがいるよ。霊体のセザールを見て、びっくらこいてる。 一同:…………。 日下:なんで我々は、ここに人がいないと思ってたんでしょうかねえ(一同爆笑)。 GM:彼らは「なんだこいつは……!」と言いながら臨戦態勢を取るよ。 明:犬です〜☆。 未空:犬なんです〜(笑)。 真純:なんかもー、色々台無しー(笑)。 GM:(まったくだ)       ネタばらしをすると、裕一が雇った三人のエージェントのうち二人は、日下の宣戦布告を受けて、階段、表玄関どちらにでもかけつけられるよう、監視カメラの映像が見られるこの一階の管理人室に詰めていたのだった。  ちなみにプレイヤーの潜入にそなえて、監視カメラや入り口や窓の鍵、はては真純の『ジャックイン』に備えてネット上のセキュリティまで設定していたGM、実はかなりの涙目である。     GM:向こうも君達の能力を知りません。鍵開けの失敗に気づき、さて敵は扉を蹴破ってくるか――と待ちかまえていたら、突如犬の幽霊が扉をすり抜けてきたんだから、そりゃびっくりしますわねぇ(笑)。「敵の能力かっ!?」 明:あ、じゃあ引っ込みます(爆笑)。 真純:……もし第三者が見てたらコント以外の何モノでもないわね(苦笑)。 未空:待て待て。三人のうち二人が今ここに居るんだろ。……もう外階段を使って一気に五階まで走っちまっていいんじゃないか? 明:二人とも運動神経が良さそう、ということは、五階に電子戦担当が詰めてるってことでしょうか。 真純:むしろ扉を蹴破ってしまった方がいいんじゃない? 日下:(ヤケっぱちに)御用改めだあああ!(どがっ) 明:分厚い扉を蹴破るなら、能力で攻撃しないとまず無理ですよ。 日下:あいたたたたた(笑)。 GM:……君らがそんな風にもめてる間に、多少時間は経過する。彼らは出てくる様子がない。 日下:なんかもう考えていたことが全部崩れてしまいました。しょんぼりです。 GM:ていうかさあ!TRPGでドア開けるんなら『鍵開け』する前に『聞き耳』『罠発見』はしようぜ!それに備えて色々準備してたのに!(笑) 日下:ああ……久しぶりだったもので(汗)。 真純:現代モノだとつい忘れちゃうのよねえ。 明:セザールを五階まで偵察に飛ばして、下から潜って出現させます。 GM:五階のどこらへんに出現するかね? 明:では、玄関から見て一番奥の部屋に。 GM:了解。……では奥の部屋には、一心不乱にPCに向かっている裕一君と思しき男性、そして管理人室に居た二人と、もう一人別の人間がいる。 真純:ビンゴね。もう一人ってのが電子戦担当か。 未空:俺達がもめてる間にエレベーターで戻られちまったか。 GM:「出たぞ!犬だ!」と言いながら一人が攻撃しようとする。 明:それに合わせて撤退します。 日下:敵は準備を整えているんですね。一刻も早く突入しないと。もう一回管理人室の鍵開けにチャレンジしてよろしいですか? 明:あ、セザールが裏から開けましょう(一同爆笑)。 日下:わ、私の存在意義は……!? 明:そのうちきっと、いいことありますよ☆ 未空:ひっでえ(笑)。     ------------------------------------------------------------------------------- ●9. 14:30- @ブライトネス目白     真純:管理人室に入る。 GM:はい。当然のように誰もいません。それから、サーバーはすでに電源を落とされています。あと、マスターキーの類も持ち去られている。 未空:まあ、壁抜け出来るヤツがいるなら、セキュリティもクソもないもんなあ(笑)。 明:五階に籠城されたと見るべきでしょうね。 未空:ここまでされちまったら一秒待機も一分待機も関係ないだろ。GM、俺は時間をかけて自分の能力を全開。データ化して収納してあった日本刀を再構成。それから、自分自身にかかる物理法則を”消して”、運動能力と反射神経を上昇させる。これで文字通り「物理的にあり得ない力」で戦えるようになりました。 日下:私も秘伝の丸薬を飲んで、能力が使えるようにしておきます。 GM:了解。みんなもそれなりの準備をしたとしましょう。んで、これからどうするね? 未空:――この手で行こうと思うんだが。まず、エレベーターのボタンだけ押しておく。ランプの表示は向こうにもわかるわけで、敵の注意を引きつけておきつつ、外階段を駆け上がって攻め入る。 真純:悪くないプランね。 明:じゃあ、ボタンを押す役割はセザールが4階で担当します。その方がタイミングを調整できるでしょう。 日下:それでは、外階段を駆け上がりましょうか。      外階段をかけあがる一行。ところが――     GM:(ころころり)……唐突ですが明ちゃんと真純さん、回避判定をしてください。 明:はい?(ころり)と、とりあえず回避しました。 真純:(ころり)ああ、私は失敗。 GM:それでは真純さん、君は唐突に腹に(ころり)15点ほどダメージをもらってください。 真純:ぺぐぅ!?防御を引いて、残り38点。ってえか、何されたのよ私。 GM:何か小さなモノに、空中からものすごいスピードで衝突されたようだよ。 日下:それを見ることは出来ますか? GM:今はちょうど空中に停止したところなので観ることが出来る。メカメカしい銀色の鋼球で、小さなカメラのようなものが取り付けられており、それが君達を見つめている。数は真純さんと明ちゃんを襲った分、つまり2個だ。 真純:それは、電波で操作されてる? GM:ええ、電波で操作されているのが君にははっきり見て取れる。 真純:ならば、私の敵ということね。壊してしまいましょう(笑)。 未空:じゃあ、戦闘だー!     ●第1ラウンド      謎の鋼球2個(その実は、電子戦担当の敵エージェントが制作した小型迎撃マシン)との戦闘に入る一行。しかしさすがに敵は小さい分素早く、先制攻撃をされてしまう。   GM:ランダムに……鋼球Aが明ちゃんに。鋼球Bが日下君に体当たりだ。それぞれ避けてね。 明:(ころり)やった、かわしました。 日下:(ころり)私もかわしましたよ。では反撃です。手裏剣をかまえて、Aに狙いをつけます。確実に命中させたいので、このターンは狙うだけ。 未空:じゃあ俺は日本刀で攻撃……って、こんな狭い外階段で刀を振り回すのはまずいな。 GM:3以上の誤差で攻撃に失敗したら、周囲の人に当たってしまったことにしましょう(笑)。 真純:ちょっと、近寄らないでよ(笑)。 未空:うわ、扱いがひでぇ。じゃあ、ダメージは減るけど、『斬り』じゃなくて『突き』で攻撃すればいいだろ? GM:認めましょう。 未空:じゃあ、俺の位置から手が届くAに攻撃! GM:こいつは異様に小さいので、-6のペナルティを負ってください。 未空:それは能力者といえどもかなり厳しい……(ころり)ああ、スカッた。 真純:じゃあ私ね。周囲の電波を収束。髪をばちばちばちっと逆立て……Bに『雷撃』! GM:(ころり)ううっ、雷撃は回避しづらいんだな。命中。 真純:17点のダメージ。 GM:(こいつら機械なんで雷撃のダメージは倍になるんだよなあ)……その一撃でBは壊れ……地上に向けて落下していきました。 明:私は残ったAに『困惑』を使います。柏手と犬の鳴き真似で、相手をびっくりさせるという能力です。 GM:残念、こいつは完全に機械なので、精神操作系の能力は効かない。 明:やっぱりですか……。     ●第2ラウンド     GM:日下に残ったAが攻撃……するんだがスカした。 日下:狙いをつけていたので命中判定が向上しています。これで……(ころり)ああ?ぜんぜんダメです。 真純:手裏剣があらぬ方向にとんでいった。 日下:「君はダメじゃない君はダメじゃない君はダメじゃない」(笑)。 未空:もう一回突き!(ころり)……ああ、またダメ。 真純:引き続き雷撃!ダーリンのバカー!(ころり)命中、13点。 GM:……こうかはばつぐんだ!(笑)それでAも倒れましたよ。 未空:おおー。 明:結局真純さんが一人で片付けてしまいましたね。 GM:(シナリオ作ったときは雷使いが参戦するとは思ってなかったからなー) 真純:昼間のマンションで放電現象かぁ(苦笑)。 未空:大丈夫だ、さんざん「どかーん」とか「ばりばりっ」とか音が鳴ってるマンションなんだろ?今さら「ばちばちっ」が加わっても大したことはないさ(笑)。 日下:障害は排除しましたし。五階に昇りましょう。     ------------------------------------------------------------------------------- ●10. 14:40- @ブライトネス目白      五階、裕一の部屋の前に辿り着いた一行。日下が再び扉の鍵開けにチャレンジし、今度こそ成功する。     日下:隠密よりも速さ優先。がちゃがちゃがちゃ、っと開けました。 GM:扉が開いたところ、玄関には誰もいないようだ。奥には大広間に続いている。 未空:じゃあ、俺が先頭、景と明ちゃんが二列、しんがりが真純で大広間に突入だ! 明:結局エレベーターの奇襲ももう通じないでしょうし。セザールはいつでも部屋に突入できるよう近くに待機させておきます。 GM:では、君達が突入すると、まずは大広間の真ん中に若い兄ちゃんが一人、佇んでいる。「君達が侵入者、ですね」 真純:一人? GM:ええ。そして彼は両手に、何か細長いものを持っている。「契約により、我々はあなた方をここで排除します」 日下:いやな予感が。 GM:そして、部屋の奥、裕一君がいるとおぼしき部屋への扉の前には一人のノートパソコンを抱えた子供がいるよ。 未空:うーん、子供のスーパーハッカーとはまた、お約束な。 GM:彼の周囲には、先ほど君達が相手をしたのと同じ鋼球が一個、ただよっている。 明:あの鋼球は彼の作品と言うことですね。 GM:そして最後に……不意に大広間の死角から、ひゅるひゅるひゅるっとカーブを描いて、何かが未空に襲いかかってくる! 未空:なんだと!? GM:変則的な軌道で襲いかかってくるので、回避-2だ。 未空:いきなりの攻撃かよ。(ころり)あぶねえ!日本刀で弾いた。 GM:では、君に弾き落とされたのは、ブーメランのような形状をした、小型の飛び道具のようだ。 真純:三人目、例の暗器使いね。どこかに潜んでいるのかしら。 GM:じゃあ、全員が部屋に飛び込んだところでまたも戦闘ターンと参りましょう!     ●第1ラウンド     日下:一番早いのは私ですか。では、部屋の中に進みつつ『待機』。暗器がとんでくる方向を見極めることに徹します。 真純:おお、忍者対暗器使い。 未空:じゃあ、俺は真ん中に佇んでいる兄ちゃんに斬りかかる! GM:(いいのかおい)では、その兄ちゃんは、両手に持った細長いもの……扇を、ばさっと開いて君の攻撃を受け流す!(ころり)……ってうわあ、自動的失敗だ!(爆笑) 日下:ああん、かっこよく決まりませんねえ(苦笑)。 GM:いやーこれはGMの責任でキャラのせいではありません。「予想より拍子にキレがある……!」ダメージどうぞ。 未空:(ころり)うわ低っ!16点の『斬り』だ。 GM:少しダメージが入った。ざしゅっ!って感じ。 日下:って、何で室内で日本刀を振り回してるんですかあなたー!?(笑) 未空:あっ!すっかり忘れてた!(苦笑) GM:実は今の、外れてたら床にヒットしていたことにしようと思っていました。 未空:あっぶねぇ。仕方がない、次からはまた『刺突』で攻撃しよう。 真純:……よく考えたら、部屋で流血沙汰って思いっきり資産価値に響かない?(笑) 明:後で誰かが掃除すれば大丈夫ですよ、きっと(笑)。 GM:「では、こちらから参る」と呟いて、ここで敵の兄ちゃん――ブルーリボン警備保障に所属する扇の使い手、『舞闘家』とも呼ばれる青年――が、まさしく舞うように、扇で未空を打ち据える!右手、(ころり)クリティカル成功、左手(ころり)成功! 未空:うっわ、クリティカルかよ!それはかわせない。左手は……(ころり)捌いた。 GM:では、右手のクリティカル……おっと、目が走った!すぱぁん!と32点ダメージだ! 未空:ぐっは!?一気に6割持ってかれたぞ!? 日下:強いですねぇ……。 GM:そして引き続き、部屋の中に隠れている誰かが(ころり)お望み通り、日下に向かって暗器を投げつける! 日下:投げつけてきた場所はわかりますか? GM:うい。この部屋の隅の死角だね。そして、変則的な軌道の飛び道具なのでやっぱり-2ペナルティもらってください。 日下:やはりここですか。手裏剣を放って、たたき落とします!(ころり)成功です! GM:おお了解。では、君が打ち落とした……暗器と手裏剣が……床にその、ドスっと(爆笑)。 一同:あああああー!? 未空:一番安パイのはずの人がやっちまったー! 日下:ハハハハハ。コレハ不可抗力、デスヨネ?(笑)。 真純:ええい。その点について深く考えるのはまた後。私は先ほど同様、『雷撃』で鋼球を狙います。部屋の壁に傷をつけないよう威力を絞って……(ころり)成功! GM:あー、その位置からだと、子供が抱えてるノートパソコンにも影響が出るんだけど。 真純:……うん、まあ、子供本人ならともかくノーパソならいいでしょ。8点! GM:そーだねー。ノートPCは雷撃の影響でぶっ壊れました(……実はこのノートPCの中に、真純に『ジャックイン』されたときの各種防衛プログラムが入っていたのだ(泣))。そして鋼球の方は、一気に大ダメージを受けたものの、まだなんとか動いている。 明:では、一騎打ちでは危険なので支援攻撃。扇使いに『困惑』を使います。(ころり)-5で抵抗してください。 GM:(ころり)……おおっと、そいつはかわせなかった。君の不思議な力のこもった犬の鳴き真似と柏手に気を取られ、彼は一瞬魂が抜かれたように朦朧とする。 明:次がチャンスです! GM:ここでハッカーが怒って反撃。「やっちゃえ!」と叫んで真純さんに鋼球を飛ばすけど(ころり)ありゃ、これもハズレか。     ●第2ラウンド     GM:今度は容赦せず、身の軽い鋼球が一番手で……明ちゃんを攻撃!(ころり)うわまたハズレ!どうなってんだこのダイス(汗)。 明:ここで霊体化したセザールを飛び込ませます。飛び込みざま、扇使いに噛みつく!19点の『斬り』! GM:朦朧状態ではかわせない。こ、これは痛い! 日下:私は部屋の隅の暗器使いに一気に接近。暗器使いが得物を抜き放とうとしたところをたたき落とそうと準備する。 GM:……オーケー。では、君は部屋の隅に潜んでいた暗器使いと対面する。「いやあ、こんな正面戦闘ってのは俺はあんまり得意じゃないんだけどな……」等といいつつ、後ろ手に隠した暗器を抜き放つ! 日下:それを手刀でたたき落とします。-7とは厳しいですが……(ころり)成功!「お互い大変ですねえ。でもこれも仕事ということで」 GM:ぐっ、だが(ころり)こちらの回避は成功。かろうじて君に暗器を投げつけることには成功する。「まったくだなぁ。引きこもりのお守りってのもラクじゃないんだぜ!?ましてや五対三とくりゃあな」 日下:では咄嗟に手裏剣で払いますっ!(ころり)おお、余裕の-5成功、床に傷つけないように優しく落とします(笑)。「まあそう言わないでください。防御側は本来有利なものでしょう?」 真純:こちらは一進一退の攻防ねえ。 未空:悪いが一気に決めさせてもらう。扇使いに『刺突』。24点の刺しダメージだ。 GM:めちゃくちゃ痛い……が、まだなんとか耐えてる。そしてここで、正気に戻ったよ。 日下:タ、タフですね。 真純:私は雷撃。残っている鋼球を潰す(ころり)15点。 GM:では潰れました。鋼球が潰れたので、「うわーん」と子供は奥の部屋へと撤退します。 明:もう一回『困惑』です。このままハメ殺しさせてもらいます(笑)。 未空:結構みんなコンボがえげつないなあ(笑)。 GM:(ころり)なんの、今度は抵抗したよ。     ●第3ラウンド     明:セザールが攻撃。(ころり)今度は暗器使いに12点のダメージ。 日下:引き続き、暗器使いの腕に斬りつけます(ころり)成功。 GM:いやいや、こちらも回避には自信が……あれ、ファンブルだ!今日は本当にダイス目が腐ってるなあ。 日下:ファンブル結果は……おっと、『利き腕を負傷』です! GM:「ちっ。こいつは厄介だなあ!」と言いつつ左手で攻撃(ころり)……するも、やっぱり精度が悪く命中しなかった。そして暗器はまたあらぬ方向へ(笑)。 日下:ああもう(泣)。早くこの戦闘終わらせましょう。 未空:扇使いにもう一回『刺突』だ!今度こそ決める! GM:おっと。朦朧状態でなければ……(ころり)捌くのはそう難しくない。 未空:くっそー。 真純:暗器使いに雷撃(ころり)……ってああ、発動失敗。 明:扇使いにみたび『困惑』! GM:(ころり)効かぬわっ!(ここで逆転を狙わないと押し切られるな)……そして、扇使いは、手に持った扇で君の日本刀を受け流した後。「――舞え」 未空:お? GM:そのまま君の力を利用して、刀を絡め取るように二本の扇で『投げ』を仕掛ける!(ころり)-6の判定に失敗したら、君は宙を舞って床にたたきつけられます。 真純:おおー格好いいー! 未空:-6かよ……きついな。……南無三!(ころり)おっしゃあ!成功! GM:では、君は大きく体勢を崩されたものの踏ん張って踏みとどまった(ここまでか。……今回は本当にダイス目に負けたなぁ)。 未空:あぶなかったぜ。 真純:ええ。貴方の日本刀が床に叩きつけられてたら本当に危なかったわね(爆笑)。     ------------------------------------------------------------------------------- ●11. 14:50- @ブライトネス目白      扇使いは善戦したが、負傷した状態で未空、明、セザールの猛攻を一人で防ぎきることはかなわず、次のラウンドで倒れた。そして日下対暗器使いは――     日下:五体一になったわけですけど。さすがにこれ以上の争いは無益だと思いませんか? GM:「…………そう、だな。あんたら、ウチの依頼人を連れ戻しに来たんだったよな?」 未空:まあそんなところだよ。 GM:彼は降伏の印として両手を振る。するとその袖口から大量の暗器がぞろぞろと(笑)。 日下:やめてー床が傷つくー(笑)。 真純:そういうことなら、奥に逃げ込んだもう一人にも伝えておいてくれない? GM:「わかったよ。……おーい、終わったぞー」と彼は奥の部屋に声をかける。すると先ほど隠れた子供が出てくる。「終わったの?」 日下:ええ、決着はつきましたよ。 未空:ってことで、裕一を渡して欲しいんだが。 GM:すると彼はどこかサバサバした表情で言う。「ああ、それなら、ウチの依頼人、さっさともってってくんないか。アレ、正直ソートーやばいよ?」 明:ソートーやばいんですか? GM:「ああ、ソートーやばいんだ。見てくれ」というと、彼は奥の部屋に君達を案内する。……そこには。 一同:そこには? GM:四隅に巨大なスピーカーを配した部屋で、爆音と膨大な食いのこしのゴミと悪臭に埋もれて、一心不乱にマウスをクリックしている男の姿があったのだった。隣で君達が散々暴れていたにも関わらず、その目はディスプレイからまったく離れようとはしない。 未空:…………(黙考)えーっと。確か、裕一の私物は別に壊しても問題ないんだったよな。 GM:まあ、そうですね。 未空:ますみんー。 真純:(ころり)『雷撃』。スピーカーとPCを全部吹っ飛ばして黙らせます。ああ、鬱陶しい。 日下:では明さんどうぞ。 明:(ころり)『困惑』で精神を吹っ飛ばします。もっともすでに飛んでるのかも知れませんけどね。 GM:では、心身共に限界までゲームをプレイし続けていた田伏裕一は、コンセントの抜けた安物家電のように、ばったりと机に突っ伏した。 未空:(嘆息)とっととふん縛って持って帰ろう。 GM:「いやー俺達もさあ。誰も一歩も通すなってことなんでずっと従ってたけど。このままあと一週間も続いたら限界かなーと思ってたんだ。かと言ってコッチから契約切るわけにもいかないし。正直あんたらが来てくれて助かったよ」とは暗器使いのコメントだ。「こっちは任務失敗だけど、依頼人死なせちまうよりはまだマシかな、あっはっは」 真純:そっちもお疲れ様ね。 GM:暗器使いは倒れていた扇使いを起こし、ハッカーの子と三人で「んじゃあな」と。ただハッカーの子は真純に「ボクのノートPC弁償してよー!」とか言ってますけどね(苦笑)。 真純:強く生きなさい。 未空:……ってそれだけかよ!?(笑) GM:「終わり終わり。じゃあ帰るかー」「いやーさすがにずっと詰めっぱなしだったから学校の方やばいんですよ……」「ボクのパソコンー!」とか言いながら、彼らは去っていった。 未空:気のいい奴らじゃないか。 日下:今度呑みましょう。 明:終わりましたねー。 GM:……えー、爽やかなシーンで申し訳ないが、『困惑』から目覚めた我らがターゲットが、ぶるぶると震える腕をマウスに伸ばそうとしてるんですが。 真純:(嘆息)とっととふん縛って持って帰る。 GM:では、君らに縛られていくうち、現状を理解したのか。「……僕には……彼女を護る資格がなかったのか……」それだけ呟くと、今度こそ田伏裕一は昏倒した。 真純:資格?……また微妙に後を引く発言ねえ。彼が弄っていたPCって見られる? GM:ついさっき君自身がぶっ壊したじゃないか。 真純:そうだった(笑)。 未空:……ま、それはそれとして、CCCに電話を入れよう。任務完了、至急清掃業者と救急車を回して欲しい、ってさ。 日下:私はこの部屋自体が許せないので掃除を手伝いますよ。部屋に傷つけたお詫びも兼ねてね。 明:知らないおじちゃんが傷をつけていったのですよ☆(笑)。 日下:本当に君の性格は『正直』なんでしょうかねえ。 GM:まあ、とにかくこれで今日の任務は完了です。狛村さんと相談すると『部屋の傷については、掃除をしてくれれば私の裁量で軽減しますよ』なんて言ってくれるんだけどね。 一同:……なんだかそれが一番疲れそうだなあ(苦笑)。 ●ブルーリボン人事ファイル   1.『舞闘家』一扇和彦   2.『見えざる手(インビジビルハンド)』時森愁    彼らについてはブルーリボン警備保障の履歴書ファイルを参考にされたし。  本来は警備のプロフェッショナルとして徹底的な防戦を行うのだが、今回は事情が事情なだけにあまりモチベーションは高くなかったようである。     ●C.U.B.E.system.Inc人事ファイル   3.ハンドルネーム『Haloveliinae』 橙実(とうのみ) つばさ    キューブシステムに所属している、いわゆる天才ハッカー。  キューブでは扱う仕事のジャンルもあって、メンバーはほとんど事務所に顔を出さず、主にネットで依頼を受け、ネット上で任務を遂行する。そのため、所属しているとは言っても帰属意識は薄く、『企業のホームページに会員登録した』くらいの認識しか持っていない者も多い。    その中ではつばさは例外で、キューブの事務所の一室を占拠して、膨大な機材で巣を作り上げ、そこで主に生活している。ハッキングだけでなく電子工学にもその天才を発揮しており、ハッキングのほかに任務用の小道具、護身用の機械、お役立ちCGIを作ったりと、社内でも重宝がられているようだ。    書類上では千葉県の中学に通っているということになっているが、実際はまったく顔を出していない。エージェントのアルバイトを己の生業と定めている節があるようだ。  キューブのエージェントとしては珍しく”生身”で仕事を請け負っており、今回のような実際に現場に入る任務にもよく駆り出される。そのため、他社のエージェントともそれなりに交流がある。一時期はどうしようもないほどの厨クラッカーだったが、彼らから色々と影響を受けて、「割と普通の子供っぽくなった」とは周囲のコメントである。 スキル: 『ハッキング』:かつて様々なネット上のセキュリティをかい潜ったつばさだが、現在は割と迎撃ワームやファイアウォールなど、防御プログラムの作成を依頼されることが多い。 『電子機器作成』:ちょっとした機械の改造や、裏ロム紛いの作成など、実際にハンダゴテを使うような作業も得意。中にはマッドサイエンスの領域に到達した作品もいくつかある。  これらから、最近のつばさは自分に対して、『盗む側』でなく『創る側』なのではないか、という疑問を抱いているようだ。 [了] ID:SFR0007v100