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人材派遣会社シリーズ   製作者:紫電改


TRPGリプレイ 『人材派遣のCCC#2』 
『Beat the neet』


 

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  世の中には『派遣会社』というものがある。

『能力』を持った人間を
『しかるべき職場』
に派遣して案件を処理させる、というものだ。
近年急速に拡大したこの雇用形態は、
いまや大きな社会問題にすらなりつつある。
 
その業務の内容は様々だ。
 
イベントの人員整理のスタッフ。
ノルマを課される訪問販売員。
己のスキルで勝負するディベロッパー、通訳業。
教授も真っ青の高給取り、カリスマ予備校教師。
あるいは脅迫専門の呪術師、潜入工作専門の元諜報員。
未来予知ならけっこう当たる占い師、
一キロ以上先から得物を仕留める狙撃手。
銃で撃たれても死なない狼男、
身近に意外といる超能力者。

たまには、そんな『派遣会社』の世界のディープな一面、
通常とは『ちょっと違った能力』を持った人間たちが派遣される
『しかるべき職場』の話をしよう……。

 

 Scene 1. XX:XX- @某所

 
  ある日ある時ある場所に、またもや一人のGMと四人のプレイヤーが集まった。となればやっぱり、やることはTRPGしかなかったのである。
 
GM:えー、それでは皆様大変お待たせいたしました。人材派遣のCCC、第二部を開催したいと思います〜!
プレイヤー一同:どんどんぱふぱふひゅ〜ひゅ〜(笑)。
GM:いやあ、まさか第二部が開催できるとは思ってませんでしたよ。
プレイヤー1:第一部はずいぶん人気があったんだって?
GM:おかげさまで。今まで未発表のものも含めて結構シリーズやってましたが、これが一番反響大きかったんじゃないかなあ。
プレイヤー2:その分、次を任された我々にもプレッシャーがかかってくるワケね(苦笑)。
プレイヤー3:といっても、変に力んでも仕方がないでしょう。
GM:まったくです。ま、ノリ的には変わらずあんな感じでやってきますので、肩の力を抜いてプレイしてもらえればと。次回いつ開催できるかわからんし(ボソリ)。
プレイヤー4:やなこと言うな!(笑)たしかにスケジュール合わせ大変だけどねぇ。
GM:さすがにみんな忙しくなってきたからねえ。バーチャル会議がもう少し使い勝手が良くなれば毎晩自宅でプレイできるんだが……等という生産性のない会話はさておき。さっそく開始と参りましょうか!みんなキャラは作ってきてくれたかな?
プレイヤー一同:作ってきたよ〜。
 
 
  そして並べられるキャラクターシート。
 
 
GM:こりゃまたクセの強そうな面々だね。では、時計回りに自己紹介どうぞ。
プレイヤー1:あー、コホン。私は『二枚舌ライアー日下景くさか けい。長野の村で幼少の頃から鍛え上げられた忍者でござるよ、ニンニン。
プレイヤー3:おお、忍者ですか。……データだと、諜報系のキャラ?
プレイヤー1(以下、日下):ええ。派手な忍術だの忍法だのを使うのではなく、本来の諜報員としての技能に長けたリアル志向の忍者。盗賊系に特化したキャラですね。
プレイヤー2:戦闘能力はそこそこ、ってところ?
日下:そうですね。一応『手裏剣』で遠距離攻撃は出来ますが、『閃光弾』や『煙幕』、『高速走行』で逃げ延びることを主眼に置いています。本来争いごとはあまり好きではないのですが、故郷の村が忍者テーマパークを興したせいで借金まみれになってしまいまして(笑)。
プレイヤー4:日○江戸村の失敗版か(汗)。
日下:まさしく(苦笑)。で、村の青年団の先輩……上忍より密命を受け、村の借金を返すため、CCCに出稼ぎに参って現在に至ります。
プレイヤー3:上忍の命令は絶対というワケですか(笑)。
GM:日下さんはCCCに正社員として所属しているので、このチームのまとめ役をお願いしたいですよ。
日下:どちらかというと私は単独行動向きなのですが(苦笑)。なんとか頑張ってみます。
プレイヤー2:じゃあ、次は私かな。……花見真純はなみ ますみ。フリーター。一応、こっちの世界では『雷貴妃ライオネル』で通ってる。
プレイヤー4:雷使い?
プレイヤー2(以下、真純):そ。もともと視力や聴力が普通の人よりかなり弱いんだけど、それを補うように『電波を操る能力』を持ってる。これで周囲に飛び交う情報をキャッチしてるので、日常生活にはあまり支障がないの。
日下:……支障がないどころか、『電波視覚』『ジャックイン』なんて能力持ってるあたり、人間盗聴器兼盗撮カメラって感じですよね。
真純:盗聴なんてしない。時々暇つぶしに近くを流れてる電波を聞いたり見たりするけど。
日下:世間ではそれを盗聴や盗撮というのですよ。
真純:(無視して)普段は電気メーターの検針員で食べてる。めんどくさいけど。時々CCCの仕事も受けてる。すごくめんどくさいけど。
プレイヤー3:モノグサ系キャラで行くんだね(笑)。
真純:一応、電波を応用して磁気嵐や雷として攻撃できる。それなりに強力。情報集めが得意なタイプの魔法使い、と思ってもらえばだいたい合ってる。
GM:了解しましたよ。では、続けて次の方どうぞー。
プレイヤー3:わたしは折口明おりくち めいっていいます。10歳の女の子で、新宿区の私立の小学校に通っています。
プレイヤー4:よ、幼女キャラ!
真純:これはまたずいぶんと内角低めギリギリね(笑)。
プレイヤー3(以下、明):実家が代々犬神憑きの家系で、犬と話をしたり、近くにいる動物を集めたりといった少し不思議な力が使えます。
真純:直接の攻撃力はないんだ。
明:そのかわりに、若い犬神を『しもべ』として使う契約を結んでいて、戦闘では彼も一緒に戦ってくれます。名前は『セザール』です(笑)。
日下:ひどいネーミングですね(笑)。きっと明ちゃんが入学したてくらいに無邪気に名付けたに違いない。
明:セザールは普段は普通の犬と変わらない外見なので、いつもわたしがリードを引いています。傍目には、大型犬を散歩させている小学生、って感じです。
プレイヤー4:実際にそういう光景を見ると、小学生の方が引っ張り回されてるようにも見えるんだけどな(苦笑)。
明:本当はあまり良いことじゃないのかも知れないけど、私がCCCにわがままを言って、一人前のエージェントと同じように働かせてもらってます。
真純:たしかこのルールでは、極端に幼いキャラは知力にペナルティーが入らなかったっけ?
明:はい。でもポイントを消費して『早熟』という能力を取得していますので、普通の人の十代後半〜二十歳レベルに匹敵する知識と価値観を持っていることになっています(笑)。
日下:プレイヤーキャラとして動かす分には支障はないわけですね。
明:周りからはよく『パピー』と呼ばれてます。私自身は支援系、セザールは戦闘系とちょっと変則的な位置づけになっていますが、よろしくお願いします。
日下:こちらこそよろしく。
プレイヤー4:じゃ、俺の出番かな。えっと。名前は有本未空ありもと みくう(一同爆笑)。都内の理系の学校に通う大学生だよ。
真純:ど、どっかで聞いたような名前ね。
プレイヤー4(以下、未空):ああ、俺もどっかで聞いたような気がする(笑)。実は従姉も一緒にCCCに所属しているんだが、どういうわけか一緒に仕事をする機会がなかなかないんだ。
日下:なぜか我々は君のことを良く知っている気がしますねぇ(笑)。
未空:うん、だから説明は少し省略する(笑)。生活費を稼ぐためにCCCでバイトしていて、いろいろあって錬金術を修得しているんだ。
明:やっぱり、従姉の人みたいに(苦笑)、銃や爆弾を作り出せるんですか?
未空:(苦笑)いいや、俺はその逆で、二つ名は『削除屋イレイサー』……まあ、ここらへんは特殊なので、おいおい説明していきます。戦闘では、錬金術で自分自身に干渉することで、超人的な運動能力を発揮します。正直、みんなの中で一番前衛向きだと思う。位置づけ的には、少しだけ呪文が使える戦士、ってイメージでよろしく。
真純:前衛で青年とくれば、今回の主人公は決まりね。
日下:微妙に支援系や盗賊系ばかり集まってしまったみたいですし、前衛とリーダー役は彼に一任してしまってよいかも知れませんね。
未空:いきなり職務を投げ出すなよ正社員!(笑)みんなこれからよろしくお願いします。
真純&明&日下:お願いします〜。
 
 

Scene 2. 10:00- @新宿新南口 CCC本社ビル

 
 
GM:じゃあ、自己紹介も終わったところで。さっそく本編を開始しよう。11月のある日、CCCに所属する君達は、それぞれこんなメールを受け取るよ。
 
 
  皆に配られる『任務依頼書』
 
 
一同:(熟読)……ふうん。
GM:そして、まずは『財産判定』をしてもらいましょうか。目標値は9、お金持ちのキャラなら修正が入りますよ。
日下:そんな人はいませんね。例によって全員貧乏ですよ。
真純:(ころり)あ、-5成功。
未空:おお、俺も-4成功!
明:私も-1成功。
日下:私も-1成功ですねぇ。これは珍しい(笑)。
GM:確かに珍しい(笑)。それでは、君らはそれほど生活に切羽詰まってはいないのですが、たまたま土日が空いてるから仕事でも入れるか、という感じでCCCのオフィスにやって来ました。
日下:私は正社員なので、上司命令での出勤です。
真純:私たちはもう面識あるの?
GM:いいえ、ありません。こちらのメールで『二課に所属してる人で、都合がつきそうな人は来てね』と書いて送ったら、たまたま集まってきたのがこの四人だった、って感じです。
未空:えーと(チェック中)。前シリーズのメンバーは、営業一課所属だったんだね。一課と二課はなんか違うの?
GM:もともとCCCには営業一課しかありませんでした。しかしおかげさまでCCCも商売繁盛しておりまして。業務拡大によって人が増えたため、つい先日作られたのが二課です。新設の課なので、あまり規則や管理体勢がしっかりしていません。
日下:やりたい放題という事ですか?
GM:その代わり、一課よりも支援が心許ない……かも知れません。
真純:それはちょっと不安ね。
GM:ともあれ、そんな感じで今日初めて顔を合わせたあなた方なのですが。
未空:じゃあ、自己紹介しとくかな。「オッス!オラ未空。よろしくなっ!(笑)」
明:一文字違いですよそれ。
真純:貴方そんなキャラだったの(苦笑)。
未空:いやあ、『お祭り好き』って特徴持ちなんでさ。
日下:そこらへんは従姉の人と同じなんですね……と。それでは同じく『好色』の特徴を持つ私としては、早速この二人を口説いてみたりしましょうか。
GM:……そういえば、このメンバーには妙に『好色』が多かったな。
真純:実は私も『好色』なのよね。
日下:モノグサのくせに。
真純:やたらと声をかければいいってもんじゃないのよ。
未空:俺は別に『好色』じゃないぞ。
明:セザールが『好色』です(爆笑)。
真純:守備範囲はどこらへんよ?
明:犬科の雌だそうです(笑)。
未空:つーか、あんたらみんな何歳なんだ?明は10歳なんだろ?
真純:21歳。
未空:ゲッ、同い年か。
真純:そのゲッ、はどういう意味かしら(笑)。まあシスコンは対象外だから安心しなさい。
日下:私は24歳。名実ともにまとめ役ですか……とほほ。
明:おじさんフケツッ!(笑)
日下:おじさん呼ばわりされたー!?
明:男の人は二十歳を過ぎたらみんな立派なおじさんです!
日下:いや、さすがにその意見はっ、どうかと思いますがっ!!
GM:……てな感じで君らがすっかりうち解けたところで。会議室のドアが開くと、女子高生のような若い子が入って参ります。「みなさん今日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました」なんて言うね。
真純:誰?
GM:「私、先日CCCの営業二課に正式配属となりました那智と申します」
日下:(即座に)いやーはははは。全く知りませんでしたよ。こんな可愛らしい女性がウチの課に配属になっていたなんてっ。
GM:「は、はじめまして、えーと……日下さん」
未空:女子高生みたいな外見って。歳は幾つなんだ?
GM:「あ、昨年大学を卒業したので23です」
真澄&未空:年上ッ!?
GM:「4月に入社して、新人研修と総務部のアシスタントを経て、10月から正式に営業課の所属になりました。精一杯がんばりますのでよろしくお願いします!」
明:こんなに仕事に前向きな人、シリーズ初じゃないですか?
GM:「世のため人のために役立つCCCで働けるなんて夢のようですっ!」
未空:(ぼそり)……むしろ世のため人のためには、こんな会社はない方が良いんじゃないか?
日下:23歳!じゃあ君は午年ですね(適当)?実は午年の女性には一つ!決定的に足りないものがあるという事を知っていましたか?
GM:「え、ええー?なんですか?」
真澄:仕事の話をしなさいよ。
日下:(無視して)『手品』技能判定……(ころり)成功!実は午年の女性に足りないのは情熱の赤。(手品で薔薇を出現させて)すなわち、この薔薇こそが一番貴方に似合うのですよっ!
GM:「わあスゴイ!これが異能力ってものなんですね!」(一同爆笑)
日下:お……おおぅ。
未空:真っ正面からはじき返されたよ(笑)。
真澄:ド天然だあ。この顔と性格で年上とは……。
未空:俺の従姉も見た目と歳が一致しないんだよなぁ。
日下&真純&GM:ああ。それは良く知ってるよ。
明:むしろ一致してないのは精神年齢ですよね(ぼそ)。
 

Scene 3. 10:20- @新宿新南口 CCC本社ビル

 
 
GM:「それでは、特に問題も無さそうですので、あなた達四名のチームでお仕事にあたってもらいたいと思います」
真純:問題ない、のかしらね(苦笑)。
未空:まあこれからいっぱい噴出してくるんだろうな(笑)。
日下:とにかく、任務の内容を読んでみました。色々情報が載っておりますが、簡潔にまとめると。
真純:引きこもりを部屋から引きずり出してこいってことでいいのね。
明:とても社会的に意義のあるお仕事ですね!(笑)
未空:てことは、マンションを破壊してしまえば出てこざるをえないと(笑)。
一同:いやいやいや!
GM:「そ、そういうことをされると困りますっ!」
真純:新人をいじめるな。
日下:むしろキズについては厳重に注意されているようですね。
GM:「大きなキズをつけた人には実費でのペナルティが入ります」
未空:まあ、キズがついたら錬金術で直せばいいしさあ。
日下:……キミは根っこではやっぱり有本さんの従弟ですねぇ。
未空:いやあ、照れるなあ。
明:そんなキャラですか。
未空:もちろん冗談(笑)。えぇと、建物を壊してはいけないというのは了解だけど、引きこも……げふんげふん、裕一君の私物や彼自身については?
GM:「あくまでも壊してはいけないのはマンションなので、彼の私物については壊しても直接のペナルティにはなりません。彼自身についても、まあ腕を切り取ったり足を切り取ったりはなるべく勘弁してください、というのがクライアントの意向です」(爆笑)
真純:なるべく、なのね。
明:腹を殴るくらいなら問題ないんですねっ☆(爆笑)
真純:く、黒幼女。
日下:よく読んだらこの依頼、JW開発の狛村さんからの依頼じゃないですか。
未空:コマムラ……?(前作のリプレイを読み返す)ああ、第一部一話のドS眼鏡の依頼人か(笑)。
GM:(そんな設定にした記憶はまったくないんだが)「ええ。以前の依頼が上手くいって、狛村さんは弊社を信用していただいたみたいで。また新しい仕事を頂きました。人と人とのつながりは素晴らしいものですね!」(爽やかな笑み)
未空:ううっ、まぶしいっ。
GM:「この依頼に時間制限はありませんが、報酬額は一定なので早く目標を達成すればするほど効率が良いということになります」
日下:了解です。こちらは小学生もいますし、できればこの土日で片付けてしまいたいところですね。
GM:「はい。それとオプションとして、マンションにキズを着けた場合の責任について、個人責任と連帯責任のどちらかを選べますが」
未空&真澄&明:個人責任で。
日下:即答ですかっ!?(笑)というか、むしろ潜入系の私以外はみんなマンションにキズをつけそうな能力ばかりじゃないですか。
真純:そ。だから他人のケツは持てない(笑)。
日下:いやまあ、それでいいなら私に反対する義務はありませんが……ってああ、一応社員なんで監督責任あるんでしたねぇ。
GM:「日下さん、今日は監督お願いします!」
日下:ハハハハ困りましたねぇ。努力はしますよ。
真純:確約はしないのね。
日下:この世にはどうにもならないことがありますしねぇ。
真純:主体性ないなあ。
GM:このチームに目下必要なのはしきり役という気がしますねえ。
真純:コレ(日下)がダメだと本当明ちゃんにお願いするしかないわ(笑)。
未空:というか、そういうアンタも仕切る気はないんだな(笑)。
明:小学生がリーダーのチームはまずいですよ(笑)。
未空:まあ、個人責任云々はいいとしても。さすがに壁紙一枚傷つけてもペナルティ、とか言われるとほとんど何も出来ないよなあ。
明:裕一さんを引っ張り出すときに抵抗されてガラスが割れたり、というのも考えられますよね。
GM:「えっと、ええと……それについてはっ……」などと言いつつ、那智さんは手元の新人用マニュアルを読む(笑)。「クライアントに電話してみますね!」
真純:初々しいなぁ、と思うのとイライラするのが半分ずつ(笑)。
GM:「えっと、はい。CCCの那智です。はい。任務の条件について確認を……あ、はい。かわります」彼女は君達に受話器を差し出してくるよ。
未空:お?じゃあ電話を受け取ろう。
GM:『CCCの皆様初めまして。私、JW開発マンション管理担当課長の狛村と申します』
未空:直接話した方が早いって事か(笑)。じゃあ、ぶっちゃけマンションでどのくらいまでなら暴れていいの?って事を聞こう。
GM:『そうですね。依頼の際には先方もかなり厳しい発言をされていますが、実際のところ裕一君が居着いてから一年経っていますし、この件が解決したからといってすぐ明日から入居できるというわけでもないでしょう』
真純:それなりに掃除やリフォームが必要という事ね。
GM:『ええ。ですからその際にリカバリー出来る程度のキズなら、私の方で先方にペナルティにカウントしないよう伝えておきます。具体的には、カーペットや壁紙を汚したり、内壁に到達しない程度の傷なら不問に出来るでしょう』
日下:いやぁ、実に頼りになる女性ですねぇ。
GM:『そのかわり。日本刀で壁を切り裂いたり、手裏剣を床に突き刺したりといった行為は絶対にやめてく・だ・さ・い・ね?』(爆笑)
真純:怖い怖い(笑)。
未空:大丈夫だよ、俺、常識あるからさ(笑)。
GM:あ、もちろんマンション内で粗相とかもダメですから(笑)。
明:これはマーキングですっ☆(笑)
GM:『他に何か確認しておきたいことがあれば今のうちにどうぞ』
日下:(やたらと張り切って)それでは緊急連絡先として、貴方の電話番号を教えていただけませんか?
GM:『ええかまいませんよ。03-****-……』思いっきり会社の代表番号だ(笑)。
日下:ハハハハハ警戒は無用ですよ狛村さん。もちろん貴方の携帯には緊急時以外にかけるような非常識な振る舞いはしませんとも。この目を見ていただければわかります。
明:って今、電話越しに話してるんですよね(ぼそり)。
真純:的確なツッコミね。
GM:『というか、私、犬にしか興味ありませんから』(一同爆笑)
未空:やっぱりか!
明:よかったねセザール(笑)。
日下:がーん、犬に負けた……。
 
 

Scene 4. 10:40- @新宿新南口 CCC本社ビル

 
 
  依頼人と条件について確認を終えた一同、いよいよ任務の開始である。
  まずは基本的な情報を固める一同。

 
 
未空:裕一君は予備校生で二十歳か。ということは二浪かな?
GM:二浪です。しかしながら、予備校にもぜんぜん顔を出していないとか。
明:予備校に行っていないのに予備校生って、ヘンですよね☆(笑)。
真純:純真な顔で急所を刺してくる(笑)。
GM:「それと、これが問題のマンション、ブライトネス目白の図面です」(そう言って作ってきた図面を皆に見せる)
一同:ほうほう。
真純:これ、一つの階に一部屋、ってことでいいの?
日下:そのようですね。まったく贅沢なことです。
未空:ってことは、この階は事実上この引きこも……もとい、裕一君が独り占めってことだな。他の階にも誰も住んでいないのか?
GM:住んでいません。だから依頼人に家賃収入が入らなくて困っているんです。
日下:穏健派の私としては、話し合いで彼に出てきてもらえるならそれに越したことはありませんね。彼が引きこもった理由についてはわからないのですか?
明:こんないい部屋から出て行けと言われれば、それは嫌がりそうですけど。
日下:新しく裕一君に割り振られる家というのが、欠陥住宅だったりとか。
真純:よっぽどへんぴな土地にあるとか。
GM:都内のごくごく普通の綺麗な一軒家ですね。
未空:二十歳前で家持ちかよ。それはそれで面白くないなあ(笑)。
真純:ねえ、正直なところ、まだ生きていると思う?(笑)
明:核心に斬り込んじゃった(笑)。
未空:そこなんだよなあ。マンションの電気メーターや通信記録はどうなの?
GM:電気は使われているようです。ネットもプロバイダと契約しているようですが、通信内容にはさすがに踏み込みませんね。
未空:ネットゲー廃人になってるとかじゃないだろうなあ(笑)。
日下:宅配便……アマゾンとか郵便物の配達履歴はどうでしょう?
GM:ここ最近、ないようですね。
未空:じゃあ『虎の○な』の配達履歴は?(笑)
真純:私には理解できない単語ね。宅配便が途絶えたのは、引きこもりの時期と一致してる?
GM:はい。そして二、三ヶ月後に四郎さんが迎えに寄こした人達と一悶着。そのすぐ後でエージェントを雇っています。
明:親戚の方と折り合いが悪い、ということでしょうか。
真純:そうそう、親族の人には連絡がとれるの?
GM:「あ、今なら裕一君の後見人の三郎さんと連絡が取れますよ」
日下:それは、是非お願いします。
GM:ぴっぽっぱ……と。『あー。おたく等が裕一を引っ張り出す人達かね』
日下:(いきなり女声で)初めまして、わたくし、人材派遣会社CCCの日下と申します(笑)。
GM:「おや、こりゃえらい別嬪さんみたいな声だでや」
未空:なんでいきなり女声になるんだよっ!
日下:あ、私、潜入捜査の一環として、変装や声を変えるのは得意なんですよ。
未空:いやそれ理由になってないよ!(笑)そこで女声になる必要はないだろうっ!
明:おじさん急に声色をかえてどうしたの〜☆?(笑)
日下:いやあ私、趣味が女装ですから(笑)。
真純:でも『好色』なんでしょう?
日下:ええ。私の性的指向は至ってノーマルですよ。でも女性に声をかけつつも、心の中で『でも女装した私の方がキレイよね』と思うことで、心の中に深い満足感を得るのです。あ、脳内CVは緒○恵さんとかで変換どうぞ。
明:おじちゃん、キモイねっ☆(一同爆笑)
真純:一言で過不足無く表現したわね。
日下:ハハハハハ、明さんは手厳しいですねえ。
未空:……まあとにかく。電話の相手がぽかんとしてるみたいだぞ(笑)。
日下:そうでした。……おほん。裕一君は、どんなお子さんでいらっしゃったのですか?
GM:『裕一かあ。実はワシもそんなに交流があったわけじゃないのよ。オヤジが死んで、一郎アニキが夫婦ともおらんでぇ、仕方なく後見人になったようなもんなんだ』
日下:裕一君のご両親……一郎夫妻はおられないのですか?
GM:『ああ。まだ裕一がちっちゃいころ、二人揃って事故でなあ……。残された裕一をオヤジは可愛がったんだが。ありゃあ甘やかしすぎだで』
日下:失礼を承知で申し上げますが、三郎さんも裕一君にはあまりご執心ではないのですか?
GM:『まー、情が薄いと言われてもしょうがないがね。今まで数えるほどしか会ったこともないので、情が沸きようもない、ちゅうのが正直なところだなや』
未空:となれば、遺産を分けてやる気にはなれない、かな?
GM:『いんやあ。ワシはもう自分の土地とアパートの収入があるでぇ、週三日も働けば遊んで暮らしていけるのよ。これ以上の遺産は別に要らん』
一同:クッ……!リアルにムカつく……!(笑)
GM:『むしろ裕一にはきちんと遺産を継いでもらって、それを元にもう独り立ちして欲しいと思っとるくらいだよ。いつまでもアニメとかゲームとか人形集めにうつつを抜かしてもらっても困る』(笑)
真純:……ああ。彼もソッチ系の人なのね。
未空:おいおい、冗談で言ったつもりが、ホントにネトゲ廃人かよ!?
日下:ふむ。部屋にも親族関係にもトラブルがないとすると、あながちその線も冗談では無さそうですよねぇ。
 
 

Scene 5. 11:00- @Web上

 
 
真純:じゃあ、私も報酬分の仕事はしよう。予備校のデータにダイブして、裕一君の履歴を洗ってみる。ノーパソ貸してー。
未空:おお、『ジャックイン』だ。
GM:うい。ちょっとゲーム的な解説しておきますと、『ジャックイン』とはこのゲームのベースとなっている『ガープス妖魔夜行』に記載されている能力で、自らの身体や精神を電波に変えて、『電話線を伝ってパソコンの中に入り込める』という能力。電波使いである真純さんはこの能力を使えるのですが。
真純:『妖魔夜行』が出た当時は、まだまだインターネットも広まってなかったのよね。
GM:ええ。そのため、当時のルールをそのまま適用すると、ネット全盛の現代では恐ろしく有利な能力になってしまう可能性があります。あと、パソコンのデータを奪うためのハッキング等の処理についてなんですが。
一同:ういうい。
GM:これをリアルに考えだすと、「今は実際に、こういうテクニックやフリーソフトがある」「いや最新の状況ではこんな手もある」といった、不毛な水掛け論になりキリがなくなることが予想されるので、『イメージ世界』を使うことにしました。
明:といいますと?
GM:具体的には、真澄さんがノートPCからインターネットに『ジャックイン』する。
真純:はいな。電波を操って、びびびびっと魂を注入します。
未空:抜け殻になった顔に落書きをしてやろう(笑)。
GM:――ふと気がつくと、君は縦横無尽に行き交う高速道路の交差点の片隅に、ぽつんと放り出されている。……えーと、SFマンガとか、映画マトリックスのように、インターネットの世界を、バーチャルに五感で捕らえていると思ってください。
真純:ああ、なんとなく了解。じゃあ、検索エンジンで、予備校のホームページに飛びます。
GM:あい。では、URLを見つけた君は、一瞬で電子の道路を駆け抜け、予備校サイトのトップページ……学生が自宅から授業を予約したりするためのページに辿り着く。君のイメージでは、目の前に市役所のような建物があるように感じ取れる。
未空:ええっと、『セカンドライフ』みたいなもんだと思えばいいのか?
GM:ああ、確かにあれがイメージに一番近いですね。
真純:なるほど。それでは、文字通り、「中に入り」ます。
GM:建物の中はやっぱり市役所の受付といった雰囲気で、たくさんの人がここに来て調べ物をしたり、予約を取っている光景が見られる。
明:この一人一人が、この予備校のホームページに今現在アクセスしている人を表しているんですね。
GM:イエス。そして真純さんは、部屋の奥まったところに「事務室」と書かれた、鍵のかかった扉を見つける。
真純:私の趣味は覗きなのよね。
日下:性格は『めんどうくさがり』なんですけどねぇ(笑)。
真純:まずは、適当にそこらへんに置いてある本……サーバーに置かれているファイルを”立ち読み”してしまおう。
GM:この『部屋』は誰もが入ることが出来るオープンな窓口です。だからここにあるファイルは、今日の山田先生の授業は休講になったよ、とか、来月から新しい授業がスタートするよ、といった告知だけです。
真純:なるほど。そんな誰でも見られる情報はつまらない〜、と早速鍵のかかった扉に向かう。
GM:鍵開けは技能判定で行ってくださいね。
日下:『ハッキング』技能じゃないの?
GM:それでも構わないんですがね。そうするとパスワード破りもデータ検索もウィルス攻撃も、なんでも『ハッキング』で判定することになっちゃうので、あまり面白くないというのが正直なところです。なので、『ハッキング』技能よりずっと有利な修正の代わりに、生身の技能を使用するようにしてくださいな。
真純:うーん、せっかく知識系の技能に特化したのになあ……って、よく考えたら私、『コンピューター』技能はもってるけど『ハッキング』は持ってないんだった(汗)。
明:(ルールブックを読み返す)……技能『コンピューター』って、ワードとエクセルが使えます、っていう技能らしいですよ(爆笑)。
日下:それ、普通に事務仕事の技能じゃないか(笑)。
真純:技能レベル14(常人から見たら超一流レベル)の事務仕事かあ。わざわざCCCで働かなくても、普通に企業でスーパー事務職が出来るなあ(笑)。『鍵開け』判定……(ころり)お、無事に開いた。
GM:では、君は鍵を開けて奥の部屋を覗き込む。この部屋は『事務室』のようだ。机には一心不乱に仕事をしている事務員さんがおり、そして仕事用の重要そうなファイルがずらっと壁際に並んでいる。
日下:事務員さん、というのは、予備校の職員が仕事でアクセスしてるのを表しているんでしょうね。
真純:それでは、『事務員さん』にバレないように、忍び足で資料に近づく(ころり)成功。
未空:これはつまり、サーバーの履歴に痕跡を残さないようにデータにアクセスできた、ってことか?
GM:解説ありがとう。ずばりそういうことです。
真純:では、仕事上必要だから仕方がない仕方がないと言いつつ、さっそく受講生のデータを閲覧する。『探索』技能を使って、田伏裕一……たぶせの『た』は……(ころり)あったあった。コピーしよう。
日下:うぅん、真純さんがアクセスしている間はいささか暇ですねぇ(笑)。
未空:じゃあまたナンパの続きでもしてればいいだろ?
日下:失敬な。これでも仕事とプライベートの区別はつけているんですよ。
真純:(電子音声っぽく)カタカタカタカタカタカタ(笑)。
未空:ああっ、パソコンにいきなり裕一君の個人情報が現れたっ!(笑)
日下:ほげっと魂が抜けてる人がパソコンの前に座っていると、いきなりデータが現れてくるわけですか。傍から見てると結構恐怖ですねぇ。
明:とにかく、これで全員でチェックできますね。
 
 
  一同はさっそく、予備校に保管されていた裕一のデータを調べる。
  裕一は予備校入学当初はそれなりの学力を保っていたものの、二浪目の今年に入ってしばらくしてから、急速に成績が悪化してきているらしい。もちろん、引きこもりになってからは学校にも全く行っていない。予備校としても別に復学を促す義理もないので、現在は『学費が払ってあるから退学にはされていないだけ』という状況のようだ。

 
 
未空:成績が低下しだしたのは、おじいさんが亡くなってからなのかな?
GM:いいえ、それより少し前のようです。
日下:となると……おじいさんが病気で長いこと入院していたとかですかね?
明:依頼書をみると、元気だったのが急に亡くなったって書いてありますね。
真純:唯一の理解者だったおじいさんが亡くなったショックで……というストーリーでもなさそうね。
一同:ふむー。
未空:予備校に来てた頃はどんな人だったんだろうか。明るいヤツとか、静かなヤツとか……。
GM:これは小中学校ではなく予備校のデータですので、生活態度についての情報は別に記載されてません(笑)。ただまあ、一度だけ教師にこっぴどく注意された事があるようです。
明:注意、ですか?
GM:ええ。『○月×日、休み時間から授業時間になっても友人とおしゃべりをやめず。あまりに騒がしいので注意し、二人とも退室させた。以後、同様の事態が発生する可能性あり。受け持ちの先生は注意してください』なんて情報が書き込まれてるね。
真純:あーあ、ブラックリストに載っちゃったのね(苦笑)。
日下:はしゃぎすぎてつまみ出された人が、その後で引きこもりですか。どうにもしっくりきませんねぇ。
明:ちょっと待ってください。退室させられたのは二人だそうですよ。
真純:そっか。おしゃべりしてたんなら相方がいるのは当然ね。同じ日に同じような注意をされた学生がいないかデータを調べてみる。(ころり)あ、結構いい目。
GM:その目なら余裕でわかります。同じく予備校生、佐々木公平君。19歳です。彼と裕一君が騒いでいて、つまみ出されたようです。
未空:その佐々木君の成績やひととなりは?
GM:去年、本命の大学に落ちた後、一浪して再受験を目指しています。成績から察するに、なかなか頑張っているようです。
真純:(データを見る)この予備校、池袋にあるのね。
日下:池袋ですか。今我々が新宿にいるのですから、どっちにしても『ブライトネス目白』はすぐ近くですね。
明:それでは池袋で予備校で佐々木さんに話を聞いてから、目白のマンションに乗り込みましょう。
未空:賛成。
真純:やっぱり明ちゃんがリーダーなのね、このチーム(笑)。
 
 

Scene 6. 12:00- @池袋東口付近

 
 
  新宿から電車で池袋にやってきた一同。
  真純が佐々木君の受講スケジュールをハッキングし、土曜でも授業に出ていることを確認。彼の授業が終わると思しき時間を見計らって予備校の前でさりげなく待ち伏せする。

 
 
GM:予備校と言っても、あるのは池袋のど真ん中。オフィスビルをまるまる借り切って校舎にしており、看板無しでは学校とはわからない。大通りに面しているので、様々な人が学校に出入りしたり、素通りしたりしているよ。
真純:特に予定のないフリーターっぽく(笑)、ガードレールにもたれかかりながら時間を潰す。もちろん、履歴書に添付されていた顔写真は抑えてある。
明:セザールを散歩させながら近くの道路をうろうろしてます。
未空:んな面倒くさいことしなくても、真純に任せれば一発だろ?
真純:……どういう意味?
未空:こう、電波でさ。目標が近づくと髪の毛がピキーンと。
日下:「父さんっ!妖怪の気配が」(笑)
真純:そりゃ『能力を使うときは電波で髪が逆立つ』って設定つきだけどさ!というか、あんたらはどうしてんのよ。
未空:じゃあ俺は黒服に身を包んでサングラスをかけて張り込んでいよう。
明:正気で言ってるんですか?(笑)
日下:非常識ですねぇ。私はごく普通に、仕事の出来るOL風の格好をします(爆笑)。
未空:いやいやいや!なんで必要もないのにわざわざ女装するのさ!(笑)
日下:黒服グラサンをわざわざ身につけてる人に言われたくはないですねぇ!
真純:あー……。私は面倒臭いので彼らの言い争いを傍観してます。
GM:じゃあ、君達がそんなことを言っていると、いささか勉強に疲れた表情で、校舎から佐々木君が出てくる……んだが。黒服とグラサンの男とOLが言い争いをしている光景を見て、すすすす……と迂回しようとする(笑)。
日下:待った待った待ってください!そこのグラサン、怪しまれてるから引っ込みなさい!
未空:怪しまれてるのはそっちだろう、女装OL!
日下:私はちゃんとポイントを消費して容貌『美形』にしてあるから大丈夫なんですよ!
明:それ、ぜんぜん理由になってません(爆笑)。
日下:……と、とにかく!ここは私に任せてもらいましょう。佐々木君に近づいて、ダミーの名刺を渡します。えー、(女声)はじめまして、ワタクシ、こういう者ですが……。
真純:こういう者って、どういう者よ(笑)。
未空:新宿二丁目っぽい名刺だったりしてな(笑)。
日下:違います!それっぽい横文字の名前の調査会社の調査員を名乗りますよ。
GM:「は、はあ……。調査会社の人が、俺に何か用っすか?」
日下:実は、田伏祐一君の事でお話をさせていただけないかと思いまして。ご存知でしょう?田伏君。最近予備校に来なくなった彼。
GM:「タブセ……?……、……いや。誰のことですか?」
未空:ありゃあ?
真純:どうも友達じゃあなさそうね(苦笑)。
日下:……とりあえず、そこの喫茶店でお話ししませんか。もちろんコーヒー代はこちら持ちで(女装スマイル)。
GM:「は、はぁ……」
 
 
  一応、美人女性(に見える)日下のスマイルの力で、佐々木君をなんとか喫茶店に連れ込むことに成功する。誰が佐々木君に話を聞くかで色々とすったもんだした挙げ句、結局日下が対面で話を聞き、他のメンバーは離れた席で聞き耳を立てることになった。
 
 
GM:「あ、でもすみませんが動物の入店はご遠慮下さい……」(笑)
明:(しれっと)これは盲導犬ですよ☆(笑)。
真純:(キャラクターシートを見る)セザールさんの本性は犬神だから、『霊体』になることも出来るのよね。必要になれば姿を消せるの?
明:『霊体』になっても透明になるわけじゃなく、普通に他の人にも見えちゃうんですよね。
GM:(第1回目だし、まあいいか)ここの喫茶店は個人経営なので、女の子一人だけ仲間はずれにするのもあれだし、セザールもよく躾されてるようだし、他にお客さんもいないし、ということで目をつぶってくれる。
明:ありがとうございます。
日下:さて、なんでも好きなものを頼んでくださいね。
GM:「あのぅ……絵を売りつける人じゃないですよね?あとウチ、無宗教なんで」(爆笑)
未空:めちゃめちゃ警戒されているなあ。
日下:うふふ、そういうのではありませんよ。田伏君をご心配されている遠縁のご家族から頼まれて、彼が今何をしているのかを確認しているんです。
GM:「はあ。タブセ。タブセねぇ?」
日下:こちらの彼ですよ、と履歴書からコピーした顔写真を見せる。
GM:「ん……。あ、ああ!そう言えばいたいたこんなヤツ!」
真純:知らないフリじゃなくて、ホントに良く知らないみたい?
GM:「そういや確かに最近見ないけど。予備校って、気がつくと来なくなってるヤツ多いからなあー。って、なんでこいつの事を俺に聞くんすか?俺、こいつとほとんど話をしたこともないっすよ」
日下:他にも何人かの方にお話しを聞いてたら、前に貴方と話をされてたって聞いたから。何でもゲームの話で、授業中なのにずいぶんもりあがってたとか。
GM:「あ!」彼は気づいた表情になる。「あーノルフェアの時の話か。あれはマジで迷惑でしたよー」
明:ノルフェア、ってなんですか?
GM:「あー、正確には『Norfair』。今流行ってるネットゲーっすよ」(笑)
未空:おいおい、本当にネトゲ廃人だったのか!?
GM:「前に結構ハマッてて。ちょっと予備校でその話をしてたら、それまでロクに話したこともないのにいきなり『君もノルフェアをやってるのかい?実はボクはこういうキャラで……』とか後ろから話しかけてきたんす。しょうがないから俺が相手をしてたら、授業はじまっても止まらなくて、追い出されたんです。こっちはいい迷惑ですよ」
真純:……えーと。つまり。
日下:田伏裕一君の性格を一言で表すと。
明:空気読めない人、ということみたいですね(汗)。
未空:うーん、オタク趣味で空気が読めない、おまけに家持ちで金があって、学校には行かなくてもいい。その気になれば一人でずっと生きてゆけるとなれば……。
真純:ネットゲームに転がり込んでいくのは無理もない、というところかしら。
日下:(女声)君もまだやっているのかしら?
明:もうクリアしちゃったとか(笑)。
GM:「いや。実は彼女と会えないから一緒に夜にやっただけで。もうやってないですよ」
一同:このリア充めッ!
GM:そういうことを口にしないの(笑)。「どっちにしてもこの時期にまだネットゲーやってるようじゃあ、到底受験には通りませんからね」
未空:ネットゲーかあ。俺も聞いたことはあるかも知れないな。(ころり)あ、クリティカル成功だ(爆笑)。
GM:うわー、じゃあ君はノルフェアをやったことがあることにしよう。良くできた、典型的なファンタジーMMORPGだよ。逆に言えば、必要以上に残酷だとか、参加料が高すぎるとか、そう言ったこともないようだ。
 
 
  さらに話を聞いていくと、どうやら裕一は相当そのゲームにはまりこんでいたようで、よっぽど長時間プレイしなければ使えないような魔法、手に入らないようなアイテムを幾つも持っていたそうだ。PC達は、裕一がゲーム内でどんな名前のキャラを使っていたかを調べようとするが、もともと裕一にほとんど興味がなかった佐々木君は、もう忘れてしまっていた。
 
 
日下:……いずれにしても、彼の持っている情報はこれだけみたいですね。では、優雅な手つきで伝票をつまみ上げて(笑)今日はありがとう。彼女とも仲良くね、と言って席を立ちましょう。
GM:「ありがとうございます。……実はその。彼女は高校時代の同級生なんですが。俺は浪人して、彼女は大学に受かって……最近あっちがサークルで忙しくて、夜遅くまでなかなか帰ってこないんですよね……ははは」(爆笑)
未空:(凄くイイ笑顔で)ああ、それはもう遅いな。
GM:「うわああああ!やめてくださいって!」
日下:そこの隣のテーブル!勝手に話に入ってこないでくださいっ!(笑)
明:未空さん、そんなキャラだったんですね。
未空:すまん(苦笑)、俺チャンスがあるとボケる、というクセを設定してあるんだ。
日下:……私、『ボケには必ずつっこむ』というクセを設定してるんですよねえ(爆笑)。
真純:……いいコンビだよ、あんたら。
 
 

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